第47回日本集中治療医学会学術集会

第47回日本集中治療医学会学術集会

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ご挨拶

 第47回日本集中治療医学会学術集会を、「明日の集中治療を科学する」をテーマとして開催させて頂きます。
 私は、卒後一貫して集中治療に軸足を置いて活動を続けてまいりました。本学会で多くのことを学び育てて頂きました。今回の学術集会を通して、私を育てて頂いた本学会にできるだけの恩返しをすべく、プログラム委員会、演題査読頂いた先生方はじめ多くの皆様方のご協力を得ながら準備を進めて参りました。
 2014年に「学術集会あり方検討委員会」が設立され、委員長として学会の大きな柱である学術集会の改革を推進して参りました。その一環として、構造化抄録での応募と査読基準の標準化、採択率の適正化に取り組んで来ました。今回、一般演題・公募演題合わせて1850演題の応募を頂きました。そのほとんどが構造化抄録で作成されており、非採択となった基準は、「論理に飛躍がある」などの高いレベルであり、応募演題の質が年々上昇しているのを実感いたしました。採択率は92%で、採択演題の約30%を口演とさせて頂きました。また、新しい試みとして査読結果の詳細を通知させて頂きました。お陰様で、指定演題・講演と合わせて、発表数は約2200題に上りました。これも皆様方のお陰です。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
 さて、集中治療医学の進歩により、比較的短期の生命予後は近年目覚ましく改善してきていますが、重篤な病態からの生存者の多くは社会復帰が困難となっている現状が明らかになってまいりました。このような中、「集中治療早期リハビリテーション委員会」、「PICS対策・生活の質改善検討委員会」が立ち上がり活動を開始しております。これはまさに私のライフワークでもあり、今回のテーマには、「これからの集中治療は、救命の先にある社会復帰までを目標とすべき」との思いも込められております。また、ここ数年、敗血症診療ガイドラインをはじめとして多くのガイドライン作成に携わってまいりましたが、こと集中治療領域においては、従来のRCTでは真のエビデンスの創出には多くの問題があると感じております。最近、ARDSや敗血症などの均一な疾患ではない症候群をsubphenotypeに分類し、precision medicineにつなげる研究や統計学的手法が開発されつつあります。これを主題に、欧米と日本の臨床家、研究者、統計学者を交えてのディスカッションも企画しております。
 今回、新たな試みとして、「よくわかるセミナー」、「エキスパートセミナー」、「文献レビュー」、「Pros & Cons」を会員の皆様方のアンケートをもとに企画しました。講師にはテキストを執筆頂き、事前登録を頂いた参加者に特典として無料で配布させて頂いております。ツイートセッションやアンサーパッドを用いた会場参加型のセッションも数多く企画しました。海外からの招聘もいわゆるビッグネームに数多くお越し頂き、さながらドリームチームのようなメンバーとなっています。日本にいながら、世界のオピニオンリーダーの講演や座談会に参加することのできるまたとない機会です。
 今回、できるだけ多くの企画を公募としました。これは、私自身の経歴に基づくものです。市中病院で全く無名であった私がここまで来られましたのは、本学会に応募した特別セッションに採択されたことが大きな契機となっております。
 併設開催される、日韓ジョイントコングレスは20周年記念大会となります。多くの海外演者も迎え、オリンピックの機運が高まる中、名古屋の地で皆様にお会いできますことを心待ちにしております。

2020年1月吉日
第47回日本集中治療医学会学術集会
会長 西田 修

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