第52回日本集中治療医学会学術集会
会長 垣花 泰之
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科
生体機能制御学講座 救急・集中治療医学分野
このたび、第52回日本集中治療医学会学術集会を開催するにあたり、心よりご挨拶を申し上げます。
日本集中治療医学会は、2024年に創立50周年を迎えました。そして2025年、私たちはこれまでの50年間に培ってきた知識や技術、多職種連携、システム構築を土台として、新たな未来への第一歩を踏み出す記念すべき年を迎えます。そのような節目の年に開催する本学術集会のテーマは、「英知集結―新時代の集中治療を創造する―」“Success depends on wisdom: Creating a New Era of Intensive Care”といたしました。このテーマには、さまざまな分野の知恵と才知を結集し、新たな価値を創造していくという私たちの強い意志が込められています。
集中治療という分野は、医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師、管理栄養士といった多職種が一丸となり、24時間体制で急性期診療に取り組む重要な医療領域です。新型コロナウイルス感染症の重症患者への対応を通じて、人工呼吸管理やECMO管理など集中治療の専門性が注目され、多職種連携の重要性も改めて認識されました。しかし、私たちが目指すのは単なる救命ではありません。重症患者の社会復帰を実現し、その家族を含めた生活の質の向上を目指すことが求められています。この目標を達成するためには、集中治療医学会が中心となり、地域の支援機関や社会全体と連携して持続可能な仕組みを構築する必要があります。
また、超高齢社会を迎えた日本では、急性期から長期予後の質の改善を視野に入れた取り組みが極めて重要です。この重要な視点を本学術集会を通じて学会員の皆さまと共有し、未来の集中治療の方向性をともに模索していきたいと考えています。
今回の学術集会では、一般演題・公募および英語セッションを含め、2,073題ものご応募をいただきました。この場を借りて心より御礼申し上げます。皆さまの貴重な研究成果を基に、これからの集中治療医学・医療の新たな可能性、多職種連携のさらなる発展について、白熱した議論が繰り広げられることを期待しています。本学術集会は、学会員同士が意見を交換し、最新の知識を共有することで学会全体のレベルアップを図る貴重な機会です。
どうぞ一人でも多くの会員の皆さまにご参加いただき、互いに研鑽し合い、交流を深めながら、実り多い時間をともに創り上げてまいりましょう。
最後になりますが、本学術集会の成功に向けて皆さまのご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。
2025年1月吉日
この度、令和7年(2025年)3月14日(金)・15日(土)・16日(日)の日程で、第52回日本集中治療医学会学術集会を福岡市にて開催する運びとなりました。
日本集中治療医学会は1974年に設立され、2024年が創立50周年となります。2025年はこれまでの50年の間に培った知識・技術・多職種連携・システム構築を基盤として、新たな一歩を踏み出す記念すべき年にあたります。集中治療は、医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師、管理栄養士などの多職種の連携のもと、24時間体制で集中治療を行う急性期診療領域です。学会の会員数は11,067名(2023年8月)となりました。新型コロナ感染症の重症患者対応に関しては、人工呼吸管理やECMO管理など、集中治療の役割の大きさや、多職種連携の重要性が認識されました。さらに、重症患者の多くが、長期にわたり社会復帰が困難となり、その家族にまで影響を及ぼしている現状を鑑み、集中治療は、救命の先にある社会復帰を目標とすべきという認識のもと、集中治療医学会が中心となって地域の受け皿となる各機関との連携強化など社会全体で考える仕組みづくりを行っていこうと考えています。また、超高齢社会の我が国では、長期予後の質改善を目指した取り組みを、急性期から積極的に進めていくのは極めて重要かつ根本的な考えであり、そのことを日本集中治療医学会学術集会を通して、学会員と共有していく必要があると考えています。
今回のタイトルは、「英知集結〜新時代の集中治療を創造する〜」”Success depends on wisdom: Creating a New Era of Intensive Care”といたしました。これからの集中治療の目指す新たな方向性、多職種連携の強化などに関して、白熱したディスカッションを行う予定です。また、日本集中治療医学会学術集会は、最新の知識を学び学会員全体がレベルアップするための重要な機会となります。学会員同士の意見交換や情報共有を行う重要な場とも考えています。そしてその結果は、重症患者の適切な管理に直結するため、多くの国民に対して安心・安全な医療を提供することに繋がるものと信じています。
多くの皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
2024年4月吉日
© 2024 The 52nd Annual Meeting
of the Japanese Society of Intensive Care Medicine