ご挨拶

第52回日本集中治療医学会学術集会

会長 垣花 泰之

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科
生体機能制御学講座 救急・集中治療医学分野

垣花 泰之

この度、令和7年(2025年)3月14日(金)・15日(土)・16日(日)の日程で、第52回日本集中治療医学会学術集会を福岡市にて開催する運びとなりました。

日本集中治療医学会は1974年に設立され、2024年が創立50周年となります。2025年はこれまでの50年の間に培った知識・技術・多職種連携・システム構築を基盤として、新たな一歩を踏み出す記念すべき年にあたります。集中治療は、医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師、管理栄養士などの多職種の連携のもと、24時間体制で集中治療を行う急性期診療領域です。学会の会員数は11,067名(2023年8月)となりました。新型コロナ感染症の重症患者対応に関しては、人工呼吸管理やECMO管理など、集中治療の役割の大きさや、多職種連携の重要性が認識されました。さらに、重症患者の多くが、長期にわたり社会復帰が困難となり、その家族にまで影響を及ぼしている現状を鑑み、集中治療は、救命の先にある社会復帰を目標とすべきという認識のもと、集中治療医学会が中心となって地域の受け皿となる各機関との連携強化など社会全体で考える仕組みづくりを行っていこうと考えています。また、超高齢社会の我が国では、長期予後の質改善を目指した取り組みを、急性期から積極的に進めていくのは極めて重要かつ根本的な考えであり、そのことを日本集中治療医学会学術集会を通して、学会員と共有していく必要があると考えています。

今回のタイトルは、「英知集結〜新時代の集中治療を創造する〜」”Success depends on wisdom: Creating a New Era of Intensive Care”といたしました。これからの集中治療の目指す新たな方向性、多職種連携の強化などに関して、白熱したディスカッションを行う予定です。また、日本集中治療医学会学術集会は、最新の知識を学び学会員全体がレベルアップするための重要な機会となります。学会員同士の意見交換や情報共有を行う重要な場とも考えています。そしてその結果は、重症患者の適切な管理に直結するため、多くの国民に対して安心・安全な医療を提供することに繋がるものと信じています。

多くの皆さまのご参加を心よりお待ちしております。