日本集中治療医学会第1回関西支部学術集会

ご挨拶

「日本集中治療医学会第1回関西支部学術集会の開催にあたり」

神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 麻酔科学分野 教授

溝渕知司

日本集中治療医学会第1回関西支部学術集会の開催にあたりひとことご挨拶申し上げます。
本年の関西支部学術集会は2017年7月8日(土)に神戸コンベンションセンター神戸国際会議場にて開催致します。本会は、これまで日本集中治療医学会近畿地方会として活動してまいりました。第1回は1980年に大阪大学の吉矢生人先生が会長で開催されており、本年の学術集会は通算いたしますと第62回近畿地方会となります。ただ、皆様ご存知のように、2017年1月1日より新たに、一般社団法人日本集中治療医学会関西支部として活動を開始することになりました。このため、今年が新たな体制で最初の学術集会開催となります。
今年の学術集会テーマは、「集中治療を育む」と致しました。日本に集中治療という診断治療体系が導入され半世紀になろうとしています。この間、多くの先輩方が多大なご努力をされ現在の礎を築きました。近年は多くの新しい情報がリアルタイムに得られる時代ですが、物事を成す時には、過去を知り現在を見据え将来に進むことが成功の大きな鍵になります。大きく成長してきた日本の集中治療を今後もさらに充実して大きく発展させ「集中治療を育む」ためにも、これまでの学会の歩みを知り今一度原点に戻って将来に進めるよう本学術集会を開催したいと考えています。
具体的内容は、一般演題発表以外に、シンポジウム2題、教育講演5題、ランチョンセミナー3題を企画しました。午前のシンポジウムは、学会テーマに沿って「集中治療を育む-Knowing the past, and we will see the future-」とし、関西支部会員で広くご活躍される先生方に年代別にご登壇いただき、関西支部からこれからの集中治療をさらに盛り上げたいという思いも含め、これからのICUを語っていただきたいと考えています。午後のシンポジウムは、チーム医療である集中治療が取り組む最近の話題としてPost Intensive Care Syndrome (PICS)を取り上げました。「PICSをチームで解決するーIntensive Care Home for PICS」として、質の高い集中治療を提供するための最新の情報を第一線で活躍する多職種の方々に討論いただきたいと考えています。教育講演は、医師、看護師、臨床工学士だけでなくICUにかかわるすべての方々が参加できるテーマ5題を準備致しました。最新のトレンドも含めご聴講頂きたいと思っています。さらに、今回の学術集会では、応募された演題の中から優秀演題賞のセッションを設け、最優秀演題賞を選出する予定です。
国際都市神戸は最先端のものも多くありますが、実の中身は古い伝統を守り歴史を大切にする心が強くある街で、伝統を大切にしつつ、年ごと、季節ごとにその様相を新しいものに変えていきます。是非、しっかり勉強していただくと同時に学術集会を含めた神戸の初夏を楽しんでいただければうれしい限りです。どうぞよろしくお願い致します。