会長挨拶
日本集中治療医学会 第8回東海北陸支部学術集会の会長を拝命しております、あいち小児保健医療総合センター 小児救命救急センターの池山貴也と申します。支部学術集会を開催させていただくにあたりご挨拶申し上げます。
第8回東海北陸支部学術集会は名古屋駅近くのウィンクあいちにて、2024年7月20日(土)に開催を予定しております。
今回の支部学術集会のテーマは「こころ ひとつに」とさせていただきました。
成人でも小児でも質の高い集中治療を提供する鍵となるのは、チーム医療です。集中治療医やICU看護師だけでなく、専門診療科の医師、臨床工学士、薬剤師、理学療法士、管理栄養士が「こころ ひとつに」一丸となって、困難な症例にあたる必要があります。そのためには、ブリーフィング(事前打ち合わせ)やデブリーフィング(振り返り)が行われますが、本集会では、最新の医療技術・知見だけでなく、こうしたチーム医療を達成するための手法にも焦点を当てさせて頂きます。
新型コロナウィルスは東海北陸地方の集中治療にとっても、大きなチャレンジでした。その一方で、成人でもECMOが考慮される重症患者を搬送し救命につなげるなど、地域全体で「こころ ひとつに」して立ち向かうことができました。これは、医療システムが更なるステージに進む転換点でもあったかと思います。病院間連携や地域全体での取り組み、遠隔ICUなども本集会での大事なテーマの一つです。
また、現代の集中治療室においては、医療チームが複雑な医療機器や膨大なデータに惑わされることなく、患者さまにとっての最善を追求できるようにサポートする医療情報システムや人工知能が必要です。こうしたシステム開発での「こころ ひとつに」した医工連携も大いに議論して頂ければと思います。
最後になりましたが、今回の支部会の大きな目玉の一つは「PICUキャラバン」です。これは、中国・四国,関西,東海・北陸,関東・甲信越の4支部集会の2024年大会長が「こころ ひとつに」アイデアを出し合って案を練りました。各支部学術集会における企画に,PICUに関連した講演やシンポジウムなどを取り入れ,小児集中治療に関する知識と造詣を深めて頂くものです。小児集中治療領域における,呼吸,循環,ECMO,輸液,搬送,システム構築など,重要な項目について,基本から最新の知識までをアップデートし、それぞれの地域におけるPICUのあり方について議論をおこないます。奮ってご参加下さい。
日本集中治療医学会の西田修理事長をはじめとする、この地方の偉大な先人達が東海北陸の集中治療を切り拓いてきました。更なる発展のためには、集中治療に関わる様々な職種の次世代が活躍し、未来を切り拓いていく必要があります。
本会は参加者の皆様に議論・交流していただけるように特別講演、教育講演、シンポジウム、一般演題など多くの企画をご用意させて頂きます。
多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。
日本集中治療医学会 第8回東海北陸支部学術集会
会長 池山貴也
(あいち小児保健医療総合センター 小児救命救急センター)