会長挨拶
日本集中治療医学会第7回関西支部会学術集会
会長 美馬 裕之
(神戸市立医療センター中央市民病院)
この度、日本集中治療医学会第7回関西支部会学術集会の会長を拝命いたしました神戸市立医療センター中央市民病院の美馬裕之です。2023年7月29日(土)に神戸国際会議場にて実地開催する運びで準備を進めております。開催にあたりご参加、支援いただく方々に心より御礼申し上げます。
今回のテーマは「シン・ICU ~I See You~」といたしました。ふざけたテーマだとお怒りのみなさん、我々は大まじめです。コロナ禍以降、集中治療は世間に多くは好意的な目で認識されたものと思います。エクモという言葉が何度もニュースで取り上げられたり、人の命を左右する場所として何度もTVカメラが入ったりするのを見ました。コロナ禍は大変な経験でしたが、今思うのは過去の災害や臨床の経験の中に積もっていたいくつもの医学的、文化的課題がいやが上でも掘り起こされ、突きつけられたということです。いくつかはまた先送りされたでしょう。いくつかは多少なりとも改善されたはずです。嵐が去ったあとには元に戻っただけではない、アップデートされたシン・ICUの姿があるようにも思えます。過去をリスペクトしつつ螺旋階段をぐるぐる回るように、私たちは着実に前に、上にと進んでいきます。温故知新。そんな願いを込めてみました。
かつてICUはI See You だと、誰かが言いました。人と人が出会う場所。それはますます現代のICUにおいて重要な概念となってきているように思います。ICUの中の出来事だけではなく、退室後のケアを考える人がいます。退院、転院後の地域でサポートしていくことに目を向ける人たちがいます。多くの人が出会い次につなげる、閉鎖空間ではない、オープンなシン・ICU(≠オープンICU。誤解なきよう)。この学術集会も多くの職種の皆様に会場に来ていただき、にぎやかな会となることを切に願っております。