ご挨拶
第48回日本集中治療医学会学術集会(2021年2月12-14日)の会長を拝命し大変光栄に存じます。
本会はCOVID-19の再拡大状況および緊急事態宣言発令に伴い集合開催は断念しました。本学会会員はCOVID-19による重症患者の治療の中心を担っています。重症患者も再び増加し集中治療ベッド数の不足とともに流行が長期にわたり会員の疲労もたまってきております。こんなときに学術集会を開催することにジレンマがありますが、会員の一番ご負担が少ないhome to home でのweb開催とし総合討論は海外演者も含めてライブ討論ができるように設定しました。最近のアカデミックな成果が共有できる機会になればと思っています。
この学術集会では、「臨床研究推進と研究成果の国際発信力強化」を最重要課題として取り組み、またライフワークである「神経集中治療」は基礎を固めて次につなげる企画にしました。
1. 臨床研究推進と研究成果の国際発信力強化
ESICM、ANZICS、SCCM、を目標に、そしてアジア各国との良き競争相手として本学会が国際的に確固たる地位を築くことにつながる学術集会を念頭に企画いたします。
医師、看護師、メディカルスタッフ主導型の臨床研究チームが、国際的に通用する多施設無作為化共同研究(RCT)などを企画する際、企画段階から調査費助成などを援助し、さらに外部資金獲得をサポートすることにより、スピーディに成果を出し、その成果をJINCなどに掲載していく。このプロセスは重要だと思います。学術集会で皆様と共有できるようにしました。
2. 神経集中治療:基礎を固めて次世代につなげる
急性期持続脳波モニタリングの普及、脳神経外科・脳神経内科専門医と集中治療専門医の連携、国際多施設無作為化共同研究の推進、などの戦略そして成果を議論し、次世代に残せる企画としました。
以上を主体に、いろいろな集中治療・集中治療医学の分野から最新の研究、教育、診療について議論する場にいたします。多職種の会員の皆様からいろいろ御意見いただいて職務を遂行したいと思っています。
ご支援の程、どうかよろしくお願い申し上げます。
黒田泰弘 拝
第48回日本集中治療医学会学術集会会長