- 第40回日本集中治療医学会学術集会の開催にあたって
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第40回日本集中治療医学会学術集会
会長 岡元 和文
(信州大学医学部救急集中治療医学講座、
高度救命救急センター、集中治療部)第40回日本集中治療医学会学術集会を2013年2月28日(木)~3月2日(土)に松本市で開催させていただくことになりました。第40回学術集会という節目の学会を開催する機会を頂きましたことを理事、評議員、会員の皆様方に心から感謝申し上げます。節目の年であることを意識して、メインテーマは「原点から未来へ!アルプスの麓で集中治療を学ぶ」としました。
この40年の間に、集中治療を取り巻く環境は大きく変化いたしました。約40年前にBird人工呼吸器の分解組み立てから始まった人工呼吸法、レスピレータ・ブレインとレスピレータ肺(現在の人工呼吸器関連肺傷害)の概念、中心静脈栄養法の導入、体外式肺または心肺補助法(ECLA、PCPS)の開発、高CO2血症許容人工呼吸法、一酸化窒素吸入療法、持続血液濾過透析(CHDF)を始めとする急性血液浄化療法、非侵襲的人工呼吸法、脳死移植など、この間に数多くのことが話題となりました。私達は集中治療の魅力にとりつかれ、多くのエネルギーをこれらの話題に注いだことを思い出します。
最近の集中治療の進歩にはさらに目覚ましいものがあります。侵襲的モニターと治療法から非侵襲的なものへ、感染を起こさない重症患者管理の技術、経腸や末消静脈栄養法の進歩、CTやMRIなどの画像診断技術の進歩、information technology の進歩など話題に事欠くことはありません。最も、注目するべきことは重症患者のケア(オーラルケアなど)の重要性が強く認識されるようになったことと集中治療に関する地球規模での標準化(global standard)という考えが一般的になってきたことです。
本学会の特色は、集中治療に携っている医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士など多彩な職種からなるチームとしての学会です。会長講演、特別講演、招請講演、教育講演、シンポジウム、パネルディスカッションなど以外に、イノベーション講演、Pro-Con ディベート、English sessionなどを計画しました。会員が会場を選択し易いように会場毎にテーマを決めました。会場は、集中治療のプログレスを知る会場、集中治療をディベートする会場(Pro-Con ディベート)、集中治療のトピックスを学ぶ会場、集中治療専門医のセミナー会場、ME集中治療をディベートする会場、展示・ポスター会場、優秀演題発表の会場、集中治療チームの会場、集中ケアのプログレスを知る会場、集中ケア基本セミナー会場、集中ケアのトピックスを学ぶ会場、集中ケア専門ナースのための会場に分かれています。集中治療に携っている医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士など多彩な職種からの研究発表をお待ちいたしております。
アルプスの麓の松本は水と空気が美味しい美しい街です(神様のカルテの舞台)。近くには、安曇野(おひさまの舞台)、浅間温泉、美ヶ原温泉、扉温泉など以外に、少し足を延ばすと夜間スキーが楽しめる白馬、御神渡りで有名な諏訪湖、黒部の太陽で有名な大町温泉郷、別所温泉などがあります。信州の2月末から3月初旬は快晴が多く、空気は澄み北アルプスなどの風景写真を撮るのに最高の季節です。カメラをお持ち下さい。折角の機会です。学術集会に加えて信州の温泉や夜間スキーもお楽しみください。