支部学術集会レポート日本集中治療医学会 第7回中国・四国支部学術集会(岡山)

日本集中治療医学会 第7回中国・四国支部学術集会

会 期 2023年7月30日(日)
会 場 岡山コンベンションセンター
会 長 西村 祐枝(岡山市立市民病院 看護部 副看護部長)
副会長 森松 博史(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科麻酔・蘇生学講座)
テーマ しなやかに集中治療を彩る~真のチーム医療の実現~
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2023年7月30日(日)に岡山県岡山市の岡山コンベンションセンターにおいて日本集中治療医学会 第7回中国・四国支部学術集会を開催しました。今回、全国に先駆けて、非医師である私が初の会長を仰せつかりました。前日には集中治療セミナーが催され、4年ぶりの多職種シミュレーションは大盛況で、学術集会当日はその余韻が残る形で幕は上がりました。学術集会のテーマを「しなやかに集中治療を彩る~真のチーム医療の実現~」とし、どんな場所でも対話しながら楽しく学ぶことのできる運営を意識しました。セッション会場内はもちろんのこと、機械展示場や廊下などすべての場所が笑顔と活気に溢れていました。

本支部学術集会は多職種2名の座長による対面発表形式としました。64題の一般演題に加え、理事長講演をはじめとする特別講演(3)、多職種シンポジウム(6)、企業共催セミナー(5)と充実した企画でした。当日の学会参加者は435名で、「それぞれの職種の熱意が高く、専門性を発揮しつつ互いを尊重してチーム医療を進めていると感じた」「多職種とのコラボレーションを体験できる素晴らしい貴重な経験ができた」「多職種を尊重された雰囲気が斬新で楽しかった」などの感想がありました。 特別講演として、日本集中治療医学会 西田修理事長には、「日本集中治療医学会の改革と今後の展望:3年間の取り組み」と題し、理事長就任後に行われた様々な取り組みについて講演いただきました。集中治療のブランディングを構築させてきた軌跡と多職種だからこそ実現可能な挑戦、そして我々の存在意義を社会に発信し続けていく大切さを拝聴し、多くの参加者が鼓舞されていました。看護師で理事である卯野木理事には、「レジリエンスの高い集中治療看護のために」と題し、集中治療認証看護師[集中治療認証看護師(ICRN)、集中治療認証看護師-知識認証(ICRN-K)]を構築された背景や開発の経緯、資格制度の現状と課題について、解説いただきました。会場内は人材育成支援も含めて、熱い討論が交わされました。 多数の多職種シンポジウムはいずれも魅力的で、明日から臨床で役立つものばかりでした。会場内はどこも大盛況でした。本学術集会で初の試みとなる「学術集会でここまでするの!?リアルカンファレンスを体験する」では、現場で悩む倫理的課題のあるケースについて、フロアを巻き込んだカンファレンスが実演できました。登壇したメンバーは出会ったばかりとは思えぬリアルな場面を演出し、参加者は周囲で意見交換が始まるほど熱心に傾聴しいっていたのが印象的でした。中国・四国支部が誇れる新たな企画を生み出せたという思いと、真のチーム医療を実現できた思いがしました。
(レポート:西村祐枝)