日本集中治療医学会 第9回東北支部学術集会 日本集中治療医学会 第9回東北支部学術集会

会長挨拶

会長 奥山 学
日本集中治療医学会 第9回東北支部学術集会
会長 奥山 学
(秋田大学大学院医学系研究科救急集中治療医学講座)

この度は、日本集中治療医学会第9回東北支部学術集会の会長として、2025年7月12日(土)の学術集会を主催する運びとなり、学会員の皆様、関係者の皆様方に心からの感謝を申し上げます。

本学術集会は、道元禅師の教えに着想を得て、「而今〜今このとき〜」をテーマといたしました。

道元禅師は、13世紀鎌倉時代の日本の禅僧で、日本における曹洞宗の開祖として知られています。彼の思想は「正法眼蔵」などの著作を通じて広く伝えられ、「日本思想史上、最高の哲学者」とも称され、現代西洋の「マインドフルネス」にも影響を与えたとされています。

道元禅師は、時間が過ぎ去るという一般的な見方に異を唱え、過去も未来も含めて全てが「而今(にこん)」、つまり「今このとき」であると説きました。時間は過ぎ去るものではなく、どの瞬間にもおいても、その時刻における自己が存在する。つまり、時間を線形的な流れで捉えるのではなく、連続する「今」の集合として捉えるということです。この概念により、過去の経験や未来の不安に囚われることなく、現在の瞬間に意識を集中することで、自己の真の状態に気づき、より深い自己理解に至ることができ、それが悟りの境地へつながるとされています。

一方、私達が従事する集中治療の現場でも、その瞬間ごとに迅速かつ正確な判断を下し、患者、家族の利益のために「今」に集中することが求められています。しかし、実際には、経験、慣習に囚われ、先々の事を心配し、私達の判断は様々なことに影響されてしまいます。

そこで、本学術集会は、「今、あらためて」、「今」出来ることは何か?「今」なすべきことは何か?を議論し学びあう場にしたいと考えております。集中治療医学の最新知識と、自分自身や自施設の「今」を再確認していただくと共に、ストレスの多い環境で働く皆様方のウェルビーイングにも目を向けご自身の心の在り方についても深く考える機会になることを願っています。

そして、7月中旬の学術集会当日の「今」を楽しむための企画も用意いたします。会場の「にぎわい交流館あう」内に託児所を準備いたします。是非、お子様連れで会場にいらしてください。是非、お子様と一緒に聴講、発表してください。全員、カジュアルな服装で参加して下さい。ネクタイは不要です。Tシャツでの参加、発表も歓迎します。夏の秋田市で皆様とお会いできることを楽しみにしています。どうぞよろしくお願いいたします。

日本集中治療医学会第9回東北支部学術集会
会長 奥山 学
秋田大学大学院医学系研究科救急集中治療医学講座

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