支部学術集会レポート日本集中治療医学会 第7回東海北陸支部学術集会(金沢)
日本集中治療医学会 第7回東海北陸支部学術集会 |
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会 期 | 2023年6月17日(土) |
会 場 | 金沢商工会議所会館 |
会 長 | 佐藤康次(金沢大学附属病院集中治療部) |
テーマ | 明日からも続く集中治療のために |
H P | 公式ホームページ |
本支部学術集会は「明日からの続く集中治療のために」というテーマを基に、コロナ禍の厳しい状況下で得た経験や知見を共有し、コロナ禍後の新たなステージへと繋げていけるような支部学術集会を目指しました。本支部学術集会は対面発表のみの形式とし、59題の一般演題に加え特別講演、多職種シンポジウム(2)、特別企画セッション(2)、企業共催セミナー(6)を企画しました。Web配信はなく対面発表のみの設定でしたが、当日は約300名が参加し、どの会場でも活発な討論が行われていました。対面での発表、質疑応答はしばらくぶりであった参加者も多かったのではないでしょうか。 特別講演として、日本集中治療医学会 西田修理事長に理事長就任後に行われた様々な組織改革や日本集中治療医学会の展望について講演いただき、コロナ禍において大きく注目された集中治療の存在意義を社会にアピールし続けていくことの重要性をお話ししていただきました。多職種シンポジウム1は、「ICU survivorsのQOL改善を見据えての取り組み」というテーマで救命の先にあるQOL向上を目指した様々な取り組みを紹介していただき、多職種間で取り組むべき現在の問題点や、今後の進むべき方向性について活発に議論されていました。多職種シンポジウム2では「患者中心医療」という非常に難しいテーマでしたが、医師や看護師に加え臨床心理士の専門性を活かしたアプローチも紹介していただきました。決まった1つの正解はなく、各職種におけるアプローチの違いもあり、総合討論の時間が短くなるくらい活発な意見交換が行われました。また企業共催セミナーでは、支部学術集会にもかかわらずサッシャ・スターチェビッチ・カワゾエ先生にスイスから来日していただき、座長からの質問に答える形で人工呼吸の未来について、初学者でも分かり易くご講演していただきました。
最後に、今回は通常のポスター発表ではなく、デジタルポスター形式とし2つのブースに分かれてそれぞれミニオーラル方式での発表となりました。小ブースであったことから、和やかな雰囲気のもと活発な意見交換が行われ、明日からの診療にすぐ役立つような教育的なディスカッションが行われていました。
(レポート:佐藤康次)