ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-854-FP-325 A 病院ICUにおける離床の影響因子砂川市立病院 看護部 ICU森山 祐輔、千田 頼成、伊波 久美子【目的】近年、重症患者に対する早期離床の重要性が認識され、ICU入室中から段階的に離床を図ることが推奨されている。 A病院ICUでは、2013年より早期離床を目的にチームを作り活動を行ってきた結果、翌年にはICU在室中に端坐位となり、車いすで退室する患者がみられるようになった。しかし、離床が進まず臥床状態のまま退室となる患者もいる。そこで、A病院ICUにおける離床を妨げる要因を調査したので報告する。【方法】対象患者:平成26 年1 月から平成27 年6 月までの期間にてA 病院 ICUに入室された48時間以上人工呼吸器を装着した患者47名。データ収集方法:診療録から以下の患者情報を収集する。「病名」「年齢」「性別」「入室形態」「ICU 滞在日数」「APACHE2」「入院時予測死亡率」[SOFA]「人工呼吸器装着時間」「鎮痛薬の使用日数」「鎮静薬の使用日数」「補助循環装置の有無」「血液浄化の有無」「昇圧剤使用の有無」「昇圧剤の最大投与量」「リハビリテーション(以下リハビリとする)介入の有無」「リハビリ介入までの日数」「せん妄の有無」「マンパワー」など。分析方法:対象患者を ICU在室中に端坐位になった患者を離床群。端坐位になれなかった患者を非離床群とし、χ二乗検定、t検定を行った。分析にはJMP11.1 を用い、p< 0.05 を有意差ありとした。【結果】対象者は離床群23名、非離床群24名。平均年齢は69.2 才(離床群69.8 才、非離床群68.6才)男/ 女比28対/19 (座位群比17/6、非座位群比11/13)入院時重症度、入院時予測死亡率、ICU在室日数、人工呼吸器装着時間、補助循環装置の有無、血液浄化の有無、昇圧剤使用の有無では、有意差がなかった 。性別(p0.049)、せん妄の有無(p0.0184)、リハビリ介入の有無(p<0.0001)、で有意差が見られた。FP-326 離床フローチャート導入前後における看護師の離床に対する意識変化群馬大学 医学部 附属病院 集中治療部小暮 圭佑、鈴木 智恵、宮原 悦子、倉田 麻美、松井 実咲、佐藤 綾子【はじめに】A病院集中治療室(以下ICU)では、術後入室患者に対してはICUで作成したリハビリテーション表(以下リハ表)を使用し、それ以外の患者には患者毎の安静指示の範囲で離床をしている。しかし、安静指示の変更忘れにより、離床が開始されない・進まないといった問題点や、リハ表対象外の患者に対して統一した開始・中止基準が明記されておらず、離床を進めにくいという現状があった。そこで、離床の援助方法・対応方法を可視化し、経験年数に関係なく安全に離床が行えるよう、医師、理学療法士と共に離床フローチャートを作成し導入した。離床フローチャートでは、術後入室だけでなく、できる限り多くの患者を対象とすることで、看護師が早期離床の必要性を意識できるのではないかと考えた。【目的】離床フローチャートの導入前後で看護師の離床に対する意識変化がみられるか明らかにし、安全で質の高い離床援助の推進に貢献する。【対象】A 病院ICUに勤務する看護師51人を対象とする。【方法】離床に対する質問項目について選択式、自由記載式で回答する独自のアンケート用紙を作成し、フローチャート導入前後でICU看護師へ配布した。そのアンケートを回収・単純集計し、前後での比較検討を行った。倫理的配慮については当該施設疫学研究に関する倫理審査委員会の承認を得た。この研究の利害関係については、群馬大学利益相反マネジメント委員会の承認を得た。【結果・考察】フローチャート導入前のアンケートでは、全看護師が早期離床の必要性を感じているが、約4割の看護師があまり積極的に離床を行えていないと感じていた。その理由としては、「忙しく時間がない」「人手が足りない」「どの程度離床を進めていいか分からない」という答えが多かった。また、開始・中止基準の認知度はICU 経験年数が浅い看護師で低く、開始・中止基準の周知が必要であると考えられた。FP-327 集中治療室における離床マニュアルの作成―離床の安全性と効果からの検討―1)福山市民病院 集中治療室、2)福山市民病院 麻酔科・がんペインクリニック、3)福山市民病院 リハビリテーション科池口 修平1)、大元 未知子1)、木村 由佳1)、石井 賢造2)、日高 秀邦2)、小野 和身2)、三島 明3)、内田 綾3)【目的】離床マニュアルを作成、使用し安全に離床することができる【対象・期間】2014年4 月~7月(離床マニュアル作成前)と2015年4 月~7月(離床マニュアル作成後)に全身麻酔手術後に1 泊2 日で入室した患者及び集中治療室勤務看護師【方法】本研究前後での集中治療室勤務看護師の意識調査(アンケート調査)麻酔科医師、リハビリ科医師、理学療法士と協働して離床マニュアルを作成し勉強会を開催する。離床率、離床時の合併症発生率、離床効果をカルテよりデータ収集【倫理的配慮】当院倫理委員会の承認を得て施行【結果・考察】離床マニュアル使用前は、離床方法や離床開始や中止の判断が看護師個々にまかされており、離床時の合併症や離床できないなどの事例をほとんどの看護師が経験していた。研究前のアンケートでも看護師は離床に対する不安や負担を抱えており、離床手順・離床開始基準・離床中止基準・離床再開基準を盛り込んだ離床マニュアルの作成を要望する声が多かった。マニュアルの作成、使用後は「統一した離床方法や離床判断ができるようになり安全に離床することができるようになった」「勉強会を開催することで離床の必要性や合併症を再学習することができた」と答えた看護師が増加した。また、理学療法士と協働して離床を行うことで、それぞれの視点でアセスメントができ更に安全に離床ができ早期離床にもつながった。【結語】当院集中治療室離床マニュアルを使用し離床することで安全に離床することができるようになった。