ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-820-FP-223 当院における重症心不全チームの立ち上げについて1)心臓病センター榊原病院 臨床工学科、2)心臓病センター榊原病院 循環器内科、3)心臓病センター榊原病院 心臓血管外科、4)心臓病センター榊原病院 看護師、5)心臓病センター榊原病院 理学療法士、6)心臓病センター榊原病院 薬剤師中島 康佑1)、林田 晃寛2)、平岡 有努3)、門田 啓4)、奥村 佳史6)、斎藤 和也5)、田村 幸二4)、浮森 佐知子4)、三宅 孝子4)、坂口 太一3)当院はICU30床(現在の稼働は16 床)を有する心臓を中心とした急性期病院である。しかし主治医が各科のまま患者管理を行うOpen ICU でIntensivist が存在しない。Intensivist がいることで死亡率や在院日数などoutcom が改善する事が知られているが、ECMO(VA・VV 含む)患者においても成績向上に寄与するものと考えられる。そこで慢性心不全チーム立ち上げとともに、多職種による多角的視野を持って「全般的機能回復」を目的とした重症心不全チームの立ち上げを2014 年10 月に行った。対象はECMO 症例全般、期間はECMO 離脱翌日までとし、チームで話し合った1 週間分の検査を統合セット化しECMO 挿入時にオーダー、これらの検査結果や職種別に設定した項目について毎朝8:15に多職種で集まりカンファレンスを行うことでその日の問題点・方針を決定した。更に症例毎の反省点をカンファレンスにフィードバックすることで、Dr.やその他コメディカルスタッフの教育にもつながっているものと考えている。2012年9月から現時点での30日生存率はチーム介入前32/73(43%)、介入後6/19(32%)と重症度の評価が難しいことや、症例数が少ないことから一概に比較は出来ないが、成績向上には至っていない。しかし介入後の水バランス(前1893 ± 1719mL vs. 後1271 ± 1797mL P=0.0062)、栄養を48 時間以内に開始出来た群(前17% vs. 後55% Oddsratio 5.8 95% 信頼区間1.32-25.4)送脱血のサイズ変化(前15.81 ± 4.75Fr vs. 後16.26 ± 2.28Fr P=0.0022 前 19.61 ± 3.95Fr vs. 後19.73 ±0.73Fr P=0.0002)など様々な変化が見られている。今回当院における重症心不全チームの立ち上げの経験と、成績向上に関する項目の検討・問題について報告したい。FP-224 千葉労災病院におけるECMO小経験報告1)独立行政法人 労働者健康福祉機構 千葉労災病院 臨床工学部、2)同 救急・集中治療部長見 英治1)、久我 洋志1)、小倉 健1)、堀川 俊之介1)、岡崎 徹1)、山口 友生1)、高村 卓志2)、伊良部 真一郎2)、森脇 龍太郎2)【はじめに】千葉労災病院は昭和40年2月に開院し地域がん診療拠点病院、地域医療支援病院などを取得した400床の病院である。臨床工学技士は、平成18 年10 月に増員し現6 名で24 時間on call体制をとっている。当直は行っていないが心臓カテーテル検査・PCI、ペースメーカ手術時のプログラマ操作や外来チェックおよび遠隔モニタリング管理、高気圧酸素治療(個人用装置2 台)、また整形外科の脊髄手術や脳神経外科の腫瘍摘出および耳鼻咽喉科手術における画像ナビゲーションの操作、さらに人工呼吸器、除細動装置、各種血液浄化装置など生命維持管理装置などの業務に積極的にかかわっている。そのような中、平成21年11月に救急・集中治療医師が着任し、新病院開院にともなってICUを新設したことにより、特にVA-ECMO(VA)およびVV-ECMO(VV)が増加傾向にある。今回、若干ではあるが当院のECMO の小経験を臨床工学技士の視点から報告する。【結果】集計期間は平成24年から平成27年4月で、VAは右房脱血、総腸骨動脈送血、VVは大腿静脈アプローチの下大静脈脱血、右内頚静脈アプローチの上行大静脈であった。VAは5例(男性5)、40~71歳(中央値57)、稼働時間は5時間58分~17時間29分(中央15 時間55 分)で開始した箇所は救急外来や心カテ室および整形外科病棟で、整形外科病棟での肺塞栓症の患者1例のみ社会復帰することができた。VVは5例(男性4)、17~80歳(中央値66)、稼働時間は12時間8分~114時間17分(中央値62時間21分)で開始した箇所は全て人工呼吸管理された集中治療管理中で、社会復帰例は2 例であった。【結語】今後は、スキルアップして、VAおよびVVともに早急な対応を実践し一人でも多くの患者を救命し社会復帰できる患者を増やしたい。FP-225 当院における心肺停止蘇生後患者の予後と来院早期採血データとの関連1)滋賀医科大学 医学部 集中治療部、2)滋賀医科大学 医学部 麻酔学講座、3)滋賀医科大学 医学部 救急集中治療医学講座、4)滋賀医科大学 医学部 家庭医療講座宮武 秀光1)、水野 隆芳2)、北村 直美1)、山根 哲信1)、藤野 和典3)、辻田 靖之1)、田畑 貴久2)、高橋 完1)、松村 一弘4)、江口 豊2)(背景)心肺停止蘇生後患者に対する低体温療法は、神経保護作用だけでなく感染や出血等の合併症の増加も指摘されており、脳機能予後を早期に評価できるマーカーが求められている。今回我々は、心肺停止心拍再開後昏睡患者の来院時の採血データにおいて、治療後の死亡率、脳機能予後、重症度と関連について調査を行った。(方法)対象は2012年6 月から2015 年2 月までに当院に来院した患者に35 度で低体温療法を施行した連続症例とし、30 日死亡率、CPC(Celeberal Performance Category)、10 日後のSOFA scoreと来院時から3 日間の採血データとの関連を検討した。(結果)対象患者は計25例(男:19名、女:6 名、平均年齢:67±19.8)。初期波形はVF:11例、PEA:3例、asystole:11例であった。全体の30日生存例は16例でCPCの内訳はCPC1:7例、CPC2:2 例、CPC3:1 例、CPC4 :6 例であった。30日死亡率と関連したデータは入室第1 病日のCRP 高値、AT3低値、第2 病日のAT3低値、D-dimer高値であった。CPC 2以上と関連するデータは、第1病日の白血球数高値、血小板数低値、第2病日のCRP高値、プロカルシトニン(PCT)高値であった。また10日目のSOFA score 8点以上(中枢神経系のスコアを除く)と関連したのは第1病日のD-dimer 高値、AT3 低値、総ビリルビン高値、CRP 高値、血小板数低値、D-dimer 高値、第2 病日のAT3 低値、総ビリルビン高値、血小板数低値であった。(結論)来院時の血小板数低下は死亡率、脳機能予後、重症度いずれとも関連を認めた。PCTは死亡率、重症度との関連は認めなかったが脳機能予後とのみ関連を認めた。D-dimer、AT3は死亡率、重症度との関連は認めたが、脳機能予後との関連は乏しかった。