ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-748-FP-007 当院における院内急変の現状と今後の課題1)那覇市立病院 集中治療室、2)那覇市立病院 集中治療室 麻酔科平敷 好史1)、新屋 真弓1)、里井 陽介1)、諸見里 勝1)、普天間 誠1)、清水 孝宏1)、伊波 寛2)、宮田 裕史2)【背景】現在当院では予期せぬ院内急変が発生した際、院内一斉コールを利用して応援を要請する事で、診療科を越えての院内急変対応を行っている。しかし、院内一斉コールでのCPR が発生した後の、患者情報や急変の要因など、個々の事例を検証するシステムや部門がなく、問題点が把握できていないのが現状である。当院での今後の院内急変対応を検討する目的に本調査を行った。【調査期間および対象】期間:2014年6月~2015年6月の1 年間 対象:当院ICUおよび一般病棟での入院中に、院内一斉コールでCPRを受けた患者【調査方法】院内一斉コールが利用された際、ICU看護師が院内一斉コール発生病棟と患者を所定の記録紙に記載した。記録紙の情報をもとに、CPRを受けた患者の医師診療記録、看護記録で患者背景、発生要因、CPR実施前のバイタルサインの推移、転帰を調査した。【結果】調査期間内の院内一斉コールでのCPR実施は29 件。年齢(中央値)77± 10.5 歳、男女比21:8、内科系18 名(うちICU1 名)、外科系11 名。院内一斉コールの発生時間は、0~8 時:14 件(49%)、8~16 時:5 件(17%)、16~24時:10 件(34%)であった。心肺停止の推定要因は、痰や異物による窒息7件(24%)、呼吸停止2 件(7%)、致死性不整脈3件(10%)、高度徐脈4 件(14%)、原因不明13 件(45%)であった。心肺停止前の6時間以内に、血圧、脈拍、呼吸回数、SPO2、体温の項目うち、一つ以上の項目が測定されていた患者は22名(76%)であったが、呼吸回数の測定は他の項目と比較し、最も少なく11名(38%)であった。 心肺停止の約6時間後より、何らかの異常があり看護師より医師へ報告されていた患者は10名(34%)であった。CPR実施の24時間後の生存は14名(48%)、転帰は転院3名(10%)、入院中5名(17%)、死亡退院21名(73%)であった。【考察】本調査をもとに、今後、当院での院内急変の対応方法の改善、検証システムの構築を行いたい。FP-008 院内急変の現状と急変現場における救急看護師の役割大阪市立総合医療センター 救命救急センター木村 千穂、堀江 沙矢香、大池 杏実、有元 秀樹、樋口 尚子、川口 なぎさ【はじめに】当院の院内急変体制として、コードブルーチーム(Code Blue Team、以下CBT)と院内救急対応チーム(RapidResponse Team:RRT)があり、2 本柱で急変の予防から発生時までをサポートしている。CBT は救命救急センターの医師・看護師で構成され、救急コールにより起動する。比較的、救急看護師は蘇生場面に慣れていると言えるが、CBT 要請では急変という情報のみで駆けつけ、通常と異なる環境での対応が求められる。今回、院内急変の発生状況および、急変現場で救急看護師が行っている活動の実態を調査することにした。【研究方法】平成26年度におけるCBT 要請件数やその内容、救急看護師が現場で行った内容について、診療録およびCBTデータベースより後方視的に調査する。【結果】CBT要請件数は88件であり、現場到着時に心停止が27 件(30%)、ショックなど生理学的異常が53 件(60%)であった。救急看護師は急変現場でおもに処置の直接的な介助を行っていた。また、現場を評価し、看護師に具体的な指示をしていた。その一方で、物品の不足や不備、救急医や主治医など複数の医師がいる場合はリーダーが不明確、救急看護師の到着を気づいてもらえないなど、対応を困難にする状況も発生していた。【考察】CBTが要請されるような症例では、心停止など差し迫った生命の危機状態にあることが多い。救急看護師は、日常的に行っている救急対応の経験を活かした実践をしていた。また、急変現場の中でリーダーシップをとり、看護師たちへ教育的な関わりも果たしていた。しかし、混乱した現場の雰囲気にのまれそうになるなど、困難な状況も発生しており、救急看護師へ教育サポートも必要であることが分かった。今後は、急変現場へのフィードバックや、CBT要請元の看護師が期待することも把握しながら、よりスムーズな急変対応を目指していきたい。FP-009 当院におけるRapid Response System 導入前勉強会の効果に関する検討1)彦根市立病院 ICU CCU病棟、2)彦根市立病院 看護部、3)彦根市立病院 救急センター、4)彦根市立病院 外科、5)彦根市立病院 循環器科中村 紀子1)、馬場 多恵1)、椹木 愛美1)、泉野 宏貴2)、鈴木 佳奈2)、林 薫3)、平田 渉4)、中野 顯1,5)【目的】当院では、平成27 年4 月にRapid Response System(以下RRS)を導入した。RRSの導入準備として、平成26 年10 月から院内の看護師と医師を対象としたRRS勉強会を開催し、現在も3ヶ月に一度のペースで継続している。RRS導入前に行った3回の勉強会を通して、RRS の理解度・認知度、重症患者の評価方法に対する理解度に変化があったかを検証することが、今回の調査の目的である。【方法】RRS導入前3回(平成26年10月,平成27年1月,3月)の各勉強会終了時に行ったアンケート結果を比較検討した。検討内容は、参加者数、所属、コードブルーとRRS の違いに関する理解度、Modified Early Warning Scoring System(MEWSS)の採点方法に関する理解度、RRSへの関心度とし、アンケート結果を比較した。【結果】参加者数は第1 回では33 名(対象者全体の7%)であったが第2回68名(16%)、第3回60名(14%)であった(当院常勤看護師数369名,常勤医師数55名)。参加者の所属は看護師が平均13%、医師が平均4%であった。コードブルーとRRSの違いは「とてもよくわかる」と回答した者が1回目59%から3回目には77%まで増加した。MEWSSの採点方法は「とてもよくわかる」と回答した者が1 回目31%から3 回目58%に増加した。RRSへの関心度は3 回を通じて約65%が「とても関心がある」と回答した。【考察】当院におけるRRS 導入前の勉強会は、コードブルーとRRS の違いに関する理解とMEWSS の採点方法の理解に効果があった。参加者は徐々に増加しているが、まだ十分ではなく、特に医師の参加が少ないため、参加者が増加するような内容の勉強会を企画することが今後の課題である。RRS 導入後も、RRSの周知を含む勉強会を継続的に企画し、効果を評価する必要がある。