ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-747-FP-004 当院における一般病棟からG-ICU へ予定外入室した患者の症例分析1)神戸市立医療センター 中央市民病院 救急病棟・救急外来、2)神戸市立医療センター 中央市民病院 救急科、3)神戸市立医療センター 中央市民病院 総合診療科、4)神戸市立医療センター 中央市民病院 呼吸器内科、5)神戸市立医療センター 中央市民病院 看護部 医療安全管理室奥田 有紀1)、瀬尾 龍太郎2)、亀井 博紀3)、永田 一真4)、稲岡 佳子5)、山口 優1)、高尾 佳美1)、梅田 みゆき1)、利川 亜弥1)【はじめに】当院では2012 年9 月よりRapid Response System(以下RRS)を導入し、2013 年10 月からは一般病棟にも順次導入している。起動件数は導入後より117件(2015 年3 月現在)あるが、そのほとんどは救急病棟であり一般病棟では15件(12.8%)と少ない。これまでに当院における一般病棟からG-ICUへ急変を機に予定外入室した患者の症例分析はされていない。これらの分析から、急変対応における問題点が検討され、RRS の今後の課題が明らかになると考えられた。【研究目的】一般病棟の急変対応における現状を把握し、今後RRSが支援するべき課題を明確化するために、予定外G-ICU入室症例を調査する。【研究方法】2013年10月~2015年3月までの期間に、一般病棟からG-ICUに入室した患者のうち定期手術患者、小児患者を除外した症例からさらに当院RRS起動基準を満たす予定外入室患者を抽出した。また、導入講義時の質問や看護師の懸念の内容も合わせて分析した。【結果】G-ICUへの予定外入室は35例あったが、うちRRS起動症例は2例だった。症例を分析すると「看護師の急変察知の遅延」「医師への状態変化の未報告、もしくは報告遅延」「急変時においての人員不足」という問題点が挙げられた。また、RRS導入講義時に「医師から批判的な意見や不要と言われることがあるのではないか」という一般病棟看護師の懸念があった。【考察】「看護師の急変察知の遅延」「医師への状態変化の未報告、もしくは報告遅延」の問題点から、防ぎ得た急変があったのではないかと推察された。これらのことから、当院RRS は急変察知に関する能力の向上、人員不足時のリソースとしての活用の広報、RRS を提案しやすい文化形成に努める必要があると考えられた。FP-005 Apache II ScoreおよびModified Early Warning System(MEWS)を用いたICU入室患者の予後予測の検討潤和会記念病院 看護部高橋 瑞枝、大野 美幸、川野 マキ【目的】Apache II Score(AIIS)とは,ICU入室患者の重症度を評価するため利用され,推定死亡率を計算することができる.一方,Modified Early Warning System(MEWS)は,入院患者の予後予測として用いられている.調査項目は体温,呼吸,心拍,収縮期血圧,意識レベル,2 時間尿の6 項目でAIIS より簡便であり,主として一般病棟入院患者に用いられている.MEWSの合計点が高いほど急変するリスクが高いとされている.当院における先行研究で,救急外来受診時のMEWS4点以上の場合では入院後3日以内に急変または死亡する割合が高くなるという結果を報告した. AIISとMEWSの両方用いた予後予測は行われていない.2 つのスコアを比較や,併用した場合の予後予測に関して研究を行った.【対象】救急外来を受診しICU へ緊急入院し,動脈ラインが挿入されている患者100 人(男性:54 人,女性:46 人,平均年齢:69 歳)とした.【方法】前方視的研究とした.ICU 入室時のAIISとMEWS を評価した.患者背景(ICU 入室日数,在院日数,転帰,疾患,年齢,既往歴,急変の有無,延命処置の有無)を調べた.1.AIIS ≧ 20 点かつMEWS ≧ 4 点,2.AIIS ≧ 20 点かつMEWS ≦ 3 点,3.AIIS ≦ 19 点かつMEWS ≧ 4 点,4.AIIS ≦ 19 点かつMEWS ≦3点の4 群に分類し死亡患者の点数を調査した.【結果】AIIS ≧20点が24人,AIIS≦19 点が76人であった.1.20人であり,死亡者は12 人(60%).死亡した12 人中,1 週間以内に死亡した患者は11 人(92%)であった.2. 4 人であり,死亡者は0人だった.3.23人であり死亡者は4人(17%)であり,1 週間以内に死亡した患者は3人(75%)であった.4. 53 人であり死亡者は1 人(1.9%),1 週間以内に死亡した患者は0人であった.統計学的検討はχ2 検定を用いたが有意差は認めなかった.【考察】AIISとMEWSの点数が高いほど死亡する患者は多くなっているが,有意差を認めなかった.AIISとMEWSを併用することで,予後予測の精度が高くなる可能性が示唆された.FP-006 看護師が捉える急変予測のサイン1)金沢医科大学病院、2)金沢医科大学二山 未央1)、吉田 真寿美1)、甘谷 顕一朗1)、黒部 美香1)、浅野 きみ2)、紺家 千津子2)【目的】看護師は患者の急変前に予兆となる変化を感じることがあり、それを共通認識することで早急に対応し急変を回避できる可能性がある。そこで、看護師が急変を予兆するサインを抽出することを本研究の目的とする。【研究方法】 対象者は心、脳血管疾患患者が入室する一般病棟と集中治療を担う病棟の看護師と、参加病棟で急変した患者の看護記録である。看護師には患者のどのような状態を急変の予兆として捉えていたかを3~4 名でフォーカスグループインタビューを行い抽出し、看護記録からは実際に急変を起こした患者の予兆となる変化を研究者らが抽出した。インタビューから作成した逐語録と看護記録から得られた情報をコード化し、カテゴリーを抽出した。なお、金沢医科大学病院の病院研究倫理審査委員会の承認を得て実施した。【結果】 インタビューに応じた看護師は18名で、分析に使用した看護記録は11 名の患者のものであった。逐語録と看護記録からの情報より53のコードが抽出された。コードの類似性から、【1循環の変化】、【2呼吸の変化】、【3中枢神経の変化】、【4出血】、【5消化器症状の出現】、【6疼痛の出現】、【7尿失禁の出現】、【8 表情の変化】、【9歩行の変化】、【10ベッド上安静時の変化】、【11投薬の無効化】、【12突然の要望の増加】、【13 不安の表出】、【14 せん妄の出現】という14 のカテゴリーに分類された。【考察】 RRS(Rapid ResponseSystem)の起動基準(医療安全全国共同行動:行動目標6)に記載されている全項目は、本結果のカテゴリーに含まれていた。一方、RRS起動基準になかった項目としては4~14のカテゴリーが該当していた。特に、該当しなかった10~14のカテゴリーは、看護師が日々患者を観察することで容易に気付ける急変予測のサインであると示唆された。