ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-739-CP67-4 Intra-Aortic Balloon Pumping(IABP)により救命し得た Septic cardiomyopathy の2 例1)横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター、2)横浜市立大学大学院 医学研究科 救急医学、3)横浜市立大学医学部 救急医学教室廣見 太郎1,3)、問田 千晶1,3)、加藤 真1)、江口 英人1)、小林 大悟1)、土岐 圭伊子1)、川島 千佳1)、羽柴 克孝1)、六車 崇1,3)、森村 尚登1,2,3)【背景】敗血症性ショックにおける septic cardiomyopathy の発生頻度は18-65% とされ, 致死的な病態に陥る症例も少なくない。輸液負荷および心血管作動薬の投与後もショックから離脱できず, IABP が奏功した septic cardiomyopathy の2 例を経験したので報告する。【症例】症例1:78歳, 女性。結石性腎盂腎炎, 敗血症性ショックの診断でICU へ入室。APACHE IV Score 145(予測死亡率87%)であった。搬入時の心電図でV3-V6のST上昇を, 心臓超音波検査で心基部の過収縮と他部位の心収縮力低下を認めた。心臓カテーテル検査にて冠動脈病変は認めず。輸液負荷および心血管作動薬の投与を開始したが、カテコラミンインデックス(CAI)49, 乳酸値29 mmol/Lまで上昇した。現行治療のみではショックから離脱できないと判断し, IABPを開始した。その後, 心血管作動薬を漸減, 第3 病日にIABPを離脱した。症例2:62 歳, 男性。細菌性肺炎, 敗血症性ショックの診断でICU へ入室。APACHE IV Score 115(予測死亡率62%)であった。輸液負荷および心血管作動薬の投与を開始した。第2 病日には心室頻拍が頻発し, 心臓超音波検査にて心尖部の心収縮力の低下と左室駆出率の著明な低下を認めた。CAI30、乳酸値11.8 mmol/Lまで上昇した。現行治療のみではショックから離脱できないと判断し, IABPを開始した。その後, 心血管作動薬を漸減, 第7 病日にIABPを離脱した。【考察】Septic cardiomyopathy の発症機序は不明だが, 左室駆出率低下や右室拡大などを呈する。治療に際して輸液負荷や心血管作動薬の投与など標準的治療が奏効しない症例では、IABP導入が選択肢になるものと考えられる。CP67-5 敗血症性ショックに伴う心機能低下症例にIABPによる循環補助を行いショック離脱に成功した1 例大津市民病院 救急診療科 集中治療部蒲池 正顕、小尾口 邦彦、福井 道彦、加藤 之紀、和田 亨、渡邉 宏樹、宮崎 勇輔、横峯 辰生症例は85歳女性。意識変容を主訴に当院独歩受診。来院時の血圧は80/51mmHgと低めであったが、輸液負荷への反応を認めた。CT にて、頭部には明らかな所見はなく、左膀胱尿管移行部に結石を認め、閉塞性左腎盂腎炎による敗血症と診断。抗生剤投与開始し尿管ステントを留置され、意識状態の改善も認めたため一般病棟に入院となった。第2 病日朝に呼吸状態悪化、血液検査上DICを認めたため、全身管理目的にICU 入室。入室後1 時間でアシデミアの進行、意識レベル低下も認めたため人工呼吸器管理を開始した。その後も著名な乳酸値の上昇と代謝性アシドーシスの進行を呈した。心エコー上収縮能低下を認め高容量のカテコラミン投与を行うも循環動態の改善は乏しく、敗血症と高度のアシデミアに伴う心機能低下、Low output syndromeによる血行動態の破綻と考え、IABPによる循環補助を開始した。尿管ステント留置後も無尿状態続いていたため、CHFを開始した。その後次第に心機能の回復と循環動態の改善傾向を認めたため、第4 病日にIABP抜去、ショック状態からの回復に伴い呼吸状態改善と尿量増加を認め、第5 病日に抜管、CHF から離脱した。その後全身状態は良好となり第8病日一般病棟に転棟。リハビリの継続目的に第46 病日に転院となった。腎盂腎炎による敗血症性心筋障害を呈した症例に対して、IABP による循環補助が奏功した1例を経験したので、文献的考察を含め報告する。CP67-6 敗血症性ショックに心筋梗塞を合併したものの集学的治療により救命した一例社会医療法人かりゆし会 ハートライフ病院 救急総合診療部牟田 宏樹、三戸 正人糖尿病、高血圧、脂質異常症、慢性腎臓病、頚髄症/腰部脊柱管狭窄症の術後で自己導尿をしている84 歳女性。入院前日からの嘔吐、下痢と当日朝からの全身倦怠感、冷汗著明で救急搬送。来院時の心電図で広範囲前壁誘導でのST上昇と前壁中隔での壁運動低下をエコーで確認、輸液負荷と血管作動薬を用いても循環を維持出来ない心原性ショックの併発と診断しIABP留置下に緊急冠動脈造影を行うと、責任病変と思われる左前下行枝近位部に90%狭窄を確認した。血小板数は来院時3.8万とすでに低下、腎機能の著明な低下(Cre 1.38→3.61 mg/dl)を伴う敗血症性ショックであったが、冠血行再建を行わず救命することは困難と判断しステントを用いて病変を拡張しICU へ入室。心筋逸脱酵素はmax CPK 4500 U/L まで上昇、DICに伴いIABP刺入部からの出血も続いたため、濃厚赤血球2 単位、血小板25 単位を輸血。人工呼吸管理下にPMX+CHDF を併用しながら集学的治療を行い第5 病日にIABP、CHDF を離脱、第6病日に抜管、第7病日に血管作動薬を離脱、第8病日に一般病棟へ転床、リハビリを行い第34病日に退院とした。来院時の血培からは大腸菌が検出、エンドトキシンは18.1 pg/ml、PAI-1 633 ng/mlと高値であったことより腎盂腎炎からの敗血症性DICが心筋梗塞に関与したものと考えている。今回、敗血症性ショックに心筋梗塞を合併したものの集学的治療により救命した一例を経験したため、文献的考察を加え報告させていただく。