ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-701-CP48-4 外部ガス併用療法における実験的検討福岡市立こども病院 臨床工学部小笠原 徳有【はじめに】先天性心疾患の周術期管理では、肺血流量をコントロールする目的で低濃度酸素吸入療法や一酸化窒素吸入療法などが行われている。当院は平成26 年11 月に新病院へ移転し、移転に伴い小児集中治療室へDreagerMedical 社製Evita Infinity V300(以下V300)を購入したが、低濃度酸素吸入療法中に呼気フローセンサの制御が不安定となる警報が発生した。【目的】外部ガスを併用した際の使用上の注意点を探る。【方法】V300の成人モードと小児モードを用いて、複数の換気条件の下で外部ガスを吸気側回路に投与し、人工呼吸器本体の制御にどのような影響を及ぼすかを調べた。【結果】外部ガスの投与量によって、吸気一回換気量と呼気一回換気量が逆転し、呼気フローセンサの制御が不安定になることがわかった。不安定となる閾値は特定の値をとらず、換気量や換気回数の影響を受けることが明らかとなった。【考察】近年の人工呼吸器は回路内圧補正やリーク補正、流量補正などの様々な補正機能を有しているが、外部ガスは人工呼吸器が本来制御しているガス流量とは異なる存在であるため、補正機能を大きく上回るようなガスが存在すると本体の制御が不安定となると考えられた。【まとめ】外部ガスを併用すると、流量の測定系の誤差要因となり、換気量やトリガー等にも影響を及ぼす可能性が示唆された。しかし、小児・新生児の周術期管理には必要不可欠な療法であるため、十分に理解した上で使用する必要がある。CP48-5 臨床工学技士による院内気管吸引実施状況の調査1)東京慈恵会医科大学付属病院 臨床工学部、2)東京慈恵会医科大学付属病院 麻酔科 集中治療部池田 潤平1)、奥田 晃久1)、井上 愛1)、安藤 理香1)、岩谷 理恵子1)、平塚 明倫1)、瀧浪 將典2)【はじめに】平成22 年にチーム医療推進を目的とした喀痰等の吸引手技が臨床工学技士(CET)等に認められ、当院においても平成23 年1 月より研修を行っている。CETの研修修了者は現在までに16名となったが、その後の院内での気管吸引実施状況に関する調査は行っていない。相嶋らの報告によると、CETが気管吸引を実施している施設は少なく、実施施設においても呼吸療法業務従事者の存在が大きく影響するとされる。そこで、当院におけるCET の院内気管吸引実施状況を調査し、CET の吸引手技許可の必要性や研修の意義について考えた。【方法】研修の対象となったCET 26 名に対し記述形式のアンケートを実施した。【結果】研修修了者16名、未修了者が10名であった。研修修了者16名のうち、院内での吸引手技回数が0回は 7名(38%)、1~4回は7名(38%)、5~9回は1 名(6%)、10 回以上は 1 名(6%)であった。研修満足度は大変良かった3 名、良かった6 名、どちらでもない7 名であった。【考察】許可取得からの期間に違いはあるが、吸引回数が1 番多かったのはICU 専従CETであり、業務上吸引手技を行なう機会の多い環境である。つまり、集中治療部以外の部署においては手技を必要としない可能性がある。研修満足度は比較的良好であったが、研修未修了者からは「業務上吸引をする機会が少ないから」という意見が多かった。一方、厚生労働省医政局からは喀痰等の吸引について「生命維持管理装置の操作」に含むとされており、呼吸療法に携わるCETにおいては吸引手技習得が必須と考える。近年、診療報酬改定によりCET が宿直や夜勤を行なう施設が増え、呼吸療法業務に携わるCETが増加している中、改めて関連学会において吸引手技習得の必要性を啓発することが重要であると考える。【結語】アンケートを実施したことで、CET の院内気管吸引実施状況を把握することができた。CP48-6 SBT(Spontaneous Breathing Trial)プロトコル作成の試み1)茨城県厚生連 総合病院 水戸協同病院 臨床工学部、2)茨城県厚生連 総合病院 水戸協同病院 救急・集中治療科丸岡 正則1)、原 賢史1)、谷田部 哲夫1)、長谷川 隆一2)【はじめに】当院は茨城県厚生連に属し、二次救急を担う病床数401床の地域中核病院である。2012年8月にICUが開設され、臨床工学部は従来の機器管理業務および臨床技術提供を行ってきた。2014年8月よりICU専属の技士が配置され、機器管理業務に加えて人工呼吸器装着患者への積極的介入の一環として臨床工学技士が自発呼吸トライアル(Spontaneous Breathing Trial : SBT)を行うようになった。SBT実施にあたり3学会合同人工呼吸器離脱プロトコルを参考にしたが、特別な規定を設けていなかったため実施者により成功基準などがばらつき、結果が各自の判断に委ねられる場面がしばしばみられた。また臨床工学技士が不在時はSBTが実施されず、従来の離脱手法によるため人工呼吸時間が長引く傾向がみられた。【目的】人工呼吸器離脱の方法を標準化し、速やかに人工呼吸から離脱できるように、当院ICU独自のSBTプロトコルを作成すること。【方法】プロトコルの条件は1.開始基準・成功基準を具体的に表記してすべての医療者が同様に運用できること、2.実施後の結果情報を共有できることとし、運用後に再評価を行うこととした。【結果】3 学会合同人工呼吸器離脱プロトコルは自発覚醒トライアル(Spontaneous Awakening Trial :SAT)、SBT、抜管検討の3段階で構成されているが、多職種で共有しやすいように今回はSBTに特化した内容とし、開始前評価、成功基準に加え抜管前後の評価はカフリークテストに限定した。情報共有の方法として電子カルテのテンプレートも同時に作成し、プロトコルの内容および評価結果を供覧できるようにした。【まとめ】今後は運用しながら再評価を行い、どのような評価項目を加えるか多職種で十分協議検討していきたい。