ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

ページ
688/910

このページは 第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集 の電子ブックに掲載されている688ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-686-CP41-1 ICUにおける鎮静鎮痛薬の使用状況について1)徳島大学病院 ER・災害医療診療部、2)徳島県立中央病院 救急科田根 なつ紀1)、今中 秀光1)、三村 誠二2)【背景】過度な鎮静は、人工呼吸器関連肺炎の発生率の増加、人工呼吸期間延長、ICU 滞在期間延長の原因になり、精神神経学的予後も悪化すると報告されており、近年、浅鎮静による管理が推奨されている。今回、Open ICU において、挿管され人工呼吸器管理中の患者の鎮痛鎮静状況を調査したので報告する。【対象と方法】2015年4月から6 月までの3ヶ月間に徳島県立中央病院ICUに入室し人工呼吸管理を必要とした患者46 人(男性30人、女性16 人)。APACHE2スコア、使用鎮静薬の種類、使用日数、Richmond Agitation Sedation Scale(RASS)をカルテから抽出した。RASS は8 時間ごとに記載されていた。【結果】平均年齢は71.6歳で、平均APACHE2スコアは21点であった。平均在室日数は8.1日で、平均人工呼吸日数は6日であった。再挿管は3人、気管切開は10 人に施された。使用薬剤は、プロポフォール(23例)、デクスメデトミジン(13 例)、ミダゾラム(12例)、フェンタニル(15例)、モルヒネ(2 例)、ペンタゾシン(5例)で、鎮痛薬使用率は30%であった。RASSの記載数は359 回であった。RASS-3 以下は56%、特にRASS-4 以下が41% で、過鎮静の傾向にあった。RASS-2~0 は39%、RASS1~4 は5% であった。また、鎮痛薬使用率は30% であった。【考察】過鎮静気味の原因として、Open ICU で医師が不在であること、浅鎮静に対する理解不十分などが考えられた。【結語】当院ICU での鎮静鎮痛状況を調査した結果、過鎮静の傾向があった。ポスターCP 41 鎮静・鎮痛・せん妄・早期離床③ 2月13日(土) 9:30~10:30 CPポスター会場CP41-2 小児心臓血管外科術後における手術リスクと鎮静レベル及び鎮静鎮痛薬投与量の関係大阪府立母子保健総合医療センター集中治療科小山 英彦、橘 一也、竹内 宗之【背景】新生児・乳児期の心臓血管外科術後の集中治療管理において、手術リスクと術後鎮静レベル及び鎮静鎮痛薬の投与量の関係を調査した報告はない。【方法】1歳未満の小児心臓血管外科術後症例のうちRACHS-1 分類のリスクカテゴリー1から6まで(リスクカテゴリー5については症例が少ないため除外)それぞれ2015 年7 月から過去に連続10 症例ずつを対象とした。Sedation Behavioral Scale(以下SBS)による鎮静レベル及び鎮静鎮痛薬投与量などについて後方視的に検討した。【結果】リスクカテゴリー1から6の入室後1時間及び6時間のSBS はリスクカテゴリー間で有意差を認め、リスクが高い群では鎮静が深いことが分かった。ミダゾラム投与量についてもリスクカテゴリー間に有意差を認め、リスクが高い群で投与量が多いことがわかった。【結語】当センターでは1歳未満の小児心臓血管外科術後において、リスクが高い群では深い鎮静レベルで管理されており、ミダゾラムの投与量が多かった。今回の結果を踏まえて手術リスク評価に対応した鎮静プロトコルの作成が次の課題である。CP41-3 当院のICU でスボレキサントを使用された17 例の検討1)JA広島総合病院 薬剤部、2)JA広島総合病院 救急・集中治療科吉廣 尚大1)、櫻谷 正明2)、平田 旭2)、河村 夏生2)、筒井 徹2)、吉田 研一2)、橋本 佳浩1)【背景】スボレキサント(SV)は2014年11月に薬価収載されたオレキシン受容体拮抗薬で、2015年2月から当院でも採用された。【目的】海外でも十分な使用実績はなく、使用状況を調査する必要性を感じていた。当院ICUでのSV の使用状況を調査した。【方法】2015年2月1日~7月31日までの期間にICUでSVを使用した症例を抽出し、投与前日と投与開始から3日目まで4日間の投与方法、併用薬剤、有害事象(トランスアミナーゼ)などを調査した。【成績】該当患者は17名で、13例が簡易懸濁投与、12例は頓服した。年齢は中央値72(29 - 88)歳で、各投与量の年齢は15mg で74(57 - 88)歳、20mg で68(29 - 78)歳だった。65 歳以上で20mg錠が処方されたのは5例だった。もともと不眠治療薬を用いていたのは3例であり、SVが1例、ベンゾジアゼピン系が1例、エスゾピクロンが1 例だった。SV を使用し、追加で薬剤が必要だったのは11 例(64.7%)であり、うち10 例は静注薬(デクスメデトミジン8例、プロポフォール1例、併用1例)が用いられた。1名でAST/ALT上昇を認めたが、SVを中止することなく改善した。脳卒中患者1例に投与されたが、問題となるような無呼吸はなかった。【考察】SVは簡易懸濁投与可能でICUで安全に使用できると思われた。当院ではSVを頓服した症例が多く、単剤で入眠できない症例もいたことから、SVを屯用指示にするときには、追加薬剤の指示も必要と思われた。