ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-685-CP40-4 当院小児集中治療におけるリハビリテーションの現状~一年間の実態調査より~1)松戸市立病院 リハビリテーション科、2)松戸市立病院 小児集中治療科宮川 研1)、岡田 広2)、三好 義隆2)【目的】小児急性期リハビリテーション(以下、リハビリ)の実施状況に関する報告は少ない。当院では2014 年4 月より小児集中治療室(以下、PICU)4床を開設した。PICUにおけるリハビリの現状を調査し、今後の課題を検討することを目的とした。【方法】2014 年4月から2015 年3 月までにPICU に入室した245 例を対象とし、理学療法(以下、PT)介入群と非介入群に分類した。それぞれ月齢、在室日数、人工呼吸器装着の有無と日数、Pediatric Index of Mortality 2(以下、PIM2)を集計し、加えてPT 介入群は疾患と療法内容を集計した。全て診療録より後方視的に集計し、統計処理を行った。【結果】対象245例中PT介入群は62例(25.3%)で、非介入群は183例(74.7%)であった。平均月齢はPT介入群で62.7(中央値26)、非介入群で41.3(中央値15)であり、有意差がみられた(p= 0.013)。平均在室日数はPT 介入群で12.3 日(中央値7)、非介入群で4.05 日(中央値2)であり、介入群で有意に長かった(p<0.05)。人工呼吸器装着症例数は245例中109例で、PT介入群で50例、非介入群で59例であり、介入群で有意に多かった(p<0.05)。さらに平均人工呼吸器装着日数はPT介入群で12.5日(中央値6)、非介入群で4.81日(中央値3)であり、介入群で有意に長かった(p < 0.05)。PIM2 はPT 介入群で平均7.35(中央値2.45)、非介入群で4.71(中央値1)であり、介入群で有意に高かった(p<0.05)。PT介入群に関して、疾患は肺炎や無気肺などの呼吸器系が60%、次いで心大血管が15%、中枢神経系が13%で、療法内容に関しては関節可動域練習と呼吸ケアが40%ずつ、次いで離床や家族指導であった。【考察】以上から在室日数と人工呼吸器装着患者数と日数、PIM2 はPT 介入群で有意に高かった。これはより重症で長期化する症例に対してリハビリの必要性が高いと考えられる。また対象は呼吸器疾患が60%を占め、呼吸リハビリの介入が求められている。CP40-5 当院ICUにおけるせん妄合併患者の現状について-ICU入室患者に対する今後の作業療法介入を見据えて-1)神戸市立医療センター中央市民病院 リハビリテーション技術部、2)神戸市立医療センター中央市民病院 救急部淺井 康紀1)、坂本 裕規1)、岩田 健太郎1)、高場 章宏2)、朱 祐珍2)、瀬尾 龍太郎2)【はじめに】ICU 入室中におけるせん妄の合併は,ICU 在室期間および入院期間の長期化や,ICU 退室後の認知機能の悪化をもたらす.今回,当院ICUにおけるせん妄合併患者の実態を調査し,ICU 入室患者に対する作業療法(OT)の今後の介入の方向性について考察した.【対象】当院ICU に2015 年1月から6 月に入室した患者のうち,神経内科,脳外科患者,および院内死亡患者を除いた70名を対象とした.【方法】対象者をカルテ情報のDST(Delirium Screening Tool)にて後ろ向きにせん妄あり群(34名),なし群(36 名)に分けた.この2 群間において年齢,在院日数,ICU 在室期間,認知症の有無,転帰先,入院時FIM,退院時FIM,およびFIM利得の違いについて検討した.統計学的手法として,各指標は,Kolmogorov-Smirnov検定にて正規性が検定された.2群間の比較にはχ2 乗検定及びFisher の直接法,t 検定,Mann-Whitney U検定が用いられた.有意水準は5%とした.【結果】年齢(あり群72.7 ± 13.1,なし群61.0 ± 18.9 歳,P < 0.01),ICU 在室期間(あり群7.1 ± 6.6,なし群3.2 ± 2.2 日,P < 0.01),および入院時FIM(あり群40.4 ± 18.3 ,なし群54.8 ± 23.9 点,P < 0.01)において,それぞれ有意差が認められた.また,認知症の有無についてχ2 検定を行った結果,χ2=2.80, p=0.056という結果が得られた.その他の項目では有意差は認められなかった.【考察】今回の結果から,高齢で入院時のADL能力が低い患者はせん妄を合併しやすく,このせん妄の合併がICU在室期間延長の一因である可能性が示唆された.また,既往歴に認知症のある患者もせん妄を合併する可能性が高いことが示唆された.そのため今回の結果を踏まえ,当院OTでは今後,せん妄発症リスクの高い患者に対し,せん妄期間の短縮,認知機能およびADL機能の改善に焦点を当てた介入プロトコルを作成したい.CP40-6 中頭病院の集中治療領域における作業療法士の現状と課題1)中頭病院 リハビリテーション部 作業療法部門、2)まつだクリニック、3)中頭病院 看護部喜納 俊介1)、宮平 宗勝2)、芹田 晃道3)、井村 久美子3)【はじめに】集中治療領域における作業療法士(以下OT)の活動実態や効果に関する報告は少ない【目的】当院の集中治療領域におけるOT の実態調査から今後の課題を明らかにする【方法】期間: 平成24 年4 月~平成27 年3 月対象:ICU/HCU入室した患者方法: 期間中、ICU/HCU から介入した群と退室後の一般病棟から介入した群で比較検討する.データベース及びカルテからの情報収集除外対象: 複数回の転床患者、90日以上の長期入院、30 日以上の人工呼吸管理、死亡退院【結果】脳神経外科は早期介入できているがOT 対象の殆どを占める内科疾患は介入が遅延している.早期介入は関わる回数と時間を増やことができ早期離床に繋がっている.退院時FIM に差はない(Table 1)【考察】主対象である内科疾患への介入遅延は医師を含めた多職種とOT の連携不足が要因と考える.脳血管疾患以外の疾患に対してOTが早期介入する為には多職種との連携強化やOT役割/開始基準の明確化、OT介入効果を示すこと等が課題に挙げられる【結語】集学的治療としてOTの効果を示していく為の更なる研究が望まれる