ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-652-CP24-1 未破裂動脈瘤クリッピング術後にpseudohypoxic brain swellingを呈した1 症例帝京大学医学部付属病院 麻酔・集中治療科杉木 馨、澤井 淳、長谷 洋和、宇野 幸彦、高田 真二、澤村 成史未破裂動脈瘤クリッピング術後、ICU入室2時間後に意識障害・全身けいれん発作が出現した。CT・MRIで両側基底核、視床を中心とした低酸素性脳浮腫の所見がみつかり、術中の麻酔管理(TIVA)、手術に異常がないことからpseudohypoxic brainswelling(Postoperataive Intracranial Hypotension-Associated Venous Congestion)と診断した。珍しい1 症例を経験したので報告する。74歳男性、物忘れ精査のMRIで多発脳動脈瘤(両側中大脳動脈分岐部、左内頚動脈瘤)を発見したため、形状が不整な右側中大脳動脈分岐部動脈瘤を先行し、クリッピング術の方針となった。既往に高血圧があり、手術歴あるが全身麻酔は問題なかった。術中麻酔記録で循環動態・酸素化・電解質等は問題がなく、開頭時に前頭側の一部で硬膜損傷がみられたが、脳損傷ないため閉創時に硬膜縫合をおこなった以外は手術トラブルもなく終了した。硬膜外ドレーンは陰圧ではなく、開放としていた。意識清明ではなかったものの自発呼吸で換気・酸素化問題ないことを確認し抜管した。ICU到着後意識GCS E1V1M4、JCS 100 と意識障害みられたが、循環・呼吸状態安定していたため、術直後のCTで出血病変なく、血液検査も問題なく経過観察の方針となった。2時間後突然けいれん発作が出現し、CT・MRIで低酸素性脳所見を認めた。治療はステロイドパルス、脳浮腫コントロール、抗痙攣薬投与とし、硬膜外ドレーンはICU入室8時間後110ml、淡血性で術後1日(ICU入室2日)に抜去(合計250ml)とした。ICU入室12 日でGCS E2VTM6、JCS 20と改善認めICU 入室14 日でリハビリのために一般病棟転棟となった。ポスターCP 24 神経① 2月12日(金) 15:00~16:00 CPポスター会場CP24-2 脊椎手術後にPseudohypoxic brain swelling(PHBS)を呈した1 例横浜労災病院 中央集中治療部柏 健一郎、小野 富士恵、木村 康宏、七尾 大観、赤川 玄樹、藤本 潤一、西澤 英雄脊椎手術後にPseudohypoxic brain swelling(PHBS)による意識障害を来した1 例を経験したため報告する。症例は67 歳の男性、第4、5 腰椎の後方椎体間固定術施行直後に全身性の痙攣を起こし、遷延する意識障害を認めた。手術中に明らかな低酸素血症や持続する低血圧を認めなかったにも関わらず、頭部CTおよびMRI検査にて低酸素脳症に特徴的な画像変化を認め、術後の硬膜外ドレナージの量が多いことと合わせて、PHBSが原因と考えられた。硬膜外ドレーンを抜去し、体位を水平位とするなどの保存的治療を行うことで意識レベルは改善し、最終的に神経学的後遺症を残すことなく退院となった。PHBSは、脊椎手術後の髄液漏出やドレーンの陰圧管理による急激な髄液喪失によって頭蓋内の静脈潅流障害が起こる病態である。頭蓋内手術後にPHBS が生じた報告は散見されるが、脊椎術後にPHBS が生じた報告は極めて少なく、PHBS が生じるリスクを把握し、PHBS の病態を理解することは極めて重要である。CP24-3 演題取り下げ