ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-647-CP21-4 当院における3 度熱中症患者の傾向と重症度スコア札幌医科大学 医学部 救急医学講座高橋 科那子、喜屋武 玲子、井上 弘行、上村 修二、長谷 守、成松 英智[はじめに]熱中症の重症度分類は早期治療により重症化を防ぐことを目的としている.しかし,重症度分類のみでは予後予測は難しく,各臓器障害の程度を点数化した熱中症重症度スコアが,重症化や予後の指標として有効であると報告されている.[目的]III度熱中症患者における熱中症重症度スコアの有効性について評価する.[方法]2005年1月から2015年7月に,当院に搬送されたIII度熱中症患者25例を対象とし,熱中症重症度スコアをもとに,意識レベルおよび肝・腎・凝固系の血液検査値を数値化した.スコア≦ 3(low)と> 3(high)で2 群に分類し,患者背景,APACHE II score,SOFA score,在院日数,転帰について両群を比較した.[結果]平均年齢はlow 群で72 ± 22 歳,high 群で66.5 ± 21 歳であった.搬入時のAPACHE II はlow 群とhigh 群でそれぞれ17 ± 5.2vs28 ± 5.7,SOFA score はlow 群とhigh 群で4 ± 1.9vs9 ± 3.2 で,どちらもhigh 群で有意に高かった.在院日数はlow 群で5.5±2.8日,high群で8.8±6.9日で,後遺症有無はlow群で16.6%,high群で36.8%であった.在院日数,転帰のいずれも両群間で有意差はなかったが,high 群で多い傾向であった.[考察]熱中症重症度スコアは,他の重症度スコアと相関していた.予後に関しては両群で有意な差はなかったが,これは症例数の少なさと,長期予後が調査できていないことも原因の一つと考えられる.今後は継続して,長期予後も含めた調査をし,スコアリングの有用性を検討していく.CP21-5 ICU 増設により救急入院患者の転帰は改善されたか1)京都第一赤十字病院 救命救急センター、2)京都第一赤十字病院 麻酔科奥田 裕子1)、竹上 徹朗1)、香村 安健1)、藤本 佳久2)、井上 敬太2)、平山 敬浩2)、松山 広樹2)、平田 学2)【はじめに】近年ICU 病床数は増加傾向にあるが, 各施設で運用状況や重症度も異なり費用対効果に応じたICU病床数の設定が必要となる. 当院では2012年9 月に院内ICU が増設され, 院内ICU8床・救急ICU6床の計14 床となった. そこで今回我々は,ICU増設前後での救急外来よりICUに入院となった患者の属性や転帰などの変化について検討した.【方法】院内ICUが増設された2012 年9月18 日前後の各2 年間で, 救急外来よりICU に緊急入院となった16 歳以上の患者を対象とし, 各群のAPACHE2・ICU入室期間・ICU転帰・入院期間・退院時転帰を検討した.【結果】院内ICU開設前後で救急外来から緊急入院となった患者はそれぞれ6510名,6654名であった. そのうちICU入室となった患者はそれぞれ421名,907名と約2倍の救急患者がICU に入室となっていた.各群のAPACHE2・ICU 入室期間・入院期間の平均は18 ± 9.3(median 17)vs 16.7 ± 8.7(15), 4.9 ± 4.9(3)vs 4.4 ± 3.3(3), 29.9 ±29.8(21)vs 30.9± 32.1(21)であった.ICU 生存率・退院時生存率は89.8% vs 93.3% p < 0.05, 80.7% vs 86.9% p < 0.05であり,ICU増設後の方で生存率が高い結果となった.【考察】ICU増設により救急外来からICUに入室できる患者は著名に増加していた.ICU生存率・退院時生存率は改善傾向を認めていたが,増設前にはICUに入室できなかった軽症患者が入室したために生存率が改善した可能性がある. 増加した入室患者の重症度の分布などさらに検討を加えて報告する.CP21-6 麻酔医が術後ICU 管理を要請した症例の検討1)東京大学医学部附属病院 手術部、2)東京大学 医学部附属病院 麻酔科小松 孝美1)、朝元 雅明2)、折井 亮2)、山田 芳嗣2)【はじめに】当院の手術件数は約12000例前後である。このうちICU 入室患者はおよそ1割程度である。術後ICU 入室の確保は症例ごとに、主に外科医、麻酔科医が検討し術前に予約される。当院では外科医が術前に問題があると思われた症例で麻酔科術前コンサルトが行われる。コンサルトで新たに問題が生じ麻酔科医が外科医にICU確保を新たに要請した症例もある。【目的】麻酔科術前コンサルトを経て、ICU入室を要請された症例を検討し、ICU 入室要請が妥当であったかを検討した。【症例】平成24 年8月から25年7 月までの麻酔科術前コンサルトを受けた患者約1500名のうち、ICU入室を新たに要請された112名。【方法】麻酔医がICU入室を要請した理由と実際にICU入室が必要だったかを各科別、滞在日数、人工呼吸器、観血的動脈圧ライン、持続透析の使用の有無などから検討した。【結果】麻酔科術前コンサルトによって新たにICU入室を要請された症例は112名で、実際にICU入室をしたのは110 名であった。ほぼ全例、ICU入室は妥当と思われた。