ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-637-CP16-4 病院の統合移転に伴う開胸下V-A ECMO装着患者の安全な搬送に向けた看護師の取り組み兵庫県立尼崎総合医療センター文野 佳恵、中原 絵美子【はじめに】2015 年7 月の病院統合移転の際, 開胸下V-A ECMO装着患者の安全な搬送方法を多職種で構築し共有する必要があった. 患者搬送における看護師の役割行動により安全に搬送することができたため, その取り組みについて報告する.【取り組み内容】移転3週間前に,他の重症患者の搬送シミュレーションの見学及びDMATカー内部の構造や配置物品の確認を行い,対象患者の搬送における問題点や予想される注意点,シミュレーション方法の検討を医師と開始した.次に, 想定外のカテーテルやECMO トラブルによる搬送中の急変対応に関し, リスクを予見した必要物品の洗い出しを行い,一覧表を作成した.そして,開胸器使用下での送脱血管の挿入に対し, 搬送時の振動による誤抜去予防のため,開胸器部分の創固定を行うと共に, 体幹固定の方法を考察し医師と訓練を行った.更に,搬送の一連の流れを段階に分けて整理し,起こり得る問題点を洗い出し,関係者各々の役割分担を明確にしたシナリオを作成した. それに沿い, 医師, 看護師, 臨床工学技士間で机上シミュレーションを行い, 内容の追加修正を行った. シミュレーションは, シナリオを基に旧病院から新病院へDMATカーを使用して行い, 搬送時の問題点とその対策を事後検証するためにビデオ撮影し,具体策を吟味してシナリオを改定した.最終的には挿入ライン類や使用機器などを記載した人体図も作成し, 関係者が共通認識して対応できるようにシナリオに追加した.また, 医療機器及び薬品配置における部門調整, 搬送スケジュール調整,初療室との連携など, 看護師がマネジメントにおいてリーダーシップをとり, 安全な搬送方法を構築した.【結果】看護師の問題解決思考での物事の捉え方と他部門との調整における役割行動により,患者の安全な搬送方法について関係者で協議し,シナリオ作成とそれを基にしたシミュレーションの実施と修正,必要物品の適正配置など万全な体制を整え, 安全に患者を搬送することができた.CP16-5 心臓血管外科術後患者に対するインスリンプロトコール使用状況と糖尿病既往がプロトコール使用に与える影響1)東北大学病院 西三階病棟、2)東北大学病院 看護部、3)東北大学 医学系研究科庄司 葵1)、佐藤 真由美1)、小島 広宣1)、牧野 友美1)、神 久美子1)、高田 望2,3)、土肥 千秋1)【はじめに】当ICU では2006年に心臓血管外科患者に対するインスリンプロトコールが作成された。現在、血糖目標の閾値は様々であり、中には糖尿病既往を持つ患者も見受けられ、コントールに難渋することがあった。今回、プロトコール遵守率を把握し、使用状況を明らかにすること、糖尿病既往がプロトコール使用に与える影響の分析を目的とし、本研究に取り組んだ。【研究方法】平成25年4 月~平成26 年3 月に心臓血管外科手術を受けた患者の記録からデータを抽出し、基礎集計を行い、回答の分布を確認した。また、糖尿病既往の有無によって2 群に分類し、群間比較を行った。【結果・考察】対象は182 名、うち糖尿病既往のある患者は26 名だった。血糖目標範囲は、プロトコール作成時の目標値80-130mg/dL に該当する患者が86 名、その他96 名だった。 プロトコール遵守の割合は約3 割で、血糖値は目標よりも高めにコントロールされており、低血糖の出現率は低かった。現在は血糖150mg/dL以下を推奨する文献が多く、それに見合ったコントロールができていた。遵守が少なかった理由としては、低血糖回避への意識の高さ、スタッフの経験知の違い等が考えられ、今後、目標値に沿ったコントロールとプロトコールの修正が必要である。糖尿病既往の有無に関係なく、急性期患者においては高血糖を生じやすい。インスリン増量に反応がない場合は炎症管理や血糖目標範囲の見直しが必要である。また、耐糖能異常が軽減する段階においては、インスリン投与が後に低血糖を引き起こす可能性が高くなるため、投与量に注意する必要がある。糖尿病既往がある症例の場合は血糖値が変動しやすく、血糖測定回数、インスリン投与量調整回数が多くなる。目標範囲に関しては、医師とよく検討し設定することが必要である。