ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-631-CP13-4 CAM-ICUを用いたせん妄評価の導入に向けた取り組みさいたま赤十字病院 看護部 CCU吉田 順子、小幡 悦子【はじめに】これまで当院CCU では、せん妄評価は看護師の主観的な判断であったためスタッフ間で統一したせん妄評価が必要と考え、せん妄評価尺度を導入した。【方法】せん妄評価尺度はCAM-ICUを用いた。導入前にせん妄についての知識を把握するためにテストを実施し、その後せん妄評価方法の勉強会を開催した。開催後よりせん妄評価記載件数を検出した。【倫理的配慮】データーは個人を特定できない形で、取り扱いに注意を払い、さいたま赤十字病院看護研究審査委員会の承認を得た。【結果】事前知識のテスト参加者は30名、有効回答は29名であった。テスト結果は低活動型せん妄についての認識が低かった。勉強会は計5回実施し、参加率は96%だった。CAM-ICU の記載結果は、次第にせん妄評価を実施しているスタッフの増加が見て取れた。CAMICUの記載数とせん妄評価の誤答数には相関はなかった。スタッフの行動変化では、スタッフ全員がせん妄評価尺度を使用できるようになった。また、申し送りでは看護師の共通言語として用いられることができ、勤務者が変わっても同じように継続して観察することができた。しかしせん妄の分類までの評価には至っていない。【考察】CAM-ICU記載率の増加は、実践を重ね態度の獲得がされ記載率の増加につながったと考える。かつ、CAM-ICU の評価尺度は簡便性があり日々の業務範囲で無理なく使用することができる点でも、スタッフに浸透する要因の一つであったと考える。また、CAM-ICUの評価尺度を用いることで、せん妄の有無を可視化でき、利用のしやすさが実感できたようだ。よって検温以外の日常でもせん妄評価を取り入れることができ、スタッフ間でケアをつないでいくことができたと考える。【結論】CAM-ICUを導入することができ、せん妄について正しい知識を得ることができたが、低活動型せん妄の認識を深めるため、継続した学習が必要である。CP13-5 ICDSC 定着への取り組み~見出された課題と今後のアプローチ~池友会 福岡和白病院 看護部HCU谷口 誠太、山下 香奈恵、眞竹 史成、宇野 恵里華、岡本 育枝【目的】当HCUでICDSCの導入を試みたが定着しなかった。今後のHCU全体への教育に関する方法を検討することを目的として、その要因を分析し課題を明らかにした。【対象者】HCU看護師22名【実施内容】ICDSC 導入3ヶ月後に対象者全員へ半構成的面接法を用い調査を実施した。その調査から得た逐語録をデータとした。分析方法は類似性に従ってコード化し、さらにサブカテゴリー・カテゴリーを抽出した。【倫理的配慮】本研究は研究者が所属する施設の倫理委員会の承諾を得て実施した。【結果】調査結果から「理解不足」「興味・関心のなさ」「看護介入」の3 つのカテゴリーと42 語のサブカテゴリーが抽出された。【考察】抽出した結果から講義形式が一方的であり目的が十分に伝わらないことが予測され、理解不足の可能性があった。そのため対象者は興味・関心が持てず、受動的態度となっていたと考えられる。受動的態度は意欲の低下となり適切な知識に基づいた看護判断能力や実践能力の低下に繋がった。理解不足はせん妄を正しく評価できず早期看護介入の機会を逸する恐れがあった。そこで正しく評価するための評価方法や知識について振り返る必要性があったと考える。振り返ることは、看護観を深め自己課題を見出すために必要なことである。その手助けとして他者との気づきや思いを共有する行為が必要であった。今後の教育に関する方法としては、見出された結果から対象者を客観的に評価し、自己効力感を高めるようなサポート体制を実践させていく必要性がある。そして評価と振り返りを行い定着に向けた活動に取り組んでいかなければならないと考えた。【結語】ICDSC を定着させるための課題が明らかとなった。今後はサポート体制の強化と振り返りを含めた継続的な教育に取り組んでいく必要性がある。