ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-630-CP13-1 当ICU 入室患者のせん妄の現状分析さいたま赤十字病院 救命救急センター ICU古厩 智美、牛山 聡子、浅沼 澄子【背景と目的】日本版集中治療室における成人重症患者に対する痛み・不穏・せん妄管理のための臨床ガイドライン発刊後、当ICUでもABCDEF bundle やせん妄と疼痛評価を医師と協働して教育を行い評価を導入したが、ケア内容について検討の余地があると考え、まずは当院の状況把握を目的に患者の概要を調査した。【方法】1)研究対象:日勤リーダーによるICU退室後訪問(退室後7日目を目安として実施)をICU内業務として確立した平成27年4月より7月までの診療録およびICU 入室患者データ2)データ分析方法:デモグラフィックデータおよび各パラメーターの記述統計【倫理的配慮】診療録および入室患者データは、個人を特定しない形で扱うこととした。なお当院看護部倫理審査を通した上で実施した。【結果】1)患者特性概要:4ヶ月間の入室患者数は140名で、患者の平均年齢は67歳、男女比は12:13、APACHE2スコアは、19.8(±7.53)、挿管患者は入室患者の81.7%、内22.2% は挿管したまま後方病棟へ転棟となった。ICU内で抜管した患者の挿管期間中央値は3日であった。2)ICU滞在中の使用鎮痛薬および鎮静薬:鎮痛薬は殆どの症例でフェンタニルが使用され、鎮静薬はミダゾラム:プロポフォール:デクスメデトミジン= 4:4:1の割合で使用されていた。3)CAM-ICU評価概要:CAM-ICU陽性となった患者の割合は33%で、退室後訪問におけるCAM-ICU陽性患者の割合は25.9%であった。4)CPOT の評価概要:CPOT0 で評価された患者がほぼ9 割であった。【考察】先行文献と比較して、当ICU入室患者の重症度および挿管患者割合は同程度もしくはやや高く、ICU滞在期間は短い傾向がある(木下 2011, Shehabi et.al. 2010)。しかし、CAM-ICU陽性の割合がそこまで高くなかった要因として、RASS-5と-4の患者の割合が多かったことが寄与していると考えられた。今後はABCDEF bundleについて考え方の再共有および鎮静管理を検討する必要性があると考える。ポスターCP 13 鎮静・鎮痛・せん妄・早期離床① 2月12日(金) 9:30~10:30 CPポスター会場CP13-2 ICU 入室患者におけるせん妄発生要因分析独立行政法人地域医療機能推進機構 徳山中央病院 ICU深草 優子、國本 貴子、弘中 真紀、古谷 旭 [はじめに]せん妄は特殊な環境にさらされることにより起こりやすいといわれてきたが、現在は患者の病態や薬剤が重要な因子となっていると言われている。そこでせん妄を起こす要因を明らかにしようと思い、本研究を行った。[方法]2013年4月から2014年3月までの入室患者で、RASS-3以上の患者を対象とし、小児科、精神疾患、認知症は除いた。それぞれをせん妄発生群とせん妄なし群の2群に分け、ICU患者記録より調査した。情報収集内容は年齢、性別、不眠状況、せん妄の発生する時間帯、せん妄発生日、鎮静剤・鎮痛剤の有無、入室状況(定期・緊急)、手術時間、挿管の有無、挿管期間、ICU入室期間、意思の疎通困難患者数とした。分析方法は対応のないスチューデントt検定、χ2乗検定、フィッシャー直接確率法で分析した。本調査は看護部倫理委員会の承認を得て行った。[結果]全入室患者544人中469 人が対象であった。せん妄発生群は94 人せん妄なし群は375 人であり、全患者の20.0%にせん妄が発生していた。各科の入室状況は外科、心臓血管外科の2科が半数を占め、そのうちせん妄と判断したのは、外科177人中30人(31.9%)心臓血管外科106人中43人(45.7%)だった。各項目を検定し、有意差が認められたものは、年齢、夜間不眠患者数、鎮痛・鎮静剤使用患者数、入室状況、(定期・緊急)、手術時間、挿管患者数、挿管期間、ICU 入室期間、意思の疎通困難患者数、であった。性別においては男女間の2 群に有意差はみられなかった。[結論]せん妄発生群の方が高年齢であった。緊急入室患者の方が、せん妄発生率は高かった。鎮静剤を使用しているにもかかわらず、夜間不眠の患者はせん妄を発生させていた。せん妄発生群は入室期間・挿管期間ともに長かった。せん妄が発生した時間帯は16時から19時、23 時から2 時の時間帯が多かった。意思の疎通が難しい患者はせん妄発生率が高かった。CP13-3 ICU における心臓血管外科術後患者のせん妄に関する実態調査1)東北薬科大学病院 集中治療室、2)東北薬科大学病院 麻酔科菅原 恵1)、半田 厚子1)、大谷 喜美子1)、長屋 慶2)【はじめに】せん妄は予後悪化の独立した危険因子であり、せん妄の予防・早期発見・治療が重要である。2014年、日本版PADガイドラインが発表され、信頼性の高いせん妄評価スケールの使用が推奨されている。しかし、A病院ICUではこれまでスケールを用いたせん妄評価を行っていなかった。そこで、CAM-ICUを導入しせん妄の実態調査を実施した。【目的】ICU入室中の心臓血管外科術後患者におけるせん妄発症に関する実態及び要因を明らかにし、看護支援の示唆を得る。【方法】対象:心臓血管外科術後患者47名 調査期間:2014 年4 月~10 月 方法:CAM-ICUを導入しせん妄の有無・サブタイプ(過活動型・低活動型・混合型)を評価、患者の基本属性、入院期間、ICU入室期間、手術所見、呼吸管理、使用薬剤、検査データ、リハビリ進行度を診療録より収集した。せん妄群と非せん妄群の2 群に分類し、マンホイットニーのU検定を用いて比較検討した。P値0.05 未満を有意差ありとした。【倫理的配慮】A 病院の倫理委員会の承認を得て実施した。得られた情報は匿名性を保持し、本研究以外では使用しないこととした。【結果】せん妄発症患者は15名(31.9%)で、過活動型は2名(4.2%)、低活動型は6名(12.8%)、混合型は7名(14.9%)、せん妄期間の中央値は1日(1~5日)だった。せん妄群と非せん妄群の比較において、ICU入室期間、体外循環・大動脈遮断時間、術後Cr値とCRP高値日、呼吸管理期間、ミダゾラム・プレセデックス使用の有無、リハビリ進行度に有意差がみられた。【結論】ICU に入室した心臓血管外科術後患者の31.9% がせん妄を発症し、低活動型と混合型せん妄が大半を占めていた。また、手術侵襲や呼吸管理期間、鎮静薬の使用がせん妄発症に関与していた。このことから、せん妄の発症要因を念頭においたアセスメント・予防に努めるとともに、早期介入の必要性が示唆された。