ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-585-DP40-4 集中治療室における臨床工学技士二交代制勤務の現状と課題名古屋大学 医学部 附属病院 臨床工学技術部林 裕樹【目的】集中治療室における安全指針検討作業部会の報告で、指針として集中治療室内に臨床工学技士の常時勤務することが望ましいと明記されている。平成26年度診療報酬改定の特定集中治療管理料の改訂にて、質の高い集中治療を行うため、施設基準に専任の臨床工学技士の常時院内勤務が明記された。当院でもそれに伴い夜勤1 名、休祭日1 名配置による二交代制勤務を導入した。二交代制勤務での臨床支援業務の実態を調査し、現状と課題について報告する。【方法】2014年6 月から2015 年7月までの二交代制勤務時間内の臨床支援業務について、業務内容を集計、検討した。【結果】二交代勤務時間中の全対応件数は1748件であり、血液浄化業務1060 件、PCPS、ECMO 導入35 件、IABP 導入19 件、PCI 業務81 件、心臓デバイスチェック78 件などの臨床支援業務が全対応件数の77%を占めていた。【考察】第3 次救急医療施設での集中治療室での業務は、緊急の開心術も含め、PCPS やPCI、心臓デバイスチェックなど、多種多様な臨床支援業務への初期対応が必要となる。またPCPSなどの補助循環業務は数日から数週間の継続治療となるため、集中治療室へ入室した後も補助循環装置での血行動態管理が必要となる。日常業務への影響を考慮し、経験値の少ない技士も勤務するため、緊急時での対応に苦慮することもあり、待機担当者への応援要請も多い。教育も含め経験値のある指導者と二人で勤務できる体制にすることが、より安全の質の向上に繋がると考える。【結語】二交代制勤務を行うことで、臨床支援業務への迅速な対応は可能であるが、緊急時への全ての業務の知識と経験が必要である。ジェネラリストとしての教育方法の構築が急務であり、業務を安全に遂行するため、集中治療室ベッド数に対しての人員配置基準などを明確にすべきである。DP40-5 当直業務開始前後における人工呼吸器装着時間の推移について1)済生会熊本病院 臨床工学部門、2)済生会熊本病院 集中治療室管田 塁1)、吉永 修平1)、荒木 康幸1)、上杉 英之2)、西上 和宏2)【目的】当院では、2012年12月よりICUでの臨床工学技士(以下CE)が当直業務を開始し、人工呼吸器装着患者のウィーニング支援業務を行っている。今回、当直業務前後において人工呼吸器装着時間(以下装着時間)の変化を比較する。【対象と方法】対象は、当直前群2010年1月から2012年11月(709例)、当直後群2012年12から2014年12月(719例)。主要な各診療科において当直開始前後での装着時間を比較した。【結果】全体では、当直前37.2 ±56.2 時間、当直後35.6 ±52.8 時間(p=0.019)だった。各診療科の比較では、消化器外科で73.7 ± 64.2、66.6 ± 59.1(p=0.016)、循環器科で101.4 ± 86.4、69.9 ± 72.1(p=0.007)、心臓血管外科で22.8 ± 31.8、20.9 ± 29.7(p=n.s)、救急総合診療科で132.3 ± 125.2、136.8 ± 113.3(p=n.s)だった。【考察】全体として装着時間は短縮していたが、各診療科で装着時間にばらつきがあった。装着時間が短縮した診療科では、主治医の人工呼吸器不慣れに対し、CE が積極的に介入することで短縮できたと思われる。装着時間に有意差がなかった診療科では、CE 当直前より人工呼吸器離脱プロトコール(クリニカルパス)を使用しており、装着時間が短縮できていた事や主治医の判断での呼吸器離脱により、CEの介入が少なかったためと考える。 また、介入したCEスタッフの経験値や知識量、メディカルスタッフとのコミュニケーション力、医師からの信頼度のなどにもばらつきがあり影響している可能性が考ある。【結論】CE当直業務開始前後における人工呼吸器装着時間を比較し、装着時間の短縮にばらつきがあった。今後、院内での統一した呼吸器離脱プロトコールの作成やCE スタッフにおけるスキルの標準化が必要と思われる。DP40-6 当直業務開始前後の業務量の変化と看護師満足度調査について1)諏訪赤十字病院 医療技術部 臨床工学技術課、2)諏訪赤十字病院 救急部、3)諏訪赤十字病院 集中治療部森本 学1)、刈田 瑛子1)、小林 彩1)、花岡 和也1)、高尾 彰孝1)、丸山 朋康1)、宮川 宜之1)、酒井 龍一2)、河野 哲也3)当院は長野県の南信地域に位置し、第3次救急医療機関を併設するICU8 床・QQ 病床10 床を含む455床の急性期病院である。2015年7 月現在で臨床工学技士(以下CE)は21 名在籍している。2014年6 月より「特定集中治療室管理料1」の施設基準を満たすために、CEの当直業務を開始した。開始から1年経過したため、当直業務の内容の調査と看護師に対してアンケートによる評価を行った。【目的】当直開始に伴う業務量の変化と、アンケートによる顧客満足度から当直業務のニーズと有用性を評価する。【方法】1.当直業務開始前後1年間(2013 年6 月~2014 年5 月と2014 年6 月~2015 年5 月)の平日の17:00 から翌日の8:30までと休日の業務内容と業務量を、時間外報告書や勤務日誌から集計・評価する。2. 全病棟の看護師を対象に2014年4 月と2015 年4 月に当院のCEに関するアンケートを行った。【結果】1.急性血液浄化で時間外において1日当たりに対応する件数は当直開始前0.45回、開始後0.65回と増加していた。機器のトラブルに対応した件数は、当直開始前27回、開始後57回と増加していた。2.アンケートから、CEが対応するまでの時間について聞いたところ、「非常に速い」「早い」が2014年は74%(170/263)2015年は85%(241/284)と増加していた。また、2015年のアンケートで「CE当直者がいることで業務負担や医療機器へのストレスは減るか」という質問に対して、「減る」「やや減る」を合わせて89%(201/282)であった。【考察】拘束対応していた時には連絡していなかったトラブルにも、連絡・相談しやすくなり、CE の対応回数が増加したことが考えられる。また、CE が迅速な対応が可能となったため、アンケート結果の改善につながったと考えられる。【まとめ】CEが24時間院内にいることは、看護師の業務や、医療機器トラブルに対するストレスを軽減できた可能性がある。