ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-576-DP36-1 CCU におけるCardiac ECMO長期サポート例の最近の成績1)日本医科大学付属病院 心臓血管集中治療科、2)日本医科大学付属病院 循環器内科、3)日本医科大学付属病院 外科系集中治療科三軒 豪仁1,2)、鈴木 啓士1)、古瀬 領人1)、林 洋史1)、細川 雄亮1)、圷 宏一1)、山本 剛1)、杉田 慎二3)、竹田 晋浩3)、清水 渉1,2)【背景】院外心停止、ショックを伴う心筋梗塞や劇症型心筋炎、難治性不整脈に対する心肺補助装置の有効性は確立されてきている。一方、心肺補助が長期に及ぶ症例では、補助人工心臓(VAD)を検討するが、適応外の症例や数週間の心肺補助後に、離脱可能となる症例も経験される。既存の心肺補助では、短期間サポートを前提としたPCPS回路を使用することが多いが、長期サポートの際は頻回の回路交換を要する。当院では2012年8月より心肺補助が長期となる症例に対し、ECMOチーム管理のもと、長期耐性遠心ポンプ、膜型人工肺を用いたECMO回路による心肺補助を行っている。【目的】長期耐性遠心ポンプ、膜型人工肺を用いたECMO回路を用いた心肺補助の最近の成績を明らかにすること。【方法】2012 年8月から2015 年8 月の間に、Cardiac ECMOを3日以上要した連続16例のうち、長期サポートのためPCPS 回路からECMO回路に変更を行った7例(57± 20歳、男性4例)を後ろ向きに検討した。【結果】原疾患は虚血性心疾患6 例(難治性不整脈3 例、左室自由壁破裂2例、ポンプ失調1 例)、心筋炎1 例。入院時の左室駆出率22.4±8.9%、PCPS回路期間4.9±1.7日、ECMO回路期間11.9±13.0日、総サポート期間15.7±13.9日であった。ECMO回路の交換は41日間サポートした1例のみ2回要した。全例がCardiac ECMOから離脱し、抜去後30日生存は6例(85.7%)、生存退院は3 例(42.9%)であった。【考察】ECMO回路は抗血栓性の高い人工肺、優れた耐久性および効率性を有する遠心ポンプにより長期の心肺補助が可能であり、ECMO回路に変更後に回路交換を要したのは1 例のみであった。また経皮的心肺補助は後負荷を増大させるため、低左心機能例に対するサポート効果の減弱が懸念されるが、全例心肺補助から離脱可能であった。デジタルポスター 36 心臓・循環・体液管理⑥ 2月13日(土) 13:30~14:30 デジタルポスターブース6DP36-2 救急外来の血圧別に評価した心不全の病態評価と予後の検討1)東京医科大学 循環器内科、2)東京医科大学 先進的心不全治療医学講座小林 正武1,2)、渡邉 雅貴1,2)、岩崎 陽一1,2)、山科 章1,2)背景Clinical Scenario(以下, CS)はプレホスピタルにおける急性心不全患者の収縮期血圧から治療開始するアプローチとして提唱されているが, その病態把握と予後に関しては十分な検証がなされていない。方法東京医科大学病院に2010年1月1日から2014年7月31日の期間に急性非代償性心不全の診断で入院となった連続205症例を対象に救急外来での収縮期血圧を基にSBP>140mmHg をCS1 群(56 症例), SBP: 100-140mmHg をCS2 群(132 症例), SBP < 100mmHg をCS3 群(15 症例)に分類し比較検討した。結果救急外来での収縮期血圧は, CS1 群,CS2 群,CS3 群の順で有意に高値を示した(160 ±15 vs 118 ± 12 mmHg vs 89 ± 8mmHg, P < 0.0001)。心胸郭比や左室拡張末期径は3 群間で有意差は認めなかった(P=04, 0.47)。左室駆出率はCS3 群で有意に低値を示したが(P=0.03), 一方でCS1 群とCS2 群では有意差は認めなかった(P=0.95)。BNPや血清クレアチニン値, ヘモグロビン値も3 群間で有意差は認めず(P=0.49, P=0.82, P= 0.74), 血管機能検査に関しては, CS1 群でPWV が有意に高値を示しており(P=0.005), CS1群のPWVと救急外来での収縮期血圧は正の相関を認めたが(r=0.49, P=0.002), CS2群では有意な相関を認めなかった(P=0.3)。1 年後の心不全再入院率におけるKaplan-Meier曲線では, 3 群間に有意差は認められなかった(P=0.74)。結語CS1,2,3を表現型とする急性心不全例では心機能や他臓器障害において有意差は認められなかったが, CS1 の心不全例では動脈硬化性変化が進展しており血管障害の可能性が示唆された。DP36-3 腹部大動脈瘤破裂手術後の集中治療室滞在長期化予測因子1)埼玉県立循環器呼吸器病センター 麻酔科、2)群馬大学医学部附属病院 麻酔科蘇生科三田 範勝1)、華山 悟1)、高橋 利和1)、加賀谷 慎1)、三好 壮太郎1)、齋藤 繁2)【はじめに】腹部大動脈瘤破裂手術後に長期ICU滞在(≧7日)となる要因を後ろ向きに調査した。【方法】16 人の周術期背景、術後転帰を比較した。【結果】[表1]長期滞在者(9 人)では術中輸液量が有意に多く(p=0.03)、EVARの割合が低い傾向にあり、術中出血量、RCC輸血量が多い傾向にあった。術後24h のP/F 比が有意に低く、人工呼吸時間が長かった(p=0.02,0.03)。[表2]術後人工呼吸時間、ICU 滞在、術後在院日数はEVAR で短い傾向にあった。ロジスティック解析で術後24h のP/F 比< 210 がオッズ比21.0(p=0.02)であった。術後人工呼吸時間とICU 滞在日数、歩行開始日数と術後在院日数は有意な正相関を認めた(r=0.9,p<0.01、r=0.6,p=0.02)。【結語】大量出血、大量輸液に伴う術後呼吸不全がICU長期滞在の主な要因であり、EVAR施行により改善される可能性がある。