ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-566-DP31-1 重篤な小児を成人と同様に診る ― 救命救急センター5施設の実績から重篤小児診療の展望を示す ―1)横浜市立大学附属市民総合医療センター 高度救命救急センター、2)九州大学病院 救命救急センター、3)県立広島病院 救命救急センター、4)岡山大学病院 高度救命救急センター、5)りんくう総合医療センター 泉州救命救急センター 救命診療科、6)横浜市立大学大学院 医学研究科 救急医学六車 崇1)、賀来 典之2)、多田 昌弘3)、塚原 紘平4)、安達 晋吾5)、松岡 哲也5)、鵜川 豊世武4)、山野上 敬夫3)、水口 壮一2)、森村 尚登6)【緒言】重篤小児症例の診療体制としては、小児診療への専従性を重視した" 箱" の議論が先行してきた。しかしながら、補助金や診療報酬による誘導にもかかわらず 各事業の施行地域は限定されており、また診療実績の定量的検証がなく 診療における小児と成人の差異も明らかでない。小児と成人の診療の差異を議論するうえでは、同一ユニットで双方を診療する環境における検証が不可欠と考え検討を行った。【目的】小児・成人を共通のユニットで診療する5施設の診療実績を検証し、重篤小児診療の展望と課題を提示すること【方法】Setting: 救命救急センター5 施設:小児・成人を共通のユニットで診療、小児症例対策は 主に薬剤量算出と資機材整備に限局検討方法: 5 施設における 2 年間の16 歳未満の救急症例 の診療実績を、 JaRPAC[Japanese Registry of Pediatric Acute Care, http://jarpac.org]のデータ収集項目につき後方視的に収集し検討した。【結果】対象は計683例、うち外傷205 例(30%)。平均予測致死率(PIM2)11.3%、90%超の超重症40 例(6%)。死亡33例(実死亡率4.8%), 予測外生存7例, 超過生存7例を認めた。【考察/結語】小児・成人を共通のユニットで診療している救命救急センターにおける重篤小児の診療は、小児施設などの既報告に遜色ない実績が得られていた。小児専従ユニットの未設置地域では 需要を度外視した投資を避け、救命救急センターを軸に整備しても 効果が得られることが示唆される。対象とした施設における 薬剤量算出・資機材整備 の方法など、国内の全地域で実行しうる 重篤小児の診療体制につき提案する。デジタルポスター 31 その他 2月13日(土) 13:30~14:30 デジタルポスターブース1DP31-2 当院の集中治療体制に問題はあるか? ~ドクターヘリによる他施設への搬送の観点からの検討~1)市立三次中央病院 麻酔科・集中治療室、2)国立病院機構 浜田医療センター田嶋 実1)、柳谷 忠雄1)、岸本 朋宗2)(はじめに)当院は広島県備北、島根県西部の人口約10万の医療圏で唯一の総合病院である(心臓血管外科、小児外科医は不在)。病床数350 床に対し集中治療室(ICU)は4 床で集中治療専門医の資格を有する麻酔科医1名が担当科と連携しつつ管理を行っている。今回ドクターヘリ(DH)による搬送の観点から当院の集中治療体制を検討した。(対象と方法)中国5県でのDH の運用が可能となった2013年5月~2015 年3月の期間で、DHにより他施設に搬送された症例を対象とし、後ろ向き研究を行った。(結果)期間中のICU への入室患者数は395 例(のべ1503 例)であった(循環器疾患40%、神経疾患35%、大手術後25%程度)。DH 搬送は23 例で、最多は小児科部門(小児外科手術か新生児集中治療が必要な症例)で11例を占めた。救急外来からの搬送は6 例で、内訳は当院での治療が困難な血管内治療症例と熱傷症例の2例、早急な手術対応が困難で手術目的での転送が2例、DHの中継病院として対応した多発外傷1 例、出血性ショックだが家族の要望により転院となった1 例であった。入院患者の搬送は6 例で3 例がICU、2 例が救急病棟、1 例が産科病棟からの搬送であった。ICUからの搬送例のうち薬物誤飲による食道穿孔症例、難治性心室細動症例の2例は当院での継続治療は困難と考えられたが、急性膵炎の1例は継続治療が可能であったと推測された。救急病棟からの搬送は重症筋無力症疑い、劇症肝炎亜急性型疑いの2例で,ICUに入室せず、早期に診断治療を兼ねた転院は適切と考えられた。産科病棟からの搬送1例は母体・胎児管理目的であった。(考察)本検討の限界はDHでの搬送が重症症例と判断している点と救急車での転院を検討していない点にあるが、当院で対応可能な重症症例に対してはICUで最大限治療を行っている姿勢が明らかとなった。(結語)ICU管理が可能と判断された症例では概ね適切に管理されていると判断される。DP31-3 人工呼吸患者との意思疎通のための機械読唇術システム構築に関する予備研究1)和歌山県立医科大学 救急集中治療医学講座、2)立命館大学 情報理工学部 情報コミュニケーション学科中島 強1)、宮本 恭兵1)、川副 友1)、永野 雄大2)、李 周浩2)、木田 真紀1)、岩崎 安博1)、加藤 正哉1)近年ICU における鎮静は、鎮痛をベースとした浅鎮静で管理することが一般的となり、患者と意思疎通を図れる状態にあることが多い。人工呼吸患者では文字盤の使用や筆談などで意思疎通を図ることが多いが、四肢麻痺や筋力低下(ICU-acquiredsyndrome)などにより、そういった方法が困難なことも多く、意思疎通に多大な時間を要すことが多い。それにより患者ストレスを増大させてしまい、せん妄の一因にもなりうる。そういった背景の中、われわれは人工呼吸患者の口唇の動作映像を利用して患者の発話内容を推定する、機械読唇術システムを構築する試みを行っている。機械は大量の顔のサンプル画像から顔の形状の知識を得ており、鼻や口を認識できる。さらに挿管患者や気管切開患者を想定した大量のサンプル画像から、発話時の口唇の動きの情報の知識も得ている。そのデータを利用し、発話時の口唇の動作映像を認識し母音を推定し、その母音の組み合わせから発話内容の候補を抽出することが可能である。会話時の状況に最適な言葉を選択できれば、ほぼリアルタイムにスムーズな意思疎通が可能となる。患者の訴えを早期に認識することで治療の早期介入、最適化、患者ストレスの減少に繋がる可能性がある。現在立命館大学と共同してシステム構築中であり予備研究の段階であるが、経過を含め報告する。