ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
- ページ
- 567/910
このページは 第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集 の電子ブックに掲載されている567ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集 の電子ブックに掲載されている567ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-565-DP30-4 開放型ICU に適した電子カルテ熱型表システムの開発と運用1)久留米大学病院 医療情報センター、2)久留米大学病院集中治療部七種 伸行1)、新山 修平2)、有永 康一2)、佐藤 晃2)、坂本 照夫2)当院では平成26 年4 月より外科系診療科の術後患者管理を担う外科系集中治療室(SICU)をOpened ICU として開設したので、SICUで導入した熱型表システムの開発と運用について報告する。平成25年1月より病院情報システム(HIS)を稼働しており、Closed ICUである高度救命救急センターと新生児集中治療室では重症系部門システムを併用している。SICU では手術室や一般病棟との移動が短期間に発生するため、部門システムを導入した場合には転棟時に記録の連続性が保たれない。またOpened ICU として多診療科の医師が操作することを考慮すると、カスタマイズや操作習熟が必要となる部門システムはSICU の円滑な運営には適さないと考えられた。SICU 開設にあたって部門システムは導入せず、機器連携用のGateway を介して受信したバイタルデータをHIS内部のフローシートとして記録し、熱型表として構成する方式を採用した。これにより院内の全端末からリアルタイム閲覧・情報取得が特別な操作なしに可能となった。フローシートを一般病棟と共有出来たことで、転棟前後で看護記録の連続性が担保された。また機器連携はフローシートのマスタ設定により行うため、将来的な機器の追加・更新時にも院内で対応可能となる。本方式でICU 業務に耐えうる熱型表機能を実現できるかはHIS側の処理能力に大きく依存するが、全てのデータをHIS単独で一元的に管理することはビッグデータ時代の臨床研究や登録事業等への対応も期待される。DP30-5 徳島大学病院集中治療室における長期滞在例の検討徳島大学病院 救急集中治療部井澤 眞代、綱野 祐美子、小野寺 睦雄、大藤 純、西村 匡司【背景】ICU 資源の有効利用は重要な課題である。ICU入室患者のデータを蓄積・分析することは適切なICU資源分配の手がかりとなる。徳島大学病院のICU はclosed かつmixed type のICU(病床数10床)である。当ICU 入室患者のデータベースより長期滞在患者について調査し、ICU 資源分配の状況を検討した。【方法】データベースをもとに後方視的研究を行った。2011年から2014年の4年間に当院ICUへ入室した患者を対象とした。年齢、性別、入室経路、ICU滞在期間、APACHE IIスコア、ICU転帰、院内転帰をデータベースから抽出し、ICU長期滞在患者(ICU 滞在日数> 14 日)と非長期滞在患者の割合、長期滞在に影響する因子について検討した。【結果】全体で入室件数1,917件、入室者数1,604 人、平均年齢56 ±27 歳、男性割合62.2%、平均在室日数6± 11日であった。長期滞在は入室件数168 件(8.8%)、入室者数152人、平均在室日数31 ± 25日で、のべ利用病床数は全体の43.3%に相当した。長期滞在者では非長期滞在者に比べて他病棟からの非術後患者の割合が多かった(41.1% vs 20.4%, p <0.01)。APACHE II スコア中央値は長期滞在者で27(IQR 20-32)、非長期滞在者で18(IQR 14-24)であった(p < 0.01)。長期滞在患者と非長期滞在でそれぞれICU 死亡率は28.8%、11.6%(p < 0.01)、院内死亡率は36.0%、14.7% であった(p < 0.01)。【考察】全体数の4-11%程度である長期滞在者が40%以上のICU病床数を占めるといわれ、当院でも同程度であった。長期滞在者では入室時の重症度が高く、ICU死亡率も高く、これも過去の報告と同様であった。長期滞在因子として予定外入室が報告されているが、本院では院内他病棟からの緊急入室患者が多かった。【結論】当院ICUにおける4 年間のICU 長期滞在者について検討した。約9%の長期滞在患者が40%以上の病床占拠率を有していた。DP30-6 チェックリストを用いたブリーフィングの導入と、早期リハビリテーションに与える影響愛知医科大学医学部麻酔科学講座藤田 義人、赤堀 貴彦、安田 吉孝、吉野 博子、橋本 篤、佐藤 祐子、下村 毅、畠山 登、木下 浩之、藤原 祥裕【背景】多職種間のコミュニケーション不足、業務の多さなど集中治療を行う現場では医療安全を脅かす様々な要因がある。チーム医療であるため医師、看護師間での治療方針やICUでのゴールなど共通の認識は重要である。我々は、チェックリストを用いて、毎日の看護師勤務交代申し送り時でのブリーフィング、デブリーフィングを行い、治療もれの減少、治療方向性の共有などを試みている。コミュニケーションの活発化、病態の共有などメリットはあるが、数値としての評価には難しさがある。早期のリハビリテーション開始のためのチェック項目もあり、今回早期リハビリテーション開始につながっているかを検証する。【対象と方法】当院は900床の大学病院で、院外救急に対応のEmergency ICU(12床)と術後と院内発生に対応するGeneral ICU(22床)がある。今回チェックリストを導入したGICUで滞在が5日以上の患者を対象とした。方法は、導入する前の7ヶ月と、導入後の7ヶ月の当科から依頼したリハビリテーション依頼件数および5 日以上在室患者数に対する割合、入室から依頼までの日数を比較した。【結果】リハ依頼および割合は、それぞれ11 件/82(13.4%)、32 件/118(27.1%)であった。GICU 入室からリハ依頼までの日数はそれぞれ平均6.4 ±8.1 日、3.7± 2.8日であった。【考察】ブリーフィングの導入で依頼件数および依頼の割合共増加傾向を認めた。依頼までの日数も短縮傾向が認められた。しかし、5 日以上在室患者の3 割弱しか依頼をされてないことは検討の必要がある。またこれらによりリハビリテーション開始を早めるとともに、リハビリ科との協力で早期の回復、退院に及ぼす影響を検討していく必要がある。【まとめ】今回の導入でリハビリの依頼件数、割合の増加傾向、依頼までの日数短縮傾向を認めた。