ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-564-DP30-1 エコーガイド下中心静脈穿刺においてガイドワイヤーが右内頸静脈を貫通し、右椎骨静脈に迷入した一症例天理よろづ相談所病院 麻酔科梅宮 槙樹、中尾 謙太、浜川 綾子、石井 久成内頸静脈(IJV)から中心静脈カテーテル(CVC)を挿入する際、動脈誤穿刺の報告はあるが、椎骨静脈(VV)にガイドワイヤー(GW)を留置した報告は少ない。今回、VVにGWが迷入した症例を経験したので報告する。72 歳女性、身長152cm 体重51kg。重症の大動脈弁狭窄症に対して、経カテーテル大動脈弁留置術が予定された。全身麻酔導入後、右IJVからCVC 挿入を試みた。エコーガイド下に交差法で穿刺し静脈血の逆流を確認後、GW を抵抗なく挿入した。GW と皮膚との刺入角が通常より大きかった。エコーで確認したところ、GWがIJVを貫通して深層の静脈に迷入していた(図1)。頸部CTとエコー所見より、GW は右VVに迷入したと推測された。エコーガイド下にGW先端をVVからIJVまで引き抜きIJVの中枢側に進めた後、通常通りカテーテル留置を行った。交差法でIVC穿刺を行う際、VVにGW が迷入することがある。CVC挿入前にGW を注意深く観察することにより、VVへのCVC 誤留置を回避することができた。デジタルポスター 30 保守管理・医療安全① 2月13日(土) 11:00~12:00 デジタルポスターブース10DP30-2 動脈圧ライン固定具による刺入部合併症の軽減効果の検討徳島大学病院 救急集中治療部綱野 祐美子、井澤 眞代、中瀧 恵実子、小野寺 睦雄、大藤 純、今中 秀光、西村 匡司【背景】動脈圧カテーテル挿入はICU において循環モニタリングのための一般的な処置である。しかし、橈骨動脈に動脈圧カテーテルを留置した場合には固定が難しく、カテーテルの屈曲、穿刺部の皮膚損傷、出血などの合併症が起こり得る。今回我々は、動脈ライン専用の固定具を使用することで、これらの合併症を回避できるか検討した。【方法】橈骨動脈にカテーテルを留置した成人患者を対象とした。動脈ライン専用固定具(StatLock;,Bard, USA)使用群と非使用群に分け、患者背景、カテーテルの屈曲、刺入部の出血、抜去したカテーテル先端の細菌培養について比較検討した。非使用群では、当施設で従来から用いている方法で固定した。【結果】対象症例は157例、固定具使用群79例、非使用群78例だった。両群の男女比、年齢(66±15.0歳vs. 63±16.6歳)、APACHEIIスコア(25±8.8 vs. 24±7.5)に有意差はなかった。カテーテル刺入部の異常は固定具使用群で9例(11.4%)、非使用群で21 例(27%)と使用群の方が有意に少なかった(p=0.01)。カテーテル先端の培養はそれぞれ6 例(7.6%)、5 例(6.4%)で陽性となり有意差はなかった。カテーテル関連血流感染症は両群ともに認めなかった。【結語】動脈ライン専用固定具の使用により、カテーテル刺入部の合併症を減らせるか検討した。合併症は有意に減少したが、カテーテル先端の細菌汚染率には差がなかった。DP30-3 電子カルテ緊急停止時の問題点と対応1)社会医療法人財団 大樹会 総合病院 回生病院 救急センター、2)社会医療法人財団 大樹会 総合病院 回生病院 麻酔科関 啓輔1)、乙宗 佳奈子1)、音成 芳正1)、西信 俊宏1)、白神 真乃1)、神野 敬祐1)、木村 廷和2)、穴吹 大介2)、藤本 正司2)、前川 聡一1)今回意図せぬ停電により、電子カルテサーバーがブレークダウンし、電子カルテ障害に対する緊急対応を経験した。電子カルテ緊急停止時の問題点と対応について、検討したので報告する。【はじめに】当院の電子カルテは、電子カルテのメインシステムである電子カルテシステム(KAIシステム)があり、それに接続されるかたちで、医事会計システム(M PACK)、放射線情報システム(FRIS)、検査システム、薬剤システム、リハビリシステム、DPCシステム、栄養システムから成っている。KAIシステムのみがダウンした場合障害レベル2 とし、KAIシステム以外の障害の場合障害レベル1、KAI システムに加え他のシステムも障害された場合を障害レベル3としている。レベル3の場合外来受付は中止し、入院患者は紙カルテ診療となる。【発生】今回カルテ障害は外来診療時間内の9時半には発生し、障害レベル3であったが薬剤システムは稼働していたたため、過去の処方を確認できた。【一般的対応】レベル3 の障害では外来診療は停止とするマニュアルが多い。【今回の対応】薬剤システムやお薬手帳で処方内容が確認できた場合、手書き処方を行った。単純レントゲンはフィルム対応した。糖尿病外来と神経内科は紙カルテで通常診療した。受診患者をトリアージし、治療が必要な患者は他院紹介を行った。入院患者は紙カルテ診療で対応した。【良かった点】特に抗てんかん薬等内服継続が必須の場合もあり、過去のW処方を確認して手書き処方を行えた。トリアージすることで、後方病院に診療を繋ぐことができた。【改善点】対策本部立ち上げの必要性。障害レベル宣言者の見直しが必要であった。