ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

ページ
530/910

このページは 第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集 の電子ブックに掲載されている530ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-528-DP12-1 NPPV を導入したseptic shock症例の後方視的検討大阪警察病院 呼吸器内科益弘 健太朗、緒方 嘉隆、光山 裕美、高田 創、金 成浩、矢賀 元、井原 祥一、南 誠剛、山本 傑、小牟田 清【背景】septic shock では治療初期に十分な輸液量を要する。SIRS では血管透過性が亢進しているため、輸液量増加の結果、肺水腫を呈し酸素化の悪化をきたすことが経験される。当科ではseptic shock と診断され低酸素血症を呈した患者に対し、即座に気管内挿管に移行できる環境下にNPPV の導入を行っている。【目的】NPPVを導入したseptic shock 症例に対して、離脱の成否を各種パラメーターから予測し得るか後方視的に検討した。【症例】2012年1 月から2015年5 月にNPPV を導入したseptic shock 34症例を対象とした。【患者背景】男19例、女15 例。年齢80.7 ±10.5 歳。原因疾患は肺炎12 例、尿路感染症9 例、胆道感染症5 例、その他8 例。APACHEII 28.8 ± 7.8、SOFA 10.5 ± 3.7。【結果】離脱成功群24 例、失敗群10 例。失敗群は挿管移行症例や離脱出来ず死亡した症例と定義。30日生存率は成功群で95.8%、失敗群で50%。NPPV装着期間は成功群12.6± 8.1日、失敗群8.7 ±8.6日。離脱成功に関与する因子を検討した。単変量解析ではLDH(成功群276 ± 147U/L、失敗群550 ± 338U/L)、Alb(成功群2.3 ± 0.4g/dL、失敗群1.9 ± 0.5g/dL)、NPPV 導入後3 日間の輸液total balance(成功群4.2 ± 2.8L、失敗群8.7 ± 5.5L)、導入後24 時間の呼吸数変化量(成功群- 7.1 ± 6.9 回/ 分、失敗群- 1.9 ± 2.9 回/ 分)で有意差を認めた。cut off 値を設定した所、LDH(≧ 450U/L: <450U/L 37.5%:80.8%)、24 時間の呼吸数変化量(≧- 5 回/ 分: <- 5 回/ 分 93.8%:50.0%)、3 日間の輸液total balance(≧ 6L: < 6L30.0%:90.0%)で離脱率に有意差を認めた。多変量解析ではLDH < 450U/L(OR:6.99 95%CI:1.23-39.5)、3 日間の輸液total balance<6L(OR:30.0、95%CI:2.18-411)で有意に成功率が高かった。【結論】単変量解析ではLDH、Alb、3日間のtotal balance、24時間の呼吸数変化量が、多変量解析では3 日間のtotal balanceやLDH が、NPPV 離脱の予測因子として示唆された。デジタルポスター 12 気道・呼吸・呼吸管理③ 2月12日(金) 13:30~14:30 デジタルポスターブース2DP12-2 小児の抜管後呼吸不全における、非侵襲的人工呼吸管理(NPPV)とNasal high flow 療法(NHFT)の治療成績1)神奈川県立こども医療センター 救急診療科、2)神奈川県立こども医療センター 集中治療科林 拓也1)、山田 香里1)、永渕 弘之2)「初めに」2010年から小児の抜管後呼吸不全の予防にNPPVとnasal-DPAP導入し、再挿管回避率の向上を本学会で発表している。2014 年からNHFTを導入したため、NPPVと比較してその有用性を検討する。「対象、方法」2014 年1 月から2015 年8 月まで、抜管後呼吸不全あるいはその予防にNPPVまたはNHFTを行った症例のうち、3歳以下または体重20kg を満たす212 例。内訳は、NPPV37例、NHFT175例で、先天性心疾患周術期の挿管を-H群、心手術以外の挿管を-NH群に分類し再挿管回避率を検討。「結果」NPPV-NH 群 10%(3/30)、NHFT-NH 群 7.5%(4/53)、NPPV-H 群 29%(2/7)、NHF-H 群 10%(13/122)。-NH群の再挿管7 例の理由は、無気肺3 例、神経筋疾患初発2 例、覚醒不全1 例、気胸1 例。-H 群の再挿管15 例の理由は、心不全8 例、気道7 例。NHFT群の再挿管17 例中7 例はNPPV も無効で再挿管となった。「考察」抜管後呼吸不全は、酸素化の悪化が主体であることが多く、その対応、予防として、気道の開存や呼吸仕事量の軽減目的にPEEPを負荷することが有効である。-H群の再挿管の半数は反回神経麻痺や横隔神経麻痺で、今回の検討において、NHFT群とNPPV群で再挿管回避率は同等であった。Deviceやprongの簡便性、快適性から、小児、特に乳幼児における抜管後呼吸不全およびその予防に対し、最初にNHFTの介入は有用であると考える。「結語」小児、特に乳幼児の抜管後呼吸不全、その予防に対して、NHFTは第一選択となりうる。DP12-3 新生児/ 乳児用High Flow Nasal Cannula療法中の吸入酸素濃度1)徳島大学 医学部 医学科、2)徳島大学病院 臨床工学技術部門、3)徳島大学大学院 病態情報医学講座 救急集中治療医学大西 沙紀1)、近田 優介2)、小野寺 睦雄3)、大藤 純3)、西村 匡司3)【目的】High flow nasal cannula(HFNC)療法は広く普及しつつある。HFNC療法は通常の酸素療法より安定した酸素濃度を供給できる。今回、HFNCガス流量、呼吸パラメータが吸入酸素濃度に与える影響を調査した。【方法】HFNCにはOptilow system(Fisher&Paykel)を使用した。HFNC ガス流量は3、5、7 L/ 分、酸素濃度 30、50、70% に設定した。自発呼吸シミュレータ、人工呼吸器回路、模擬鼻腔で自発呼吸を模擬した。模擬自発呼吸は一回換気量 20、30、40 mL、呼吸回数 20、30 回/分、吸気時間 0.8秒の斬減波とした。呼気側の酸素濃度を1 分間測定し最後の3 呼吸を抽出した。【結果】設定酸素濃度30% の場合、ガス流量3 L/分のとき一回換気量20、30、40 mLで吸入酸素濃度は28.7±0.5、28.2±0.2、27.3±0.2%、5 L/分で30.3±0.1、30.1±0.1、29.4±0.7%、7 L/ 分で30.2 ±0.7、29.6± 0.3、29.2± 0.5 ± 0.4%であった。設定酸素濃度50%の場合、ガス流量3 L/分のとき一回換気量20、30、40 mLで47.4± 0.7、45.0± 1.6、42.6± 1.7%、5 L/ 分で48.8± 0.3、48.2 ± 0.0、47.0± 1.2%、7 L/分で49.9± 0.1、49.7 ± 0.4、48.9±0.0%であった。設定酸素濃度70%の場合、ガス流量3 L/分のとき一回換気量20、30、40 mLで64.0±2.0、61.2±1.0、57.4±1.1%、5 L/ 分で67.3± 1.4、67.1± 0.6、62.8± 0.6%、7 L/ 分で69.8± 0.0、69.7 ± 0.1、68.0± 0.2% であった。呼吸回数は吸入酸素濃度に影響しなかった。【結語】一回換気量が大きくなるに従い誤差が大きくなった。設定酸素濃度が大きくなるに従い、設定酸素濃度との誤差が大きくなった。ガス流量が多くなるに従い酸素濃度は安定した。