ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-511-DP3-4 Nasal High FlowにおけるF&P社製MR850を用いた加温加湿器設定の検討JA長野厚生連 篠ノ井総合病院 臨床工学科小林 祐治、高橋 延之、尾崎 稔、宮嵜 大介、高沼 和幸、高沼 亜貴、近藤 文麿、横田 大将、桜沢 貴俊、関原 宏幸【緒言】Nasal High Flow(以下NHF)はドライガスを高流量必要とするため、粘膜線毛状態を維持していく上で加温加湿は不可欠である。今回我々は、NHF における加温加湿器MR850 の最適な設定範囲を検討したので報告する。【方法】室温24℃、湿度60%の環境下で測定を行った。呼吸回路と鼻カニュラはF&P社製RT202、Optiflow を使用し、鼻カニュラ出口の絶対湿度(以下AH)・温度を泉工医科工業社製MOISCOPEで測定した。測定条件は、酸素濃度30%でガス流量20,60L/minとし、MR850の設定は、非挿管モードhc1(34-2℃)、hc3(34±0℃)、hc5(34+2℃)、挿管モードHC0(40-3℃)、HC1(40-2℃)、HC2(39±0℃)とした。【結果】hc1のAHと温度は、ガス流量20L/minと60L/minそれぞれで、25.8±0.2mg/L・30.4±0.2℃、25.2±0.2mg/L・32.3±0.1℃であり、ともにAH30mg/L以下となった。その他の設定では、ガス流量20,40L/min両方においてAH30mg/Lを上回り、挿管モードでのガス流量20L/min ではAH40mg/L 以上、60L/min ではAH44mg/L 以上となった。HC2 においては短時間で回路内に結露が発生した。【考察】AARC が提唱している適正湿度30mg/L 以上を得るにはチャンバー温度は34℃以上必要である。さらに、鼻カニュラ内では2~3℃温度降下するため口元温度をチャンバー温度より高めに設定する必要があると考えられる。またガス流量が低いほど鼻カニュラ内では環境温度の影響を受けると考えられる。【結語】NHF 使用時のMR850の設定は、チャンバー温度34℃以上、口元温度+2℃以上が望ましい。DP3-5 新生児/ 乳児用High Flow Nasal Cannula中の加温加湿1)徳島大学病院 臨床工学技術部門、2)徳島大学 医学部 医学科、3)徳島大学大学院 病態情報医学講座 救急集中治療医学近田 優介1)、大西 沙紀2)、小野寺 睦雄3)、大藤 純3)、西村 匡司3)【目的】High flow nasal cannula(HFNC)療法は急速に広まっている。HFNC 療法は、通常の酸素療法より加湿が優れている。成人用HFNCに関しての報告はあるが、新生児/乳児用HFNCの加温加湿についての報告は殆どない。外気温度、HFNCガス流量、換気量が加温加湿に与える影響を調査した。【方法】Optilow system(Fisher&Paykel)を使用した。HFNC ガス流量は3、5、7L/ 分、加温加湿器MR850(Fisher&Paykel)はinvasive mode(40/-3℃)に設定した。自発呼吸シミュレータ、人工呼吸器回路、一方弁、模擬鼻腔で自発呼吸を模擬した。模擬自発呼吸は一回換気量 20、30、40 mL、呼吸回数20、30回/ 分、吸気時間 0.8秒の斬減波とした。模擬鼻空、人工呼吸器回路は閉鎖式保育器内(37℃)と外(25℃)に設置した。吸気側の絶対湿度を1 分間測定し最後の3 呼吸を抽出した。【結果】保育器内の場合、ガス流量3 L/分のとき一回換気量20、30、40 mLで絶対湿度は39.3± 0.8、39.0 ±0.5、39.4± 0.4 mg/L、5 L/ 分で39.0 ± 1.2、39.4± 0.9、39.6± 0.7 mg/L 、7 L/分で39.4± 0.5、39.9 ± 0.4、40.1± 0.5 mg/Lであった。保育器外の場合、ガス流量3 L/分のとき一回換気量20、30、40 mLで絶対湿度は27.3±0.4、27.4±0.4、27.0±0.2 mg/L、5 L/ 分で29.6 ±0.2、29.6± 0.4、29.3± 0.3 mg/L、7 L/分で31.1± 0.9、31.1± 0.8、31.1± 0.9 mg/L であった。呼吸回数は絶対湿度に影響しなかった。【結語】保育器内の場合、一回換気量とHFNC ガス流量の影響は少なかった。保育器外の場合、ガス流量が多くなるに従い絶対湿度は高くなった。保育器外で使用する場合は、絶対湿度が下がるため注意が必要である。DP3-6 人工呼吸器使用時における加温加湿器の安全管理への取り組み名古屋記念病院 臨床工学部坂本 裕美、嶋崎 公司【はじめに】近年、NPPV は急速に普及し、急性及び慢性呼吸不全に対する適応範囲が広がっている。NPPV では加温加湿器を併用することが多く、離脱に向けてON/OFF する場合や、夜間のみ使用する場合などの着脱の際に加温加湿器の電源を入り切りし忘れるといったミスがいまだになくならない。今回、人工呼吸器と加温加湿器の電源における安全管理について、CE からの視点で取り組んだので報告する。【目的】安全に人工呼吸器管理を行うため、加温加湿器の電源を工学的に制御できないか検討する。【方法】 人工呼吸器は、V60(Philips社製)加温加湿器はPMH1000PR(パシフィックメディコ社製)を使用し、加温加湿器の電源制御を以下の方法で行う。1.市販のパソコン連動タップ2 種類(サンワサプライ社製) ・電流感知方式:タップに加温加湿器のプラグを接続し、V60本体の電源ON-OFFと連動させた。 ・USB電流感知式:タップに加温加湿器のプラグを接続し、V60本体のUSB ポートからの信号と連動させた。2. 開発した回路内圧力連動型コンセント V60本体の送気口に、微圧を検出するスイッチを取り付け、回路内圧と加温加湿器の電源を連動させた。【結果】1.市販の連動型タップ電流感知方式およびUSB電流感知式では、V60の電源をON-OFFすると加温加湿器の電源も連動した。しかし、電源を直接医療用コンセントからとれない、人工呼吸器側にUSBポートが必要なため汎用性がない等の問題があった。2. 開発した回路内圧力連動型コンセントV60の回路内圧を検出し、加温加湿器の電源と連動したが、呼吸回路に接続部を増やし安全性を低下させる可能性がある。【考察】今回試みた全ての方法で加温加湿器の電源を制御することができたが、それぞれの方法にメリットとデメリットが存在する。より安全に人工呼吸管理を行うため、現場の努力や意見が良い報告となり、今後の人工呼吸器に多様な安全機構が備わっていくことを期待したい。