ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-485-O46-4 心臓外科High Volume CenterにおけるICU専門医による術後管理開始前後の比較1)新東京病院 集中治療部、2)関東中央病院、3)順天堂大学 医学部 大学院 麻酔科学・ペインクリニック講座原口 剛1)、松尾 耕一1)、望月 大輔2)、三高 千惠子3)【背景と目的】心臓外科術後患者の管理は血行動態の急激な変化に対応する必要があり、Surgical ICU の中でも管理困難な患者群であると考えられている。心臓外科HighVolumeCenterにおいて、ICU専門医による継続的術後管理による予後改善を期待し、2014年4 月より心臓外科医からICU 専門医に管理を全面的に移行した。【方法】ICU 専門医管理前の2013年度(総手術数626 件、開心術418 件)と管理後の2014年度(総手術数671 件、開心術379 件)の患者においてDPC 逸脱率、血液製剤・バンコマイシン・シベレスタットなどのICUにおいて頻用される薬剤の使用数などの比較を行った。【成績】DPC 逸脱率は10.82%から7.28%と著明に低下した。各種薬剤使用数はカルペリチドが68%減、ランジオロール75% 減、シベレスタット80%減、アルブミン製剤75%減、新鮮凍結血漿67%減、濃厚赤血球47%減、濃厚血小板51%減と大幅な減少を認めた。一方バンコマイシンに関してのみ2%の増加を認めた。また入院期間・ICU滞在期間は2/3 程度と改善した。【結論】ICU専門医による継続的な管理は患者の増悪を予防し、その結果としての各種薬剤の使用量を著明に減少させることが判明した。O46-5 集中治療室の病床規模によって重症患者の年間施設別症例数とアウトカムの関係が変化するか1)東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻臨床疫学・経済学、2)自治医科大学、3)独立行政法人国立病院機構、4)東京医科歯科大学、5)自治医科大学附属さいたま医療センター笹渕 裕介1)、康永 秀生1)、松居 宏樹1)、Alan Lefor2)、堀口 裕正3)、伏見 清秀4)、讃井 將満5)【目的】重症患者の年間症例数が多いと死亡率が低いという関係が報告されており、集約化の議論の根拠となっている。しかし、集中治療病床の割合が少ない施設においても同様に年間症例数と予後の関係が認められるかを報告したものはない。この研究の目的は各施設の集中治療病床の割合が低い病院においても年間症例数が多いと院内死亡率が改善するかどうかを検討することである。【方法】厚生労働科学研究DPCデータ調査研究班データベースを用いて2007 年7 月から2012 年3 月までの期間、入院中に集中治療室への入室のあった症例596,143名を抽出した。施設の年間症例数および全病床に対する集中治療病床割合を各3等分に層別化し、患者の背景及び施設要因を調整したロジスティック回帰分析によって、施設の年間症例数と院内死亡との関連を検討した。【結果】年間症例数、集中治療病床割合はともに高い群で有意に院内死亡は低かった。集中治療病床割合別に検討すると、年間症例数の高い群で死亡率が下がるという関係は集中治療病床割合が最も高い群でのみ認められた(odds ratio, 0.74; 95% CI, 0.58-0.93)ものの、割合が低い群(odds ratio, 0.94; 95% CI, 0.59-1.50)及び中間の群(odds ratio, 0.80; 95% CI, 0.71-1.08)では差が認められなかった。【結論】年間症例数の多い施設で治療を受ける患者の方が少ない施設と比較して予後が良いという関係は集中治療病床割合の高い施設においてのみ認められた。集中治療室の集約化を考える際には集約施設におけるICUの病床数の数を同時に増やす事で患者の予後が改善する可能性が示唆された。O46-6 集中治療部における包括化(DPC)対策会議の活動:11年間の総括1)愛媛大学 医学部 附属病院 集中治療部、2)愛媛大学医学部付属病院 麻酔・周術期科土手 健太郎1)、池宗 啓蔵1)、出崎 陽子1)、中西 和雄2)、菊池 幸太郎2)、藤井 園子2)、小西 周2)、西原 佑2)、阿部 尚紀2)、萬家 俊博2)平成15 年に導入されたDPC に基づく医療機関別包括支払い評価制度(以下DPC 制度)は、厚生省の強い指導のもと、数回の変更が行われ、26年には急性期病院のほとんどが参加施設となってきている。この制度のもとでは選択されたたった一つの診断病名により診療点数が決定される。しかし、医師はこの仕組みについて知識が豊富とは言えず、対応を間違えれば病院に損害を与えかねない。そこで私たちは関係部所から人を集め、ICU 入室患者のうち、何らかの検討が必要と考えられた患者をピックアップし、種々の検討を加えるための会、即ち、包括化対策会を平成16 年に創った。今回、この11 年間の活動を報告する。【方法】平成16年から26年のICU入室患者でDPC病名に何らかの問題があると考えられた患者を、対策会議で検討した。検討内容は、検討患者数、病名変更した患者数、病名変更による請求額の差などである。【結果】11 年間で、DPC 制度は5 回の大きな変更が行われ、包括化対策会は207 回開かれた。検討を加えた患者は、1341 人で、総ICU入室者に対する割合は19%、このうち、病名変更を行った患者は495人(36.9%)であった。11 年間の病名変更による取り戻し額は9375万点(9 億3800 萬円)であった。【結論】集中治療領域は、病院経営上持ち出しの多い部署とされているが、ICU医が事務と積極的に議論することで不必要な持ち出しを取り戻し、経営の改善に一役買う事が出来た。