ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-451-O29-4 蘇生後患者における動脈血二酸化炭素濃度の変化と脳内酸素飽和度の関連-prospective physiological study1)Department of Intensive Care, Austin Hospital, Australia、2)Australian and New Zealand Intensive Care Research Centre、3)School of Nursing and Midwifery, Deakin University田中 愛子1)、Glenn Eastwood1,2,3)、Rinaldo Bellomo1,2)Optimal cerebral oxygenation is considered fundamental to cerebral protection in cardiac arrest(CA)patients. Hypercapniaincreases cerebral blood flow and may also improve cerebral oxygenation. It is uncertain whether this effect occurs inmechanically ventilated(MV)early survivors of CA.We performed a prospective double cross-over physiological studycomparing the impact of normocapnia(PaCO2 35 - 45 mmHg)vs. mild hypercapnia(PaCO2 50 - 55 mmHg)on regionalcerebral tissue oxygen saturation(SctO2 )assessed by near infrared spectroscopy(NIRS).We studied MV seven adult CApatients with a median time to return of spontaneous circulation of 28 mins. During normocapnia(median EtCO2 of 32 mmHgand PaCO2 of 37 mmHg)the median NIRS-derived left frontal SctO2 was 61% and the right frontal SctO2 was 61%. However,during mild hypercapnia(median EtCO2 of 49 mmHg and PaCO2 of 52 mmHg)the median left frontal SctO2 increased to 69%and the right frontal SctO2 increased to 73%)(p = 0.001, for all comparisons). The percentage increases in left and rightfrontal SctO2 induced by mild hypercapnia were 17% and 15%, respectively.During the early post-resuscitation period, inmechanically ventilated CA patients, mild hypercapnia increases cerebral oxygenation as assessed by NIRS. Furtherinvestigations of the effect of prolonged mild hypercapnia on cerebral oxygenation and patient outcomes appear justified.O29-5 心停止後症候群における凝固線溶異常- 心停止の原因による凝血学的因子の変化の相違-1)北海道大学大学院 医学研究科 侵襲制御医学講座 救急医学分野、2)北海道医療大学歯学部内科学講座、3)筑波大学医学医療系救急集中治療医学分野和田 剛志1)、丸藤 哲1)、家子 正裕2)、水柿 明日美1)、前川 邦彦1)、方波見 謙一1)、小野 雄一1)、早川 峰司1)、澤村 淳1)、Subrina Jesmin3)【背景】心停止後症候群(post-cardiac arrest syndrome: PCAS)に凝固線溶異常を合併することは知られているが、その病態について詳細に検討した研究は少ない。窒息や縊頚など低酸素を原因とするPCASは突然の循環停止を来す心原性のPCASに比べ予後が悪いことが知られており、異なる病態が推察される。心原性と低酸素によるPCAS の凝血学的因子の変化の相違について検討した。【対象】72時間以上生存した心原性13人、低酸素性13人のPCAS患者の搬入時、第3病日の凝固線溶指標を測定し、両群間での比較を行った。【結果】低酸素性PCASにおいて、トロンビン活性を反映する可溶性フィブリンに加え線溶活性を反映するFDP、PIC、エラスターゼ値が有意に高値であった(可溶性フィブリン: p=0.010、FDP: p=0.048、PIC: p=0.016、エラスターゼ:p=0.018)。第3病日にはそれらの因子は両群間で有意な差は認めなかった。cerebral performance category(CPC)1、2を予後良好、3以上を予後不良とすると、予後良好は心原性で3名、低酸素性0名で有意な差を認めた(p=0.007)。【考察】PCASでは全身性の虚血再灌流障害により血管内皮細胞傷害が起こり、過剰な凝固亢進と線溶亢進が起こるが、低酸素性PCASにおいてはその程度が顕著であり、より強い内皮細胞傷害の存在が疑われる。エラスターゼはtissue factor pathway inhibitor(TFPI)を分解することが知られており、これも過剰な凝固亢進につながると考えられる。O29-6 院外心停止症例の自己心拍再開後における冠動脈造影についての検討船橋市立医療センター五十嵐 昂、山中 希有子、黒岩 信行、内山 貴史、市川 壮一郎、前川 潤平、池田 篤史、沖野 晋一、福澤 茂、稲垣 雅行目的非急性冠症候群での心肺停止例における緊急冠動脈造影が、予後に及ぼす影響について調査する。方法2006年1 月~2015年5月の当院救急外来へ搬送された、来院時心肺停止後に自己心拍再開した74症例のうち、低体温療法を行った非急性冠症候群53例について後方視的に解析した。結果緊急冠動脈造影を施行したか否かによって2群に分類した。緊急冠動脈造影を行った群(造影群)19 例(男性18 例、年齢60.7 ± 15.4)、行わなかった群(非造影群)34例(男性23例、年齢51.5± 17.3)では、造影群で男性が多かったが(94.7% vs. 67.6%, P=0.038)、年齢には有意差がなかった。最終的に心疾患と診断された症例は、造影群で多かった(100%vs. 79.4%, P=0.041)。来院時の主な血液検査結果に、両群間での有意差は見られなかった。また病着から低体温療法を開始するまでの時間は、造影群で平均141分、非造影群で平均120分であったが、両群間に有意差は見られなかった。低体温療法を中止や緩和することなく達成できたものは、それぞれ15 例と20 症例であった(P = NS)。退院時のCPC(cerebral performance category)に関しては、CPC1,2を得たものが57.9% vs. 52.9%であり両群間に有意差は見られなかった。結論急性冠症候群ではない院外心停止後の自己心拍再開症例において、緊急冠動脈造影は治療経過や神経学的予後の差を見出すことはできなかった。以上の結果を踏まえて、文献的考察を加え報告する。