ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-439-O23-4 JSEPTIC DIC study報告:敗血症におけるV-V ECMO の効果1)市立札幌病院 救命救急センター、2)北海道大学病院 先進急性期医療センター、3)JSEPTIC DIC study group高氏 修平1,3)、早川 峰司2,3)【目的】2009 年の CESAR trial により呼吸不全に対する ECMO の有効性が示された以降,世界的にECMO施行数は増加している.またECMO機材の進歩により従来はECMOの適応とは考えられていなかった敗血症に対するECMOも施行されるようになってきた.しかし,敗血症に対するECMOの効果を検討した研究は少ない.今回,我々は敗血症に対するV-V ECMO の効果を明らかにすることを目的とした.【方法】2011年から2013年までに重症敗血症あるいは敗血症性ショックと診断された成人症例を集計した多施設後ろ向き研究であるJSEPTIC DIC study(N=3195)の中から,入室後1 週間の間に呼吸SOFA ≧ 4以上となった重症呼吸不全症例570 症例を対象とした.570 症例中,V-V ECMO は40 症例に実施されていた.年齢,APACHE2 スコア,SOFA(最大値)スコア,感染源(肺orそれ以外)の4つを独立変数としてPropensity scoreの算出を行い,Nearest Matching法による1:4マッチングを行った.主要評価項目は院内死亡とした.【結果】Unmatchedの場合,院内死亡に対するリスク比は0.9595(95%CI:0.7074-1.3014,p=0.7860)であった.マッチング後はECMO群40症例,コントロール群140 症例が抽出され,院内死亡に対するリスク比は0.8831(95%CI:0.6304-1.2371, P=0.4414)であった.【結語】敗血症におけるV-V ECMO の実施と院内死亡率との間に関連性は認めなかった.本邦におけるECMO治療の問題点を含めて考察し報告する.O23-5 敗血症における急性期DIC 診断基準・日本血栓止血学会DIC診断基準の比較 ~予後との関連~1)奈良県立医科大学 総合医療学、2)多根総合病院 救急科、3)淀川キリスト教病院 救急科矢田 憲孝1)、廣田 哲也2)、藤本 善大3)、原 悠也3)、堀 雅俊3)、長田 俊彦3)、的井 愛紗3)、則本 和伸3)、三木 豊和3)、西尾 健治1)【背景】敗血症の重症度評価に急性期DICスコアが有用とされ、また2014年に日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案(新DIC基準)が新たに示された。【目的】急性期DIC 基準・新DIC 基準に着目し、敗血症の予後予測因子について検討する。【方法】2012年7 月~2015年7月に急性期DIC基準を満たしリコンビナントトロンボモジュリンを投与した敗血症41例を対象に、第1・2病日の急性期DICスコア・新DICスコア・各スコアに含まれる全項目、および各々の変化率と生命予後(28日)との関連を後方視的に検討した。【結果】全41 例のうち生存35 例・死亡6例で、第1 病日の急性期DIC スコア:4.9 ± 1.0、新DIC スコア:5.3 ± 1.3、APACHE2 スコア:24.2±6.4 であった。第1 病日に急性期DIC 基準を満たしたのは41例(そのうち6例が死亡)、第2病日に急性期DIC 基準を満たしたのは39 例(そのうち6 例が死亡)であった。第1 病日に新DIC基準を満たしたのは14 例(そのうち3 例が死亡)、第2病日に新DIC 基準を満たしたのは25 例(そのうち5例が死亡)であった。急性期DICスコア・新DICスコア・PLTの変化率が生命予後に対する有意な予測因子であり、ROC分析では各々のAUCは急性期DICスコア変化率:0.76、新DICスコア変化率:0.81、PLT 変化率:0.80 であった。【考察】敗血症性DIC の予後予測に関して、急性期DIC スコア・新DIC スコア・PLT の変化率が有用であった。新DIC 基準は急性期DIC基準と比較しても予後予測に有用であったが、第1病日にはDICと診断されない例も多く診断の遅延に注意が必要と考えられる。O23-6 全重症度敗血症の解析から示された、「急性期DIC診断基準」の意義日本大学 医学部 救急医学系救急集中治療医学分野小豆畑 丈夫、中村 和裕、酒井 康行、河野 大輔、桑名 司、小松 智英、古川 誠、木下 浩作【背景と目的】急性期DIC 診断基準は本邦の集中治療分野では広く利用されている。しかし、その臨床的意義の評価は十分とは言えず、我々はそれを全重症度敗血症の解析から検討したいと考えた。【方法】急性期DIC診断基準」の臨床的意義を全重症度敗血症(sepsis 49 例、severe sepsis 94 例、septic shock 77 例(全220 例))を対象に検討した。【結果】敗血症の重症度があがると、診断基準score と陽性率が高くなるため[陽性率(平均点数); sepsis:12%(1.7 点), severe sepsis:56%(3.4 点), septic shock:64%(4.1 点)]、敗血症の重症度との高い相関が伺えた。また、SOFA score との正の相関も示された。 全重症度220 例を対象に「急性期DIC 診断基準」の転帰への影響を検討した。単変量ロジスティック回帰分析では、DIC陽性の院内死亡へのオッズ比は3.0 であった。さらに、転帰に影響を与えると考えられる因子(患者背景・来院時の重症度・DIC合併の有無・抗菌治療・敗血症/DIC治療)の中から、転帰への独立因子を多変量ロジスティック回帰分析で解析した。その結果、転帰の独立因子(オッズ)は、Body Mass index(0.88), 来院時血中乳酸値(1.10), 共存症あり(3.07), 急性期DIC診断基準score(1.25)であり、「急性期DIC診断基準」は院内死亡の独立因子であった。【結語】「急性期DIC 診断基準」が示している病態は、敗血症の重症度に連動してその転帰に影響を与えていると考える。