ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-426-O17-1 中枢神経モニタリングに関するアンケート1)香川大学 医学部 救急災害医学、2)東京医科大学 麻酔科、3)国際医療福祉大学熱海病院 神経内科 同脳卒中・神経センター、4)愛媛大学医学部救急医学、5)日本大学医学部 救急集中治療医学、6)大阪府三島救命救急センター、7)昭和大学医学部 救急医学、8)北海道大学 大学院医学研究科侵襲制御医学講座救急医学分野、9)帝京大学医学部 救急医学黒田 泰弘1)、内野 博之2)、永山 正雄3)、相引 眞幸4)、木下 浩作5)、小畑 仁司6)、三宅 康史7)、澤村 淳8)、坂本 哲也9)[目的]救命救急センターおよび日本集中治療医学会専門医研修認定施設(以下ICU 専門医施設)における中枢神経モニタリングの実施状況を調査する。[方法]救命救急センター(271施設)およびICU 専門医施設(284施設)に対して、2014 年1月1日~2014 年12 月31 日の1 年間に入院した15 歳以上の神経集中治療対象症例における中心神経モニタリングの実施状況の記載を日本集中治療医学会神経集中治療ガイドライン作成委員会から依頼した。神経集中治療対象疾患としては、心肺停止、クモ膜下出血、頭部外傷、全身痙攣重積状態、原因不明の意識障害、術後意識障害(心大血管、脳外、等)、 その他(脳梗塞、脳内出血など)、として調査した。[結果]1 アンケート回収率は25 % であった。2 中枢神経モニタリングではCT、MRIの頻度が高かった。3 心停止に対しては低体温療法、他疾患に対しては常温療法の施行率が高い。4 心停止は、他疾患に比して中枢神経モニタリングの施行率が高い。[結論]中枢神経モニタリングの使用頻度および種類に疾患別の相違があることが分かった。口演 17 神経① 2月12日(金) 11:00~12:00 第11会場O17-2 Amplitude-integrated electroencephalographyで昏睡患者のnon-convulsive status epilepticusを捉えた1 例太田西ノ内病院 麻酔科岩崎 夢大、千田 康之、伊藤 文人、石田 時也【はじめに】現在集中治療室における脳モニタリングの必要性が謳われており、特に神経集中治療を要する患者では必須と考えられているが、適切なモニタリングが施行できていないのが現状である。Amplitude-integrated electroencephalography(aEEG)は元々新生児領域で使用されているモニタリングであるが、読影も通常脳波より簡易であり、スクリーニングに役立つ可能性がある。【症例】71歳男性、意識障害にて来院。髄液検査にて細胞数40080 と高値であり、Klebsiella pneumoniaeによる細菌性髄膜炎の診断で抗生剤にて治療開始となったが、意識障害悪化と頻呼吸にて第2病日に挿管、鎮静下にて管理を行った。痙攣抑制効果があるミダゾラム、プロポフォールを使用していたが、鎮静中止後も意識レベル改善なく、non-convulsive status epilepticus(NCSE)を起こしている可能性も否定できなかったため、第10 病日よりaEEG モニタリングを開始。第12病日に30 分を超える痙攣発作波をaEEG で捉え、脳波モニタリングを追加したところ、3 相波の異常脳波が検出された。レベチラセタムを追加したところ、異常脳波は消失。その後の経過は良好で第55病日にリハビリ転院となり、その半年後に退院となった。意識レベルはGCS E4V4M6まで改善した。【考察】aEEG は脳波成分のうち2~15Hz の周波数の成分を抽出し最大・最少振幅幅を表示しており脳波のトレンドを追うことが容易に可能である。aEEG は神経集中治療領域での脳モニタリングとしてその簡易さから適しており、非専門医でもNCSEの検出と治療介入、その評価が可能になるかもしれない。aEEG にて集中治療領域での神経モニタリング追加・治療介入ができる可能性が本症例にて示唆された。O17-3 非痙攣性てんかん重積状態の診断にbispectral index(BIS)モニターが参考になった2 症例1)済生会横浜市南部病院、2)横浜市立市民病院前島 英恵1)、速水 元2)非痙攣性てんかん重積状態(nonconvulsive status epilepticus、NCSE)は重症患者の数%に存在するとされるが、その臨床症状は意識障害以外に乏しく、診断には積極的に疑う必要がある。今回意識障害の遷延に対しNCSEを疑い、診断の参考としてbispectral index(BIS)モニターを使用した2症例を経験した。【症例1】79 歳女性、大動脈弁狭窄症に対する大動脈弁置換術後に覚醒遅延となり、術翌日にCT施行するも器質的異常を認めず。BISモニターで棘波を認めたため脳波を施行したところ、散在性に鋭波を認めNSCEの可能性を疑った。レベチラセタム、ホスフェニトインを投与し徐々に意識の回復がみられ、術後7日目に抜管した。なお意識回復に伴い左上肢の麻痺が明らかとなり、術後4 日目のCTで右前頭葉に低吸収域が顕在化し、脳波上もF4で鋭波を認め、同部位の脳梗塞が原因と考えられた。【症例2】72歳男性、くも膜下出血術後、てんかんを有する患者。痙攣重積に対しレベチラセタムの血中濃度上昇まで人工呼吸管理され痙攣は抑制されていたが、意識障害が遷延。BISモニター上棘波が観察され、脳波施行したところ右前頭部優位に棘徐波を認め、レベチラセタムを増量し第7ICU病室に抜管した。【結語】遷延する意識障害患者に対しNCSEを疑った場合で、持続脳波モニタリングができない状況下において、限界はあるもののBIS モニターが診断のきっかけになる可能性がある。今回経験した2 症例ともBIS モニターが早期診断、治療介入の参考となっており、文献的考察を交えて報告する。