ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-424-O16-1 敗血症性急性腎障害におけるリポカリン型プロスタグランジンD 合成酵素(L-PGDS)血中濃度の検討1)滋賀医科大学附属病院 救急・集中治療部、2)滋賀医科大学 救急集中治療医学講座山根 哲信1)、藤野 和典2)、江口 豊2)【背景】リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(L-PGDS)は、脳、腎臓、血管内皮細胞に発現していることが知られており、慢性腎障害や狭心症のマーカーとして報告されている。これまで、我々は敗血症患者において、血中L-PGDS 濃度が上昇し、Cre、D ダイマーと相関することを報告した。血中L-PGDS 濃度と急性腎障害(AKI) との相関について検討した報告はまだ無い。今回、我々は、敗血症性AKIと血中L-PGDS 濃度の相関ついて検討した。【方法】ICUに入院となった重症患者より血中L-PGDS 濃度を測定し、AKI 群(n=19)および非AKI 群(n=19)に分けて比較した。また、KDIGO 分類のステージとの相関を検討した。さらに、AKI の有無、敗血症の有無によって4 群に分け比較検討した。【結果】血中L-PGDS 濃度は、AKI群では非AKI 群に比べ、有意に高かった(125.0 vs 72.6 μ g/dl, p=0.001)。KDIGO分類において、血中L-PGDS濃度は、ステージ3群では非AKI群に比べ有意に高かった(162.3 vs 72.6 μ g/dl, p = 0.001)。また、AKI の有無、敗血症の有無による4 群比較においては、血中L-PGDS 濃度は、敗血症AKI 群では非敗血症非AKI 群に比べ有意に高かった。(137.0 vs 72.2 μ g/dl, p = 0.009)【結論】血中L-PGDS 濃度は敗血症性AKIの診断マーカーとして有用である可能性が示唆された。口演 16 腎臓・腎機能・血液浄化① 2月12日(金) 13:30~14:30 第10会場O16-2 集中治療患者におけるクレアチニン・クリアランス測定値と糸球体濾過量推定値の比較:単施設後方視観察研究1)医療法人鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科、2)東京医科歯科大学医学部附属病院 救命救急センター軽米 寿之1)、白石 淳2)、山本 良平1)、藤内 まゆ子1)、佐藤 仁信1)、松本 敬1)、小林 宏維1)、麻生 将太郎1)、笹野 幹雄1)、林 淑朗1)【背景】eGFR やCockcroft-Gault(CG)の式等による糸球体濾過量(GFR)推定値は、集中治療患者においても抗菌薬等の薬剤投与量調節に用いられている。しかし、これら予測式は慢性腎不全の非重症患者データをもとに考案されたもので、急性期重症患者における診断確度には疑問がある。【目的】集中治療患者におけるクレアチニン・クリアランス(CrCl)測定値と予測式によるGFR推定値の比較【デザイン】単施設後方視観察研究【セッティング】日本の3 次医療機関の混合closed-ICU【対象】2013年4 月から2015年5 月までの26ヶ月間にICU に入室し、CrClを測定した全ての患者【方法】CrCl は主に抗菌薬投与量調節目的に必要と判断された場合に、原則8 時間蓄尿を検体に用いて測定した。同一患者で複数回CrClが測定された場合、初回測定値およびその同日の予測式による推定値のみ解析対象とした。Bootstrap法(10000回)を用いて、eGFRとCrCl測定値の差と95% 信頼区間(95%CI)を求めた(CG式についても同様)。【主要評価項目】CrCl測定値とGFR推定値の差【結果】230 症例、658 回のCrCl 測定があった。eGFR はCrCl より14mL/min/1.73m2[95%CI: 9.6-19.7]有意に低かった。CG 推定値はCrClよりも18mL/min/1.73m2[95%CI: 13.7-22.8]有意に低かった。【結論】集中治療患者おいて、予測式によるGFR推定値は、真のGFRを過小評価する可能性があり、これに基づいた投与量調節は、抗菌薬等の治療失敗につながるかもしれない。O16-3 腎臓超音波検査を用いた定常流型補助人工心臓装着患者での腎機能評価の試み大阪大学 医学部附属病院 集中治療部井口 直也、酒井 佳奈紀、内山 昭則、藤野 裕士【はじめに】腎臓超音波検査、特にresistive indexは集中治療を要する患者の急性腎傷害(AKI)の予測や診断に使用されている。腎臓超音波検査指標は拍動流を前提として考えられており、近年急速に使用が増加している定常流型補助人工心臓(VAD)患者では拍動がないため使用できない。一方でVAD患者がAKIを発症した場合は移植登録に影響し、さらには予後も不良である事が明らかになっており、VAD患者の腎機能評価は重大な問題である。最近になり以前は検知できなかった末梢血流を明瞭に検出できる新しい超音波技術が開発された。【目的】VAD患者において、新しい超音波技術であるSuperb Micro Vascular Imaging( SMI)を用いて腎機能を評価できるか試みた。【方法】VAD装着術後にAKIを発症した患者を対象とした。AKIの診断はKDIGO分類を用いた。集中治療部に入室中に腎臓超音波検査を行った。SMIを用い、皮髄境界近傍の葉間動脈での流速の絶対値を計測し、超音波ビームとの角度補正値を算出した。また腎全体に占める腎血流部分のカラー画素数(%)を経時的に計測した。カラー部分の画素数計測は専用ソフトを用いた。心電図上の左室収縮末期および拡張末期において計測を行った。超音波検査による測定値と血清クレアチニン値との相関を検討した。【結果】4人の患者で計21 ポイントのデータを取得した。全ポイントでデータ取得が可能であった。AKIはKDIGO stage 1 および2 であった。心電図上の収縮末期および拡張末期での流速角度補正値(cm/ 秒)、カラー画素数(%)はそれぞれ14.5 ± 6.2、10.6± 4.6、15.5 ± 6.9、10.2 ±4.4(平均±標準偏差)であった。心電図上の収縮末期および拡張末期での流速角度補正値およびカラー画素数は血清クレアチニン値との相関が認められなかった。【結論】VAD 術後のAKI 患者において、SMI を用いた葉間動脈での流速計測値およびカラー画素数計測値は血清クレアチニン値と相関を認めなかった。