ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-409-O8-4 離脱症候群を起こすリスクファクターの検討筑波大学附属病院 看護部瀬端 龍太郎離脱症候群を起こすリスクファクターの検討Risk factor of the withdrawal syndrome:retrospective study 瀬端龍太郎1)、仁平かおり1)、榎本有希2)1)筑波大学附属病院 小児ICU、PICU, University of Tsukuba Hospital2)筑波大学附属病院 救急・集中治療部、Department of Emergency and Critical Care Medicine University of Tsukuba Hospital【目的】クリティカルケアが必要な小児患者は、ミダゾラムとオピオイドによる鎮静・鎮痛が必要である。総投与量や投与期間、減量方法によっては離脱症状を引き起こす。離脱症候群の評価スケールとしてはWithdrawal assessment tool Version 1:WAT-1(以下WAT-1)があるが日本での報告は少ない状況にある。今回、WAT-1 を使用しリスクファクターの分析を後方視的に検討したので報告する。【対象・方法】 先天性心疾患の術後患者でオピオイドとミダゾラムを72時間以上持続投与した患者39例を対象とした。薬剤の減量開始からWAT-1を12 時間ごとに評価した。【結果】離脱症候群の発生率は74.4%であった。月齢の中央値が3.0[0.00-142.0]、PIM2 が1.8[0.8-11]である。ロジスティック回帰分析単変量解析で離脱症候群発症と有意に関連が認められた項目は抱水クロラールの使用(p=0.0035)オッズ比35.0(95%信頼区間3.2100~382.00)、デクスメデトミジンの治療期間(p=0.01)オッズ比1.96(95%信頼区間1.17~3.280)・漸減期間(p=0.00372)オッズ比4.900(95% 信頼区間1.67~14.300)、ミダゾラムの漸減期間(P = 0.0354)オッズ比1.550(95% 信頼区間1.030~2.34)であった。【考察】デクスメデトミジンの反跳現象がWAT-1の評価項目である発汗・興奮・筋緊張と重複する部分があるため、さらなる検討が必要である。O8-5 手術患者の悪夢発生に対するICU 管理の影響- プロペンシティスコア解析を用いた検討奈良県立医科大学 麻酔科 集中治療部園部 奨太、井上 聡己、内藤 祐介、寺田 雄紀、野村 泰充、安宅 一晃、川口 昌彦【背景】かつてはICU 症候群と呼ばれるほどICU環境は術後譫妄などの発症因子になると言われてきた。ICUのモニターによるノイズ、密度の高い治療看護などにより過剰なストレスが患者にかかるために譫妄を発症しやすいと考えられている。しかしながら最近環境因子よりも患者の重症度自身が譫妄発症に起因しているという意見も出ている。譫妄の症状に幻覚、悪夢などがあるが、今回悪夢の発症を術後譫妄発症の指標とし、術後ICU管理された患者とそれに相当する術後ICU 管理されなかった患者を抽出し、術後悪夢発症におけるICUの影響の調査を行った。【方法】対象は当院の麻酔科にて管理された中等度リスク手術12508例症例である。術後ICU入室有、無をアウトカムとし、麻酔台帳記載のロジスティック回帰分析をもとにプロペンシティスコア(PS)を算出した。近似のPSを持つ症例ごとにマッチングしICU群、非ICU群に群わけし、麻酔科術後外来の記録からそれぞれの群の術後の悪夢発生の頻度を調査した。術後悪夢発生頻度の比較に関しマッチング前はフィッシャー検定、マッチング後はマクネマー検定を行った。【結果】マッチング前はICU管理で悪夢の発生率が高かったが[ICU vs 非ICU : 101/718(12.3%)vs 1147/10542(9.81%),odds ratio(CI)=1.29(1.03- 1.61),p=0.022]、マッチング後は差がなかった[ICU vs 非ICU : 81/561(12.6%)vs 73/569(11.4%),odds ratio(CI)=1.13(0.80-1.58),p=0.54]。【結語】術後ICU管理は悪夢発生率を増加させなかった。O8-6 ICU-AW への取り組み~NSサイドでのリハビリ導入を試みて大津市民病院佐藤 隆美、村松 明子、山田 親代、日隈 玲ICU-AW 予防への取り組み ~NS の継続したリハビリ実施と大津市民病院 集中治療室○佐藤隆美 村松明子 山田親代 日隈玲【はじめに】ICU-AWは重症患者がICU 滞在中に生じる全身が衰弱する神経、筋障害で左右対称の四肢麻痺を呈する症候群である。A 病院ICUでのICU-AW の発症頻度を把握するため、2015年1月~3 月までICU に入室し、人工呼吸器装着した患者にMRCスコアを測定した。その結果、対象患者のほぼ全てがICU-AWの診断基準を満たした。その原因として、第一にリハビリを理学療法士(PT)のみに委ねていたことが考えられた。また、A病院ICUでは、浅鎮静に取り組み、1日1回の鎮静中断(DIS)を実施していたが、DIS とPT の訪床とのタイミングが合わず、リハビリ時にはMRC スコアが低下していたのではないかと考えた。そのため、鎮静コントロールおよびリハビリに重点を絞り、取り組みを実施した。【方法】看護師によるリハビリが実施できるよう、簡単な6種類の方法をスタッフに提示、浸透させ、少量で頻繁なリハビリを実施できるようにした。同時に、ICU-AWへの理解が深められるよう情報を提供した。鎮静は特別な指示がない限り日中はRASS-1~0を目標とし、昼夜の変化をつけるため夜間はRASS-2~-3 を目標とすることでICU- AWの予防に努めた。【倫理的配慮】A病院倫理委員会の承認を得て行った。【結果】取り組みの前後を比較して有意差はなかったが、平均MRCスコアは上昇した。【考察】A病院ICUでは、PTによるリハビリは平日の限られた時間のみであり、休日はPT による介入がなく、継続したリハビリを実施できていなかった。看護師によるリハビリに取り組んだことで平均MRCスコアが上昇したと考える。さらに、スタッフにリハビリの必要性、有効性を理解してもらうことができ、実践へと繋げる機会となった。今後、継続することによりICU-AWの予防に努めていきたい。