ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-390-AW4-1 本邦における重症急性膵炎の原因別における患者背景および予後の検討:多施設後方視的観察研究結果1)武蔵野赤十字病院 救命救急科、2)慶應義塾大学 消化器内科、3)自治医大さいたま医療センター 麻酔集中治療部岸原 悠貴1)、堀部 昌靖2)、讃井 將満3)、安田 英人1)、本澤 大志1)、三浪 陽介1)、東 秀律1)【背景】急性膵炎には様々な原因が知られており、他国では重症急性膵炎の原因と年齢との関係が研究されているが、本邦ではその原因別の死亡率や重症度は定かではない。【目的】重症急性膵炎の原因と死亡率や重症度との関係を検討する。【対象】2009年1月から2013年12月までに、本邦18 施設の救命救急センターに入室した1159 例の重症急性膵炎症例【方法】重症急性膵炎の原因別(胆石性n=241、アルコール性n=456、ERCP後n=110、高 TG性n=26、特発性n=240、その他n=86)に分類し、死亡率や重症度、APACHE2 score 及び厚生労働省急性膵炎予後因子などとの関係を検討した。【結果】原因別は胆石性71(62-79)、アルコール性49(40-61)、ERCP 後70.5(57.8-78)、高TG 性38(30-44.5)、特発性68.5(51.3-77)、その他64(48.3-74.3)であった。APACHE2score/厚生労働省急性膵炎予後因子は、胆石性12(8-18)/3(2-4)、アルコール性11(6-17)/3(1-5)、ERCP後 11(8-17)/2(1-4)、高TG性 12(7-18)/5(3-5)、特発性16(19-13)/3(2-5)、その他13(9-22)/3(1-4)であり、それぞれ有意差を認めた(p=0.0009、p=0.0013)。病院死亡率は胆石性14.1%、アルコール性8.1%、ERCP 後17.3%、高TG 性7.7%、特発性16.7%、その他20.9% であり、有意差を認めた。(p=0.0012)。【結語】 本邦における重症急性膵炎の原因と年齢との相関を認めず、これはすでに他国(中国、ヨーロッパ)で示された結果と同様であった。また、APACH2scoreと厚生労働省急性膵炎予後因子の間と、原因別の病院死亡率に関して有意な差を認めた。優秀演題 4 2月13日(土) 11:00~12:00 第2会場AW4-2 Sepsis-induced cardiomyopthyにおける可逆性心筋虚血の関与1)東北大学病院 循環器内科、2)東北大学病院 高度救命救急センター鈴木 秀明1)、工藤 大介2)、久志本 成樹2)背景:敗血症の急性期には、可逆的な心機能低下であるsespsis-induced cardiomyopathy(SIC)を合併し、SIC 合併例では予後が悪いことが報告されている。しかし、その病態は明らかではない。方法:左室収縮不全を合併した敗血症性ショック患者6名(66.0±6.6 歳, 男/女 4/2名, 左室駆出率<50%)を対象とした。書面による同意を得て、急性期(診断後3 - 8日)及び慢性期(診断後27 - 90 日)に99mTc-MIBI SPECT を撮影し、取り込み率(%)により心筋血流を評価した。1 名の患者では、123I-MIBG SPECT及び18F-FDG PETを用いて心臓交感神経、糖代謝についても評価した。結果:左室駆出率、及び心筋血流は、慢性期と比べ急性期で有意な低下を認めた(左室駆出率, 急性期, 34.2±2.4 vs. 慢性期, 63.0±2.8%, P=0.0004; 心筋血流, 急性期, 68.6±2.4 vs. 慢性期,74.3±1.4%, P=0.027)。1名の患者では、心筋血流の低下に一致して、糖代謝の亢進、交感神経分布の低下を急性期で認め、慢性期には回復した(図)。結語:SIC の病態には可逆性心筋血流低下が関与する可能性がある。