ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-385-AW1-3 心拍変動を用いた向精神薬中毒重症度評価東京医科大学 救急・災害医学分野藤川 翼、河井 健太郎、佐々木 博一、鈴木 智哉、東 一成、河井 知子、内田 康太郎、太田 祥一、三島 史朗、行岡 哲男【目的】自律神経の活動評価が、向精神薬中毒症例における意識障害の継続時間の指標として有用か否かを評価する。【対象】救急隊現場到着時JCS2桁以上で当救命救急センターに搬送された向精神薬中毒症例を対象とした。自律神経評価のため、昇圧剤投与例、不整脈例、降圧剤内服例を除外した。【方法】病着後から自律神経の評価を施行した。心拍変動を測定し解析にはフーリエ解析を用いた。LF/HFを交感神経の指標、HF 成分を副交感神経活動の指標とした。24 時間以内に歩行可能となった群(A 群)、24時間以降の群(B 群)、コントロール群(C群)に分け比較した。【結果】A 群14 例、B群15例、C 群10 例、意識状態改善までの時間はA・B 群それぞれ13.9±5.9 時間(mean±SD)、63.5± 15.0時間であった。平均年齢、推定服薬量、来院時GCS、収縮期血圧はA、B 群に有意差は認めなかった。LF/HF は3 群間で有意差は認めなかったが、HF は3 群間で有意差を認めた。【結語】副交換神経機能の指標の低下は抗精神病薬中毒症例の覚醒までの評価に有用であった。AW1-4 熱中症の冷却法・冷却時間と予後の関連について昭和大学 医学部 救急医学講座神田 潤、三宅 康史、中村 俊介、有賀 徹【目的】熱中症における冷却法には補液のみ(補液)、体内冷却(体内)、体外冷却(体外)とその併用(併用)があり、各々の冷却法と予後の関係を検討する。【方法】日本救急医学会が2006年から2012年に実施したHeat Stroke STUDY(合計5353 症例)のデータを用いた。深部体温38 度以上の症例(803症例)において、熱中症重症度スコア、冷却法(補液、体内、体外、併用)、38 度までの冷却時間、予後(生存・後遺症の有無)の関連について、分割表検定(カイ2 乗検定・Fisher直接検定)・t検定を用いて検討した。【結果】38度以上の症例に限定しても、熱中症重症度スコアは4点以上で予後が有意に悪化していた。冷却法について、体外、併用の2 群で予後が有意に良かったが、2群間では予後と冷却時間に有意な差は認めなかった。予後良好群(99 ±173min)では悪化群(116±187min)に対して、冷却時間が60分以内の症例が有意に多かったが、平均値については両群で有意な差は認めなかった。【結論】熱中症では、速やかな冷却が予後の改善に有用であると推定される。冷却法について、体外冷却単独もしくは体内冷却との併用の双方が同等に有用だと考えられる。調査全体における深部体温の報告が少なく、今後も継続した調査の必要性が示唆された。