ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-383-ES5杏林大学医学部付属病院 集中ケア学科小松 由佳 クリティカルケア領域でのEarly Mobilizationは、過去数年間の臨床的および科学論文で数多く報告され、非挿管患者を中心に多くの施設で実施されてきた。ここ数年は、患者の退院後のQOLやADLの自立を向上させる,ICU滞在日数・在院日数短縮,せん妄期間や人工呼吸器離脱日数へ貢献していることが大きくクローズアップされ、先進的なICUでは挿管患者の立位や歩行を積極的に実施している施設も多い。 そもそも、従来までは人工呼吸器が装着された途端、患者のストレス緩和目的で深鎮静管理をされることが一般的で、“人工呼吸中管理=鎮静薬投与”といったことがICUルーチンとして処方されていた時代に、Petty TL(1998)はその患者の姿をみて“sedated patients, lying without motion, appearing dead” in a state of “suspended life.”と声明を研究者達に訴え、2000年頃から尊厳(人間が人間らしくあること,人間の本来あるべき姿)を守る医療がされはじめたといっても過言ではない。最近は、包括的な取り組みとしてABCDEF bundle が認知されつつあり、浅鎮静もしくは鎮静中断中のEarly mobility が実施され、短期的のみならず、数年後のQOL を向上させる長期的な効果があると示され、その重要性が認識されてきた。では、多数の文献で報告されているEarly mobilization とはどのようなことをいうのだろうか。Mobilizationとは“動作および、そのために準備すること”を意味しており、早期から医療者が行なう関節可動域訓練(他動運動)や体位変換、体幹バランストレーニング、座位、立位、歩行などが含まれる。しかし近年では“早期離床”というベッドから降りて動作する、つまり立位、歩行に焦点が当てられる傾向だが、患者本来のあるべき姿へと導くためのケアを実践するためには個々の病態・病期に合わせたmobilization のバリエーションが必須である。そこで、今回、ICUにおける患者本来のあるべき姿へと導くためのEarly mobilizationとしていくつかの方策を紹介していきたい。イブニングセミナー 5 2月13日(土) 17:20~18:20 第11会場ICUでのEarly Mobilization ?患者本来のあるべき姿へ導くケアとは?