ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-356-MS1順天堂大学大学院医学研究科 救急災害医学射場 敏明敗血症に合併する凝固異常や播種性血管内凝固(DIC)の発症には、病原体由来の凝固活性化因子と、これらによる刺激によって単球や血小板、血管内皮細胞などが発現するtissue factorの役割が大きいとされてきた。しかし最近は、このような機序に加えて自然免疫の最前線で機能する好中球の細胞死、および死細胞から逸脱するdamage-associated molecular patterns(DAMPs)の関与も注目されるようになっている。すなわち炎症性刺激によって活性化された好中球は、血管内腔に接着した後にneutrophilextracellular traps(NETs)を放出し、また細胞死(oncosis)をきたして周囲にDAMPsを放出し、これが特異的受容体に結合して局所的に凝固を活性化する。また一方でNETsは血管内皮細胞障害を誘導することによって血栓形成を刺激していることも明らかにされた。この一連の過程は病原体の“局所封じ込め”を目的とした合目的的反応であると考えられており、実際に血栓形成を抑制すると生存にとって不利に作用することが知られている。 血栓形成による封じ込めと協調して機能するのが、新たに明らかにされた好中球の細菌処理システムである。Neutrophilextracellular traps(NETs)として知られるこの細菌処理システムについては、その構成成分であるヒストンや顆粒タンパクが強力な凝固活性化作用を有していることから、敗血症における血液凝固への関与も注目されている。ヒストンについては、凝固活性化とともに強力な血小板凝集作用を有していることが明らかにされ、血栓形成刺激として重要である。このようなヒストンの制御系については、活性化にも障害緩和作用がみられることから、治療ターゲットとしての可能性が検討されている。そして生理的抗凝固物質である活性化プロテインC には、ヒストン障害緩和作用がみられることが報告されている。 以上をまとめると、敗血症における凝固の活性化は、そもそもは病原体の全身播種をくい止めるための自己防御反応の一環であるが、これが過剰となり、全身の微小血管内に血栓形成をきたすようになると、組織循環障害を招き、DICとして重要臓器の機能障害を引き起こすことになる。このような状態では、抗凝固療法による病態の改善が期待されるが、現時点で有効性が検証された抗凝固療法は存在しない。その理由としては、1)凝固の活性化は自己防御の一環として機能していること 2)抗凝固療法には出血性有害事象がつきものであること などが考えられている。抗凝固療法は適切な対象に、適切なタイミングで、妥当な量を投与しなければ有効性が得られない微妙な調整を要する治療なのであろう。モーニングセミナー 1 2月13日(土) 7:45~8:45 第2会場重症敗血症における抗凝固療法の展望LS1CardioPulmonary Department, Incor - Heart Institute, Faculdade de Medicina da Universidade de Sao Paulo, Sao Paulo, BrazilMarcelo Britto Passos AmatoFollowing this presentation the participant shall have an understanding of: 1. Why and how APRV and PSV give much more control to the physician, while Proportional Modes give much more controlto the patient. 2. The asynchronous nature of APRV and its consequences. 3. The basic principles governing the duration of ventilator-inspiratory-time during PSV(dependent on cycling-off criteria)and proportional modes(more synchronous with neural drive). 4. How to improve the matching between neural-inspiratory-time versus ventilator-inspiratory-time during PSV. 5. When a liberal control of ventilation(proportional modes)may be bad.This talk will review the main targets that should guide professionals during assisted mechanical ventilation. Three majorphysiological constrains, usually resulting in opposite or encroached strategies, have to be smartly composed when ventilatingpatients recovering from acute respiratory failure:a)maintenance of low driving inspiratory pressures(to protect the lung against tissue inflammation and fibrosis),b)maintenance of respiratory muscle activity(to avoid muscle atrophy, keeping respiratory pump power); andc)maintenance of good patient-ventilator synchrony(to avoid the need of excessive sedation, or to avoid excessive respiratorymuscle pump activation, which may lead to hemodynamic problems, fatigue, and ventilator induced lung injury).Some strategies to optimize the 3 targets above will be discussed. Important clues to estimate the effective driving-pressureduring assisted breaths will be discussed,The choice among the modes above will be dependent on the stage of disease and the intrinsic patient response to lung stretchand to blood gases.Some novel data acquired with dynamic CT and Electrical Impedance Tomography will show the dark side of spontaneousventilation. When it causes more damage than benefit, even if low tidal-volume is preserved.ランチョンセミナー 1 2月12日(金) 12:20~13:20 第2会場The latest advances in lung protective strategy