ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-352-GD3-1 日本版敗血症ガイドライン(感染源のコントロール)日本版重症敗血症診療ガイドライン2016作成特別委員会中田 孝明、小豆畑 丈夫、大嶋 清宏、後藤 孝治、升田 好樹、西田 修、小倉 裕司、井上 茂亮、射場 敏明、今泉 均、江木 盛時、垣花 泰之、久志本 成樹、小谷 穣治、貞広 智仁、志馬 伸朗、中川 聡、布宮 伸、林 淑朗、藤島 清太郎、松嶋 麻子、松田 直之、織田 成人、田中 裕 感染源のコントロールは,severe sepsis/septic shock患者の初期診療時に重要な項目の1 つである.感染源のコントロールに関する項目は,前回の日本版敗血症ガイドラインには記載されておらず,今回,日本版敗血症ガイドラインとしては初めて取り上げる項目である.ご存知のようにSurviving Sepsis Campaign Guidelines 2012(SSCG 2012)では,Source Control という項目が,第一章「Initial Resuscitation and Infection Issues」に設けられている.内容は,2つの総論的なCQ(「感染源のコントロールが必要な感染巣の早期検索・診断・処置の必要性(grade 1C)」と「より非侵襲的な処置の選択(UG)」))と2 つの各論的なCQ(「感染性膵壊死に対するdelayed intervention(grade 2B)」「血管内留置デバイスが感染源として疑われた時の早期抜去(UG)」)で構成されている.本領域はSSCG 2012 および関連文献から質の高いエビデンスが少ないことがひとつの特徴と言える. 現在作成中の日本版敗血症ガイドラインでは,PICO方式でCQ を作成しており,P(Patient)は感染源別に設定した.具体的には,感染源のコントロール班5名およびガイドライン作成委員会で議論を重ね,source controlに関する記載が必要と考えられる「腹腔内感染症」「感染性膵壊死」「血管カテーテル感染」「閉塞性尿路感染症」「壊死性軟部組織感染症」の5 つを選択した.次に,I(Intervention)は「タイミング(早期・後期)」「処置の種類(外科的手術・非侵襲的処置)」の2種類を選択し,O(Outcome)は「死亡率・ICU 滞在期間,入院期間・合併症発症率」を設定した.そしてrandomized control trial,systematic review を中心に文献検索し,これまでに報告されている知見を収集した.現在,CQに対する答えとなる知見の評価行っている.これらの作業で得られた結果に基づき,今後は推奨文の作成を行っていく予定である.ガイドライン 3 2月13日(土) 17:05~18:10 第1会場日本集中治療医学会・日本救急医学会合同日本版重症敗血症診療ガイドライン:シンポジウムGD3-2 ICU-acquired weakness とPost-Intensive Care Syndrome -CQの策定からメタ解析まで-日本版重症敗血症診療ガイドライン2016作成特別委員会井上 茂亮、畠山 淳司、斉藤 伸行、福家 良太、近藤 豊、一二三 亨、武居 哲洋、西田 修、小倉 裕司、射場 敏明、今泉 均、江木 盛時、垣花 泰之、久志本 成樹、小谷 穣治、貞広 智仁、志馬 伸朗、中川 聡、中田 孝明、布宮 伸、林 淑朗、藤島 清太郎、升田 好樹、松嶋 麻子、松田 直之、織田 成人、田中 裕ICU 退室後の亜急性期・慢性期の身体的・心理的な諸問題が注目される中、Society of Critical Care Medicine がICU-acquiredweakness(ICU-AW)やPost-Intensive Care Syndrome(PICS)という概念を提唱した。ICU-AW とは、ICU に入室後に発症する急性の左右対称性の四肢筋力低下を呈する症候群である。PICS とは、ICU在室中あるいはICU 退室後,さらには退院後に生じる運動機能,認知機能,精神の障害である。そのどちらもがICU患者の長期予後のみならず、患者家族の精神にも影響を及ぼすものとして広く認識されはじめている。近年このPICS やICU-AW などの亜急性期から慢性期の病態がICUにおける重症敗血症患者にも密接に関与しているという報告がなされるようになり、2016年度版日本版重症敗血症診療ガイドラインにも独立した章として取り上げられることになった。そのなかでPICS・ICU-AW 班では、「ICU-AWの予防に電気筋刺激を行うか?」「ICU-AW の予防に早期リハビリテーションを行うか?」「PICS の予防に早期リハビリテーションを行うか?」という3つのCQ を作成し、新規SR の必要性の有無を、相互査読を行いながら検討している。本発表ではPICSおよびICU-AWの新しい病態の概要・診断・予防に関する最新の知見を解説するとともに、本ガイドラインにおけるCQ 策定からメタ解析の経過を報告する。