ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-341-CR15-1 千葉大学でのRapid Response Systemの実例Rapid Response System検討委員会中田 孝明、安宅 一晃、新井 正康、川崎 達也、川原 千香子、児玉 貴光、仙頭 佳起、藤谷 茂樹、藤原 紳佑、三宅 章公、織田 成人【背景】千葉大学医学部附属病院では,院内急変に対する早期介入により重症化や死亡を減らすことを目的にMedical EmergencyTeam(MET)によるRapid Response System(RRS)を導入している.今回,RRS検討委員会の委員会報告から実例紹介として,導入・運用方法の実際を中心に示す.【方法・結果】当施設の病床数は835 病床(ICU/CCU 22 床,NICU/GCU 12 床).ICU は救急科・集中治療部の医師が中心となって診療を行うclose typeで,対象患者は救急・外科・内科系のmixed type である.2012年2月にCode BlueシステムからMET を中心としたRRS に移行している.METの構成は救急科・集中治療部の当番勤務医師(2 名以上)と救急外来・ICUを担当する看護師(必要時には臨床工学技士)(1名以上)である.MET発動基準は,特定のバイタルサイン基準は設けず,「突然の卒倒」「意識消失」「呼吸不全」「緊急の気道確保を要する場合」「ショック」「心停止」「高エネルギー事故(敷地内の交通事故・転落等)」「現場スタッフのみでの救急処置対応が不十分な場合」「発見者が必要と判断した場合」を用いている.対象者は外来/ 入院患者,職員,面会者,業者を含めた全ての院内滞在者としている.MET call の連絡先は救急科・集中治療部の責任医師が携帯するホットライン専用PHSとし,そのPHS番号は各部署で掲示し,携行用の医療スタッフマニュアルの背表紙にも記している.MET callは全職員(医師・看護師・コメディカル・事務職員)が発動可能で,MET callの内容は,ICU,救急外来,救急科・集中治療部 医師控室内のスピーカーで通話内容が情報共有される仕組みとしている.METの普及を目的に,MET 導入時から現在まで,病院内セミナー・講演(全職員を対象とした医療事故防止セミナー,病棟単位での院内急変対応セミナー,院内講演会など)を積み重ね,MET件数は1年目83件,2年目122件,3年目131件と増加傾向にある(計336件,5.8件/1000入院患者数).また診療記録の補助・データ収集・解析を目的に要請者とMETが記入するために活動記録シートを作成し,データ収集を行っている.収集されたデータは,毎月MET コアメンバーミーティングでreview している.また導入後1 年経過時に,導入前後1年の検討を行い,病院全体としての死亡退院率に有意な変化を認めないが,予期せぬ重篤な急変事象は減少する傾向を認めることを報告している(Kawaguchi R and Nakada TA. Acute Medicine & Surgery. 2015; 2: 244-249).【結語】当施設で導入しているMETを用いたRRS を実例として報告した.委員会報告 15 2月14日(日) 10:00~10:50 第11会場Rapid Response System検討委員会CR15-2 Rapid Response Systemに関わる用語の日本語訳と定義Rapid Response System検討委員会川崎 達也、安宅 一晃、新井 正康、川原 千香子、児玉 貴光、仙頭 佳起、中田 孝明、藤谷 茂樹、藤原 紳佑、三宅 章公、織田 成人本邦でも入院患者の有害事象を減らす方策としてRapid response system(以下RRS)の導入が広がりを見せつつある中で、RRSに関する研究報告が増加する一方で、用語の使用や解釈に混乱が見られる。しかし、RRS の普及をさらに促進し、多施設症例レジストリをはじめとする臨床研究を実施するために、用語の統一は不可避である。国際的にも用語の統一が図られる方向にあることを受けて、当委員会ではRRS に関して頻用される用語の日本語訳と定義について検討を重ね、以下のように決定したことを報告する。1)RRS の訳語を「迅速対応システム」とし、「重症化しつつある患者を早期に認識し、予期せぬ心停止や予期せぬ死亡などの重篤有害事象を防ぐための全病院的なシステム」と定義した。2)RRS のシステムを構成する4 つの要素に関する用語として、Afferent limb/component, Efferent limb/component, Patientsafety/process improvement limb/component, Governance/administrative structure limb/component の日本語訳と定義を定めた。3)RRS 起動を受けて対応するチームの構成を指す用語である、Medical emergency team(MET), Rapid response team(RRT),Critical care outreach team(CCOT)については日本語訳を設けず、定義のみとした。4)RRS 導入によるアウトカム評価のパラメータとして、Unexpected cardiac arrest, Unexpected death, Unplanned ICUadmissionなどの日本語訳と定義を定めた。