ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-336-CR12 集中治療室(ICU)等における診療・看護の実態調査1)名古屋市立大学病院 看護部、2)大阪大学医学部付属病院 看護部、3)自治医科大学附属さいたまメディカルセンター 看護部、4)信州大学医学部附属病院 看護部、5)兵庫医療大学 看護学部、6)日本医科大学付属病院 看護部丸谷 幸子1)、稲垣 範子2)、八木橋 智子3)、下村 陽子4)、網島 ひづる5)、鈴木 智恵子6)【目的】 本調査は日本集中治療医学会看護部会が実施し、その目的は、今後、求められる医療機関の機能分化・強化に応じたより密度の高い診療体制に対応できる看護師の配置(人員・専門性)への示唆を得るために、集中治療室(ICU)等における診療・看護の現状を明らかにすることである。【方法】 調査は、日本集中治療医学会認定登録施設(256施設)の看護管理者を対象に、郵送による自記式質問紙調査を実施した。質問内容は施設・ICU 等の概要、看護人員体制、看護師教育、2011~2013 年における感染症サーベイランス・計画外抜管件数、看護人員体制に対する意見などである。調査は2014年10月に実施した。倫理的配慮として、調査目的・参加の自由、プライバシーの確保について示し調査票の返送をもって参加の承諾を得たものとした。得られたデータの管理は本学会の情報管理ガイドラインに沿って行った。【結果】 本調査の有効回答数は95施設(有効回収率37.1%)であった。本調査に参加した施設の92%で特定集中治療室管理料1-4を取得しており、7 割が一般ICUであった。 看護師の人員配置はすべての施設において既定の2対1は確保されていた。しかし、「現行では不十分」「状況によって現行では不十分」という意見がほぼ6割を占めていた。その理由は、<患者の緊急・重症度が高い><複雑・高度な医療処置・生命維持装置への対応><高齢・小児患者の増加><安全の確保><患者・家族への看護の充実><看護師の実践力の低下>などであった。また、71 施設(74.7%)に集中ケア認定看護師が配置されていたが、急性・重症患者看護専門看護師は12施設(12.6%)のみであった。ICUに新卒者が配属される施設は85施設(89%)、新卒者数は平均7.4人であり、独り立ちする時期は入職後12ヵ月とする施設が最も多かった。独り立ちは<基本的なケアが提供できる><疾患に対応した看護ケアが指導者と共に実施できる>などから判断していた。また、2011年~2013年の3 年間の人工呼吸器関連肺炎、中心静脈ライン関連血液感染、MRSA新規発生率は減少していたが、尿道留置カテーテル関連尿路感染の発生率は増加していた。2013 年の計画外抜管は前年度と比較して増加していた。【結論】 本調査結果から、集中治療医療の高度化や集中治療を必要とする患者の重症度を鑑み、また、密度の高い診療体制に対応できる医療チームの一員として、24時間ベッドサイドで患者の安全と質の高いケアを提供するためには、看護師配置要件2:1はもとより、状況によってはそれ以上の人員配置が必要である。加えて、新卒者の配置数や教育の難しさを考慮して、専門的に集中治療・看護を学び、卓越した看護実践力を有する看護師の配置が必要であることが示唆された。特に、認定・専門看護師の配置や相談体制の充実が必要であると考える。委員会報告 12 2月14日(日) 9:30~10:15 第9会場集中治療看護人員配置検討WGの調査報告―ICU看護の質を考える―