ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-326-CR5-1 PICUの現状 全国調査報告1)宮城県立こども病院 集中治療科、2)小児集中治療委員会小泉 沢1,2)、竹内 宗之2)、中川 聡2)、植田 育也2)、清水 直樹2)、多賀 直行2)、平井 克樹2)、戸田 雄一郎2)、志馬 伸明2)小児集中治療委員会では、我が国の小児集中治療施設(PICU)の現状を把握するとともに、小児救命救急・集中治療医療体制の課題を認識することを目的として、2013年度より小児集中治療施設データベースの構築をはじめた。対象施設は、特定集中治療室管理料もしくは小児特定集中治療室管理料を算定し、専ら小児集中治療に携わっている施設(ユニット)とした。今年度は、全国27施設(29ユニット)を対象にアンケート調査を依頼した。調査項目は、2015年度の病院体制・ICU体制(病床、施設認定など)と診療体制 (医師・看護師・臨床工学技士などのマンパワー)、2014年入室患者統計(症例数、入室経路、治療内容、患者予後など)等である。本学会では調査開始後3 年間の動向を踏まえ、その集計結果を報告する。委員会報告 5 2月13日(土) 8:20~8:50 第7会場小児集中治療委員会CR5-2 小児集中治療室での長期滞在患者の多施設実態調査1)大阪府立母子保健総合医療センター 集中治療科、2)日本集中治療医学会 小児集中治療委員会竹内 宗之1,2)、志馬 伸朗2)、植田 育也2)、小泉 沢2)、清水 直樹2)、多賀 直行2)、戸田 雄一郎2)、中川 聡2)、平井 克樹2)小児専門の集中治療室で治療されている重症小児の死亡率は、そうでない場合と比較すると低い(Farrell 2004)。重症小児の予後を改善するためには、小児専門の集中治療室は全国に約50 施設程度配置されることが望まれると報告されている(桜井 2006)。しかし、現状では、小児特定集中治療室管理料を算定している施設は全国で5 箇所しかない。現行の小児特定集中治療室管理料と特定集中治療室管理料1/2かつ小児加算の間には診療報酬的には大差がない。このことは、経営上のインセンティブを与えにくいことにより、新たな小児集中治療室を整備する妨げとなっている懸念がある。〔目的と方法〕本調査の目的は、小児特定集中治療室管理料の算定可能期間を適正化するために、(1)全国の小児集中治療室における平均滞在日数と、14 日を超えて滞在している患者数を把握すること、次に、(2)それらのデータを、長期滞在が予想される患者・病態群毎に解析し、長期化する患者群を明らかにすること、とした。調査(1)は2014年に、調査(2)は2015年に、小児集中治療連絡協議会のメーリングリスト参加29 施設に対しアンケートを配布して行った。〔調査結果(1)〕11 施設から回答を得た。2013 年の計4105 名の入室患者において、平均滞在日数は7.8 日、14 日を超えて滞在する患者数は396 名で全体の9.7%であった。14日を超えたために算定できない病床の全入室日数に占める割合は24%であった。〔調査結果(2)〕8 施設から回答を得た。2014 年の3897 名の入室患者における結果を図に示す。HLHS を含むRACHS-1 スコアが4以上の心臓手術、心筋炎・心筋症、ECMO やRRT 施行症例、ARDS、気管狭窄・低形成、食道閉鎖などが、それぞれの患者群に属する患者の3 割以上で14 日を超えて集中治療室に滞在していた。〔まとめ〕重症小児では全体に集中治療室滞在期間が長く、小児特定集中治療室管理料を算定できない日数が多いことがわかった。また、長期化しやすい疾患・病態群を明らかにすることもできた。これらの知見は、小児特定集中治療室管理料の見直しにおける重要な基礎資料となるかもしれない。