ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-322-CR3-3 Education Program in My Country(KSCCM)Department of Anesthesiology & Pain Medicine, Chonbuk National University Medical School, KoreaDong-Cham KimCR3-4 日本における集中治療専門医制度日本集中治療医学会専門医制度・審査委員会委員長/山梨大学医学部救急集中治療医学講座松田 兼一日本における専門医制度は,これまでは任意団体である各医学会が主体となって認定してきた.集中治療専門医も同様で,当学会認定の専門医数は2015年9 月1 日現在1218 人である.2015 年9 月に集中治療専門医に行ったアンケートでは,集中治療専門医以外に習得している専門医として,回答者740 人中,麻酔科学会専門医・認定医が471 人(64%),救急医学会専門医が347 人(47%),内科学会総合内科専門医・認定医が104 人(14%),外科学会専門医・認定医72 人(9.7%)等が挙げられた.前記以外の専門医資格を習得している医師も多数存在したことから,他科同様,集中治療専門医においても一人の医師が複数科の専門医資格を有することがわかる.専門医が乱立する中で,2014年5月,国民及び社会に信頼され,医療の基盤となる専門医制度を確立することによって専門医の質を高め,良質かつ適切な医療を提供することを目的として日本専門医機構が設立された.本機構によって2017 年4 月から始められる新たな専門医制度に向けて,基本19領域の制度改革が現在進められているところである.集中治療はサブスペシャリティ領域に属している事から,基本領域の専門医制度改革を見据えた上で集中治療専門医制度の見直しが必要となる.先に行ったアンケートでは,集中治療専門医がICU以外の勤務場所を有するのは572人(77%),週40時間以上ICUで勤務する集中治療専門医は僅か224人(30%)であった.これは集中治療専門医として集中治療に専従している専門医が希有であることを表している.集中治療専門医の質の向上と共に集中治療に専念できる環境をどの様に整えるかを見据えながら,実態に即した専門医制度を構築していかなければならない.また質の高い集中治療を国民に提供するとともに日本の集中治療専門医の存在感を世界に顕示するために,専門医制度の充実と教育プログラムの整備を行う様努力すべきである.集中治療専門医を目指す医師のみならず国民にも納得して頂き,さらに専門医である事に誇りが持てる様な専門医制度・教育プログラムを,非常に困難を伴うと予想されるが,皆で知恵を出し合って整備すべきと考える.