ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-320-CR2-3 特定集中治療室管理料は臨床工学技士の集中治療室業務を減退させる?山形大学 医学部 附属病院 臨床工学部吉岡 淳、石山 智之、斎藤 大樹当院の臨床工学技士(以下CE)は12名で、平成26年4月よりCEの宿日直体制(勤務時間8:00~翌朝8:00、宿直相当時間帯0:00~6:30、宿日直勤務者1名)にて24 時間院内常駐を開始した。そして、同年6 月に国立大学法人病院では最初となる特定集中治療室管理料1 を取得した。インセンティブとして、宿日直手当1 回につき5,900 円、宿直相当時間帯に従事した場合には超過勤務手当、オンコール手当(待機1回につき3,600円、救急対応1回につき3,000円)が支給されている。宿直相当時間帯での対応件数は、平成26 年は平均月100.4 件(3.3 件/ 日)だったが、平成27 年には平均月177.8 件(5.9 件/ 日)となり件数が約2 倍に増えた。当初は特定「集中治療室(での)」管理料を取得するために開始した宿日直体制だったが、今では依頼を受ける業務内容に変化が見られ、病棟からの生体情報モニタートラブル、手術室への人工心肺、顕微鏡や内視鏡等での技術提供、カテ室でのPCPS、IABP操作など、依頼件数の約7割は集中治療室以外からの部署が占めている。そのため、夜間に宿日直者が集中治療室での人工呼吸器、CRRT(持続的腎代替療法)、緊急アフェレーシスなどの業務に従事できない状態も発生している。更には、宿日直体制導入後は非番、代休(土日祝日出勤、当直、出張)により日勤帯の勤務者数が減少したことで人手不足となり、日勤帯での集中治療室業務への人員確保も難しくなった。人数が少ない施設で宿日直体制を敷くと日勤帯、夜間における臨床工学技士の集中治療室業務を減退させる可能性があり、それを防止するためには超過勤務の増加、夏期休暇や年休、代休の返上を行い対応している。今後は、特定「集中治療室」管理料の名前に合った臨床工学技士の活躍が期待され、1. 常時、【集中治療室】に勤務していること、2.【 集中治療認定臨床工学技士】の誕生、3. 【集中治療認定臨床工学技士】が、常時、院内に勤務している、などの特定集中治療室管理料に関する施設基準の見直しが考えられる。そのためには、24 時間常に集中治療室で従事できる臨床工学技士の業務体制を確立する必要があり、目標実現のため集中治療業務検討小委員会に期待される役割も大きい。