ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-303-WS4-5 地域連携における薬剤師のかかわり帝京大学ちば総合医療センター 薬剤部三浦 幹剛集中治療室に入院される多くの患者は、容態の改善と共に転院、在宅療養、施設入所のいずれかを選択することとなる。それに伴い薬剤の投与方法も持続点滴静注→間欠的静注→経口投与へと変化していく。退院後の患者の薬物療法が有効に継続できるようにするには、在院中からできる限り準備をしておく事が必要である。地域の医療機関に転院する場合には、対応する医療機関で投薬可能な医薬品の有無の確認や情報収集を行い調整する場合がある。在宅療養や施設入所する場合には、処方により地域の保険薬局から医薬品を受け取ることになるため、退院までの薬物療法の経緯や副作用歴などの注意点の情報を保険薬局の薬剤師に提供する必要がある。集中治療にかかわる薬剤師は、集中治療室に入院中のことだけではなく、地域の医療機関の薬剤師や保険薬局の薬剤師へ情報の提供と共有化を図る必要がある。特に保険薬局の薬剤師との情報共有は、医師、薬剤師、看護師等多職種がそれぞれの専門性を生かし、チームとして患者を支援する地域連携・在宅支援を行うために重要である。そのため現在、病院と保険薬局の薬剤師が情報を共有し、患者さんが入院してからも、退院してからも充実した医療を受けることができるように連携する薬薬連携が進められている。薬薬連携を行う上で最も重要なことは、薬物治療上の疑問点などが生じた時に、相互に相談できる関係が構築されていることである。そのためには、病院と保険薬局の薬剤師が「顔の見える関係」であることが必要であり、病院と保険薬局の薬剤師が合同で参加できる研修会・意見交換の場を定期的に持つなど、地域としての取り組みが重要となる。また、情報を提供し、円滑に連携を図っていく上では、お薬手帳の活用や退院時処方のほか薬学的問題点と経過、今後の継続的に確認してほしい内容(検査値・TDM のデータを含む) 、服薬説明時の留意点を記入できる統一された書式を作成し活用することが望まれている。しかしながら患者個々の情報の共有化を進めるには課題も多い。この点について当院での薬薬連携推進の取り組みを通して報告する。今後、集中治療からはじまる地域医療・在宅支援を推進するために集中治療にかかわる薬剤師は、どのような取り組みを行う必要があるか討論したい。WS5 論文が学会誌に掲載されるまでの道のり -査読者はこうみる-1)東京慈恵会医科大学医学部看護学科、2)岡山大学病院、3)大阪警察病院、4)聖路加国際大学高島 尚美1)、藤井 玲子2)、大江 理英3)、櫻井 文乃4)臨床看護師には、臨床の場で生じた看護上の問題や課題に対する「研究的な姿勢」が求められます。その理由は、日常的なその姿勢や研究成果が看護実践や看護の知識体系の改善となり、患者への質の高い看護の実現に結びつくからです。看護研究を実施したことがある看護師は、社会的貢献だけでなく、研究活動を通じて自分の仕事をみつめ、客観的に科学的に対象をとらえるという経験となり、自身のものの見方や考え方にも影響があったことを自覚しているのはないでしょうか。そして、それらの研究は公表され、その知見を広く共有していくべき使命を持っています。最近、看護系投稿論文数は増えてきています。ところが、多忙な中で、なんとか学会発表まではやってはみたものの、論文として投稿したことがない、あるいは投稿したのだけれども、査読者からのコメントが多くて修正が大変だったので途中で挫折した方、今悩んでいる方、将来のために知っておきたい方、さまざまな方がいらっしゃることと思います。 この企画では、査読者は投稿論文をどのようにみているのか?を提示します。論文が採択されるためには、査読者や編集委員のチェックポイントを知っておくことも意義があります。なぜなら、それは投稿論文を掲載するために十分とされる条件だからです。論文の評価視点は、文献クリティークの視点であったり、ご自分自身の研究デザインや計画のチェックポイントでもあり、それらを知っておくことは、質の高い研究を実施し論文化する際にも有効です。それは、看護研究を成功に導くためのカギです。 お気軽にお立ち寄りください。ワークショップ 5 2月14日(日) 10:15~11:00 第9会場編集委員会企画 看護研究