ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-277-SY26-3 当院におけるフレイルの評価と対策1)済生会熊本病院 リハビリテーション部、2)済生会熊本病院 集中治療室岡田 大輔1)、中村 通孝2)、西上 和宏2)人口の高齢化に伴い、フレイルを有する患者が増加している。その評価方法としては、FriedらのCHS index が国際的に用いられているが、身体的なフレイルの評価が中心となっている点など、問題点が指摘されている。当院では、独自に6つの評価項目(5m歩行速度、握力、ADL、体重減少、精神的消耗度、認知機能)からなるSaiseikai Frailty Score(SFS;0-6,最重症6点)を設定し、フレイルの評価を行っている。特徴は、身体的・精神的な評価と認知機能の総合的な評価が行える点である。 我々は、循環器疾患、特に治療そのものが高齢で併存症を有している患者を対象としている経カテーテル的大動脈弁植え込み術の術前・術後評価にSFS を用いており、患者選択から治療後の患者状態評価における有用性を確認している。 集中治療が必要な高齢者においても、フレイルの評価は重要である。フレイルの合併が、せん妄を増加させ、ADL低下の要因となり、患者のQOLを長期にわたり低下させることが報告されている。また、ICU-Acquired Weaknessなどの合併に伴い、集中治療室での管理中にフレイルを呈する症例を多く経験する。そのため、入院前の状態を評価することに加え、入室中に患者がフレイルを呈しているかを評価する必要性がある。 現在、集中治療室入室中の患者のフレイル評価にSFSの使用を開始しており、身体的フレイルだけでなく、鎮静剤使用などの影響で見逃されることの多い認知機能障害や精神的な問題に対する評価を行っている。入室中の患者の多くがフレイルを呈しており、改善のためには多職種による多面的なアプローチが重要である。 本シンポジウムでは、当院のフレイルに対する取り組みについて報告するとともに、今後の対策について議論したい。