ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-271-SY23-7 心肺機能停止蘇生術後の抜管困難症となる要因の検討順天堂大学 静岡病院 救急診療科柳川 洋一、日域 佳、小日向 麻里子、吉澤 俊彦、小畑 宏介、石川 浩平、大坂 裕通、大出 靖将目的:心肺機能停止(CPA)蘇生術(CPR)後の抜管困難症となる要因を明らかにすること方法:2013年10 月から2015 年7月までの間、当院に内因性CPAにより搬送され、心拍再開を得て1週間以上入院となった症例とした。除外項目は、CPA時のCPRとして気管挿管は施行されなかった症例とした。対象を2週間以上、抜管できなかったもしくは一度抜管したが再挿管された症例を抜管困難症例群、2 週間以内に抜管し、再挿管しなかった症例をコントロール群とした。両群間で、年齢、性別、既存の呼吸器疾患の既往、CPA の原因が心原性か否か、CPA 時の目撃者の有無、bystander CPR の有無、胸骨圧迫時間、現場初期心電図が電気ショック適応波形か否か、来院時のbase excess 値、低体温療法施行の有無、CPR によるフレイルチェスト合併の有無、2週間以内の意識回復の有無、一月後のCerebral Performance Category(CPC)に関して検討を行った。結果:20 例が対象となった。このうち8 例が抜管困難群、残りの12 例がコントロール群となった。抜管困難群は8 日目に途中死亡した1 症例を除き、7 例全例が蘇生後2週間の時点で人工呼吸器が必要な状態であった。抜管困難群はコントロール群と比較し、女性比率、平均年齢、呼吸器疾患の既往、胸骨圧迫によるフレイルチェストの合併率、平均 CPC 値が統計学的に有意に高値であった。一方、抜管困難群はコントロール群と比較し、2週間以内の意識回復率は低値を示した。結語:高齢、女性、呼吸器疾患の既往、胸骨圧迫によるフレイルチェストの合併、遷延性意識障害の症例は、心拍再開を得ても、蘇生後2週間の時点では人工呼吸器からの離脱は困難で、最終転帰も不良となる可能性が高い。