ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-270-SY23-5 心肺停止蘇生後の人工呼吸管理におけるConservative oxygen therapyの効果1)Department of Intensive Care, Austin Hospital, Australia、2)Australian and New Zealand Intensive Care Research Centre、3)School of Nursing and Midwifery, Deakin University田中 愛子1)、Glenn Eastwood1,2,3)、Rinaldo Bellomo1,2)Mechanically ventilated(MV)cardiac arrest(CA)survivors admitted to the intensive care unit(ICU)are initially typicallysedated and on mandatory mechanical ventilation. A conservative approach to oxygen therapy management may feasibly andsafely reduce exposure to unnecessary oxygen delivery.We performed a retrospective nested cohort study to evaluate theintroduction of a conservative approach to oxygen therapy(target SpO2 88-92% using the lowest FiO2 )during the first 24 h ofICU admission for resuscitated CA patients.We studied 912 ABG datasets: 448 ABGs from 50 ‘conventional’ and 464 ABGs from50 ‘conservative’ group patients. There were clear differences between the groups in relation to oxygen therapy(PaO2 and FiO2)over the first 24 hours(p < 0.001), the use of spontaneous ventilation(1 vs 9 patients, p = 0.001), and exposure to a FiO2 of 0.21(0 vs 19 patients, P = 0.001). In addition, more conservative group patients received a spontaneous MV mode throughout thestudy observation(2% vs 18%; p = 0.001). We found no differences in the proportions of the patients discharged from ourhospital with good neurological outcomes[CPC 1 or 2]among survivors(p = 0.67)and ICU length of stay was significantlyless for conservative oxygen therapy patients(p = 0.04). Our findings provide preliminary evidence to support furtherinvestigations of conservative oxygen therapy and its impact on patient outcomes in mechanically ventilated CA patientsadmitted to the ICU.SY23-6 院外心停止後患者に対する水素ガス吸入療法の実行可能性と安全性1)慶應義塾大学医学部救急医学教室、2)慶應義塾大学医学部循環器内科、3)日本医科大学大学院医学研究科加齢科学系専攻細胞生物学分野多村 知剛1)、林田 敬1)、鈴木 昌1)、佐野 元昭2)、渋沢 崇行1)、吉澤 城1)、小林 陽介1)、太田 成男3)、福田 恵一2)、堀 進悟1)【緒言】分子状水素は多面的効果を有し、虚血再灌流障害に有効である。我々は動物実験で、水素ガス吸入療法(HI)が自己心拍再開(ROSC)後の脳・心機能を改善し、生命予後も改善することを報告したがヒトでの検討はない。【目的】心停止後患者に対するHIの実行可能性と安全性を調査することである。【対象と方法】2014年1月以降に院外心停止のため搬入された患者。適応は年齢20-80 歳、病院前もしくは救急外来でROSC後もGCS≦ 8 の者。発症前の脳機能カテゴリー(CPC)3,4、救命を希望しない、原疾患が外傷・急性大動脈解離・末期癌、50%酸素投与下で経皮的酸素飽和度< 94%、昇圧薬投与後も収縮期血圧< 90mmHg、ROSCからHI開始まで12時間以上を要する者、妊婦は除外とした。HIは集中治療室入室後、体温管理療法と並行し2%水素を用いて18時間行った。主要評価項目は搬入から1週間の有害事象とし、独立データモニタリング委員会が有害事象とHIとの因果関係を判定した。副次的評価項目は90日生存率と90日神経転帰良好(CPC1,2)の割合とし、2013年1年間の歴史的対照群と比較した。検定はFisher の直接法を用いた。【結果】試験期間中21 人がROSC後に入院した。16人を除外し、5 人にHI を行った。年齢65 ±14歳、男性3人(60%)、心原性3人(60%)、初期調律心室細動4人(80%)、全例に目撃あり、バイスタンダーCPR実施4人(80%)、推定心停止時間16± 5 分、低体温療法実施4人(80%)、ROSC からHI開始まで4.9 ± 1.2時間であった。HI に起因した有害事象は認められなかった。90日生存は4人(80%)、90日CPC1,2は4人(80%)であった。対照期間にROSC後入院した12人のうち、本研究の適応/ 除外基準を満たしたのは5 人であった。90 日生存は4 人(80%)、90 日CPC1,2 は3 人(60%)で、HI 群と比較して生存率(P=0.50)、CPC1,2の割合(P=0.78)に有意差を認めなかった。【結語】心停止後患者に対するHIは実施可能で安全であった。今後HIの有効性の検討が必要である。